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『元素118の新知識 第2版』
桜井弘編著、講談社ブルーバックス 2023年3月発行

118の元素ごとに、その特性、白鍵の歴史、産業的・医学的用途などを記した「読む事典」。最初から読んでもいいし、興味を持った元素の概要を調べるために引いてもいい。2017年の第1版から6年あまりでのアップデート。こういう本の知識、近代以前の世界だとその価値は計りしれない。中世的な異世界に転移したり過去にタイムスリップしたりする可能性のある人は所持しておいた方がよいかもしれない。

『中学生のみんなの歌260』
明治図書 1990年発行

古書で見かけて衝動的にゲット。懐かしい。私が中学生の時に使ってたのよりもちょっと新しい版。この本でコードネームを覚えたなあ。掲載されている歌はほとんど変わらない、と思ったけど「まんが日本昔ばなし」の主題歌は当時は載ってなかった気がする。

『詳説 用語&資料集 理科 2700』
受験研究社 2022年1月発行

受験参考書の類いは内容が異様に充実しているのに安い。驚くほど安い。この本もフルカラー350ページで1200円ちょっと。そして昔習った義務教育の内容をアップデートできる。パラパラと眺めているだけで楽しい。今はスペースデブリとかカーボンナノチューブとかも中学で習うんだなあ。

『グイン・サーガ 3 ノスフェラスの戦い』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1980年3月発行

グインはセム族の部族を結集し、ノスフェラスそのものを武器にモンゴール軍へと反撃を加える。表紙はキタイの魔道師カル・モルとセム族たち。そしてカル・モルによって語られる、ノスフェラスの中心地たる《死の谷》グル・ヌー。星船の墜落から数千年を経ても致死量を遙かに上回る放射線を出し続ける殺傷石。その戦略的重要性に気づいたモンゴール金蠍宮。中原のみならず世界に覇をとなえるモンゴールの野望が人びとの運命を狂わせていく。

『バッタを倒すぜアフリカで』
前野ウルド浩太郎著、光文社新書 2024年4月発行

『バッタを倒しにアフリカへ』の続編。タイトルが似ているので、これが新刊かどうか買う時に一瞬迷ってしまった。600ページを超えるボリューム。まだ前書きしか読んでないけど、パラパラと見たところ写真はすべてカラーだった。よく1500円で出せたなあ。お盆休みあたりにのんびり読むことにします。

『超芸術トマソン』
赤瀬川源平著、ちくま文庫 1987年12月発行

なぜこの本を買ったのか思い出せないけど、帰りの電車内でうっかり読んでしまい爆笑を抑えるのに必死だったのは覚えている。当時も、そして今も、街には超芸術トマソンがひっそりと存在している。ありふれた存在のようで、探そうとするとなかなか見つからない。偶然見つけると嬉しくなる。1980年代に見出されてから40年以上たった今も、ツイッターにはトマソンの話題が流れ続けている。

『Rustで作るプログラミング言語~コンパイラ/インタプリタの基礎からプログラミング言語の新潮流まで~』
佐久田昌博著、技術評論社 2024年6月発行

オリジナルのプログラミング言語を作ってみたい、って誰しも一度くらい考えるじゃないですか。CやJavaやC++で言語を実装する本はすでにあるけど、今さらCやJavaやるのもね、と思ってたところに、こんな本が出てたので買ってきた。Rustにも興味あったので、ついでに勉強してみようと。

『世界文化小史』
H.G.ウェルズ著、角川文庫 1971年3月発行

この「小史」も「世界文化史大系」も国会図書館デジタルコレクションで複数の翻訳がタダで読めるのだけど、やはり手元に置いておきたいということで。ただしもう絶版になってるので古書で入手。宇宙の誕生から現代までの通史をビッグヒストリーとしてまとめた本が今も毎年のように出版されているのは、それだけ人気が高いジャンルなのだろう。原著は1922年発行で、大著「世界文化史大系」の後に書かれたのだけど、ダイジェスト版というわけではなく、より一般の人が一気に通して、興味を持って読めるように書かれている(とウェルズも前書きに記している)。ただ1970年代の文庫本なので活字が細かいのよね。もっとゆったりしたハードカバーで読みたいから、どこかが新装版とか出さないかなと思ってるけど、さすがに無理だろうなー。

『神秘学概論』
ルドルフ・シュタイナー著、高橋巌訳、ちくま学芸文庫 1998年1月発行

ずいぶん前に買った後まだ読んでなかった。神秘学については体系的に知っているわけではないので、教養として読んでおこう、と思って買ったような気がする。人智学ではなく神秘学を手に取ったのは、当時はグルジェフの影響下にあったからかもしれない。科学的なパラダイムが圧倒的に支配する現代こそ、こういうのを読む意味がある気がする。

