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シャイニングの双子が描かれたTシャツを着て行ったら、喫茶店の人に「めっちゃいいですね!!Good👍」と言われてうれしい。

阿部先生にサインもろた。これであたくしも日本翻訳大賞目指すわよ。

Amazonに詳細が出てたので告知です。
来月号のSFマガジンにてグレッグ・ベアへの追悼文を翻訳しました。F短編総解説の方にも3本ほど書きましたので、そちらも合わせてよろしく。
また発売日近くなったら告知します! 何卒〜!

amazon.co.jp/SFマガジン-2023年-06-月

トーマス・M・ディッシュ「憂鬱の女神のもとに来たれ」(SFマガジン2000年2月号/山田順子訳)読んだ。
誰も来ない金星の地で、恋に破れ、死ぬこともできない元人間の女サイボーグ。彼女が語る身の上と、そしてミルトンの詩。最期の痛切な願いが心に響くメランコリックな一作。

ジェフ・ライマン「オムニセクシュアル」(SFマガジン1991年11月号/中村融訳)読んだ。
男は子を孕み、DNAが記憶と遺伝子の双方をコードする世界の中で、世界は産み直される。性別、人間と動物の区別が融解した世界での幻想的なビジョンを鮮烈に描いた問題作。ほとんど散文詩。

ジョージ・アレック・エフィンジャー「ピンチヒッター」(SF宝石1979年12月号/安田均訳)読んだ。
SF大会で集った5人の現代SF作家たち。しかし目覚めると、アメリカ各地のちりぢりに、1954年のメジャーリーガーとして転生していた……。ちょっとイーガンの「貸金庫」に接近した、ドタバタメタSF。

シオドア・スタージョン「トウィンク」(SFマガジン1980年12月号/伊藤典夫訳)読んだ。
テレパシーの能力を持つ男。子を身籠った妻とともに交通事故に遭い、生死を彷徨う子のために、胎内の子と通信を開始し……。
焦燥感に駆られる男の描きぶり、そして出産される胎児の心情をテレパシーというガジェットを介して描き出すところが印象的。出産の恐怖を男が味わう、という意味ではある意味フェミニズムSFなのかもしれない。
貴重な伊藤典夫訳スタージョンなので読んだ。ソノラマ文庫『影よ、影よ、影の国』にも「超能力の血」(村上実子訳)という題で収録されているらしい(未見)。

吉川良太郎「いばら姫」(小説宝石2007年9月号)読んだ。
これは素晴らしい植物SF。傑作。
植物学者の妻で、幻想的な画風を持ち味としていた画家の遺作が語り手のもとに届けられた。茨に囲まれた城のような邸宅で、幼少期に触れ合った彼女と瓜二つの少女からそれを引き渡され、その秘密が明らかになっていく……。
中国奥地の仙術と不老不死、そして漢詩とを絡めた仕掛け・語り口が極めて巧み。タイトルの「いばら姫」の含意、そして読後感、何をとっても傑作といえよう。いいものを読んだ〜。

吉川良太郎「ぼくが紳士と呼ばれるわけ」(SFマガジン2003年7月号)読んだ。
〈エーテル機関〉なる技術が発展し、ナポレオンが流刑から復権を果たした”もうひとつの”フランス。そこで「紳士」と呼ばれる一人の盗賊が繰り広げる活劇物語。錬金術、カバラ、そして時間遡行術など、アイディアがこれでもかと詰め込まれた世界が大変スタイリッシュで魅力的な改変歴史SF。
長篇化の構想もあったというが、確かにこれは長篇で読んでみたかったと思わせる、可能性に満ち満ちた一作。有名人オールスターのパリを舞台にした改変歴史大作、読んでみたかった。

フリッツ・ライバー「ベルゼン急行」(SFマガジン1998年11月号/金子浩訳)読んだ。
第二次大戦後のアメリカにて。ナチスドイツのゲシュタポの陰に怯える男のもとへ、『鉤十字の災い』というホロコーストについて書かれた本が匿名で届く。男は次第に精神に変調をきたし、排気ガスや電車の表示灯に影を見出し怯えていく……。
男の最期に至るまでの幻想を扱う手つきが極めて巧みで、”不穏の遣い手”ライバーの本領発揮といったところか。
1976年の世界幻想文学大賞受賞作。

ヴァジム・シェフネル「沈黙のすみれ」(SFマガジン2007年6月号/合田直美訳)読んだ。
これは傑作。飛行機の墜落未遂事故の影響で全く話せなくなってしまった女性——「沈黙のすみれ」——を妻に娶った男だったが、二度目の飛行機急降下のショックによって、元の状態に戻ってしまう。元の状態、つまり病的な饒舌に……。
常軌を逸したおしゃべりっぷりに、元々無口な男は耐えきれず、見ず知らずの語り手に「あなたをなぐらせてください」とせがむ始末。その後もわざと車に轢かれたり……。最終的に妻はその饒舌を口ではなく筆で活かして文豪となるというオチも何ともとぼけていてよい。
ユーモアに満ちた知られざるロシアSFの名作。ユーモアSFアンソロジーを編むことがあればぜひ入れたい。

ジョン・ケッセル「バッファロー」(SFマガジン 1993年1月号/古沢嘉通訳)読んだ。
20世紀初頭、肉体労働に従事していた移民である作者の父親と、ちょうど米国を訪問していたH・G・ウェルズ。その両者がもし邂逅していたとすれば……という架空の出来事を綴る趣向の短編。ウェルズの大ファンであった父は、直接本人にその熱を伝えるも、移民である父と、社会主義国家の樹立を真剣に望んでいたウェルズとのあいだには、越えがたい格差が広がっていることが分かる展開はあまりにほろ苦い。
余談だが、ウェルズを使ったある種の歴史改変ものといえば、リチャード・カウパー「ハートフォード手稿」(『ベータ2のバラッド』)なども思い出す。
1992年ローカス賞短編部門&スタージョン賞受賞作。

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