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ジョン・ケッセル「バッファロー」(SFマガジン 1993年1月号/古沢嘉通訳)読んだ。
20世紀初頭、肉体労働に従事していた移民である作者の父親と、ちょうど米国を訪問していたH・G・ウェルズ。その両者がもし邂逅していたとすれば……という架空の出来事を綴る趣向の短編。ウェルズの大ファンであった父は、直接本人にその熱を伝えるも、移民である父と、社会主義国家の樹立を真剣に望んでいたウェルズとのあいだには、越えがたい格差が広がっていることが分かる展開はあまりにほろ苦い。
余談だが、ウェルズを使ったある種の歴史改変ものといえば、リチャード・カウパー「ハートフォード手稿」(『ベータ2のバラッド』)なども思い出す。
1992年ローカス賞短編部門&スタージョン賞受賞作。

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