『アーサー王物語』
ジェイムズ・ノウルズ著、金原瑞人編訳、偕成社文庫 2000年7月発行

子どもの頃に読んだことがなく、教養としてひととおり知っておきたいということで、子ども向きと思われるこの本を手に取った(よく見ると「子どもとおとなのための」と書いてあった)。なるほど、古典だなあ。いろんな元ネタがここにある。「ペンドラゴン」もここからきていたのか。

『グイン・サーガ 2 豹頭の仮面』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1979年10月発行

スタフォロス砦を脱出し、ケス河を越えてノスフェラスへ足を踏み入れるグイン一行とヴァラキアのイシュトヴァーン。それをアムネリス皇女率いる一万五千のモンゴール軍が追う。敵方の魔道士が登場するものの占い師と大差ない。と思ってたら、アムネリスは「占術師」とも呼んでいるのね。架空の世界にもかかわらず、神話と大自然の圧倒的な存在感が迫ってくる。

『グイン・サーガ 1 豹頭の仮面』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1983年1月改訂版発行

もう一度グイン・サーガを通して読みたいと思う。50巻くらいまでは何度も読んでるけど、それ以降は1~2回しか読んでなかった気がする。ともあれ最初から読んでみる。1巻は実に正統派ヒロイックファンタジー。剣と魔法の世界。ただし魔法(魔道)は物語のバックボーンとして大切な役割はあるものの、まだ前面には出てこない。それにしても、日頃ネット小説やラノベに浸っていると、この硬派な世界観と文章に圧倒される。刊行から45年を経て少しも古びていない。

"漢方薬は一般的に即効性がないものの、根本的な体質改善を促し、長い目で見ると病気の治癒や健康の維持に役立つ。同様に、人文学は人間形成ないし人間性の陶冶に一役買い、実生活を営む上で必須の思考力・判断力・想像力を培うのではないだろうか。"
――安酸敏眞『人文学概論』

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"「神はいる。それを信ずるものの心の中にいる。神というのがおかしければ、摂理とでも運命とでもよべばいい。(...) おれは、生死の境目で何回も《彼》を見たよ」"
――栗本薫『レダ』

このブライ船長のセリフ、ふと思い出して、どこに書いてあったっけ?と探し回ってしまった。3巻でした。

"――それは僕のはじめて持った友人だった、といっていい。僕はたしかに人間を好きでなかったし、人間も僕を好きでなかった。僕の愛しているのは冷徹な論理と偉大な歴史、そしてもう死んでしまった人々の偉大な思想だった。友人のいないことで悩まされたことは一度もなかったが、クラスメートと話すと必ずまずいものを食べたような心地になった。"
――栗本薫『伊集院大介の私生活』

"インフォメーションとは、それがいかに発見されるかにかかわらず、知りうるすべてを指す。これに対し、インテリジェンスとは、政策決定者の需要(ニーズ)として明確にされたものまたはそのような需要と理解されたものに合致するインフォメーションであり、当該需要に応えるため、収集され、処理され、絞り込まれたインフォメーションである。"
――マーク・M・ローエンタール『インテリジェンス』

"(...)日本人は職業を「カタギ」と「ノン・カタギ」に分けるといわれる。そして氏は政治家を「ノン・カタギ」に分類される。確かに、交通違反などで警察につかまったとき「裏からのもみ消し」などは市会議員に頼む。また裏口入学は総理の秘書に頼む。これは「カタギ」の人間に頼めることではない。"
――山本七平『昭和東京ものがたり1』

……これ、真面目なたとえなのかジョークなのか一瞬迷ってしまった。昭和中盤はこれが一般的な認識だったということか。何にせよ、この本、昭和の世界が今とはまるで異なる社会だったことが書かれていて興味深い。

"「人というものは、世の中ですたれそうな芸能を大切に保存して末々までも絶やさぬようにすべきものだ。お前も人がすててかえりみぬようなことに愛情をもち、世のためにそれをのこすよう心がけよ。よいな、人間というものは、そうしたことに自分をささげなければならぬ」"
――『教科書名短篇 人間の情景』より吉村昭『前野良沢』

"日本でも「活字離れ」が問題になっており、電車の中で本を読んでいるインテリに見える学生は「デカンショ」を読んでいないし、「マル・エン全集」も読んでいない。"
――ドナルド・キーン『日本語の美』

そもそもどれも電車の中で読める気がしない。かろうじてショーペンハウエルの随筆は電車内でも読めそうだけど、なんか、著者本人に怒られそう。

"庭づくりは奥が深く、年月を必要とするものです。辛抱強く植物が生長するのを待ち続け、焦らず、弛まず、そして時には楽天的に考えて、大きなダメージに遭い心が打ちひしがれて、焦りを感じても、気持ちを切り換えて心配を払いのけながら、次の手を考えて、希望を忘れずに…。まさに、人生そのもののようでもあります。"
――ケイ山田『庭に生きる』

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