吉川良太郎「ぼくが紳士と呼ばれるわけ」(SFマガジン2003年7月号)読んだ。
〈エーテル機関〉なる技術が発展し、ナポレオンが流刑から復権を果たした”もうひとつの”フランス。そこで「紳士」と呼ばれる一人の盗賊が繰り広げる活劇物語。錬金術、カバラ、そして時間遡行術など、アイディアがこれでもかと詰め込まれた世界が大変スタイリッシュで魅力的な改変歴史SF。
長篇化の構想もあったというが、確かにこれは長篇で読んでみたかったと思わせる、可能性に満ち満ちた一作。有名人オールスターのパリを舞台にした改変歴史大作、読んでみたかった。