金原ひとみ『ナチュラルボーンチキン』を読了。
ありえないけど愉快な話。
「ひらき なおり」とか「かさまし まさか」とか、そんなふざけた名前を登場人物に付けるか、普通? などと思いつつ読み進めると、まさかが自分の名前のアクセントにこだわるくだりや、「蟹は好きです」とLINEで返信するときに何度も推敲する主人公の性格描写に思わずクスリと笑わせられる。が、単なるお気楽な話かと思いきや、不妊という重いテーマもしっかり織り込んでいる。
作者の金原さんによると、これは中年版『君たちはどう生きるか』だそう。読むと元気になる本を探している人におすすめ。
#読書
フランス語を勉強している人、Web上で無料レベルチェックを受けられるのを知っていますか? CEFR(DELF)のレベルで判定してくれます。
東京日仏学院のレベルチェック
https://www.institutfrancais.jp/tokyo/niveaux/
TV5MONDEのレベルチェック
https://apprendre.tv5monde.com/fr/apprendre-francais/tester-son-niveau
日仏学院は文法、読解、リスニングがあるけど、TV5MONDEはリスニングのみ。
ヴァレリー・ペラン『あなたを想う花』読了。フランスでベストセラーと聞いて、どんなものかと思って読んでみた。
各章が短く、場面が頻繁に切り替わる。いくつかの話が並行して進み、現在と過去が行ったり来たりするので、やや読みにくいが、同じ場面を2人目の視点から描いている箇所もいくつかあり、物語に奥行きを与えている。基本的には恋愛物だろうが、後半は犯人探しのミステリー仕立て。
割と波乱万丈のストーリーなのだが全体に気品のようなものが感じられるのは、登場人物の心情にあまり深入りしていないからだろうか。たとえば、主人公ヴィオレットが愛娘を失ったときでさえ、取り乱した描写はない。著者が映画の脚本家なのも関係しているかもしれない。
墓碑に記す言葉が各章の冒頭に掲げられている。第85章のは「千の風になって」の歌詞になったもの。
恩田陸の『鈍色幻視行』と『夜果つるところ』を読んだ。
『鈍色幻視行』は、クルーズ船という密室の中で、いわくつきの小説『夜果つるところ』をめぐるさまざまな謎について語り合う人たちの話。いわくつきなのは、この小説を映像化しようとすると、必ずスタッフが不慮の死に見舞われてしまい、制作中止に追い込まれるからだ。
登場人物が多いのでメモを取りながら読んだけど、読みごたえたっぷり。人物描写がうまい。ミステリーなのか、ファンタジーなのか、よくわからないが、恩田陸の手練れを堪能できる一風変わった作品。高校生が歩行祭でひたすら歩き続ける『夜のピクニック』もそうだけど、場を限定した小説を書くのが得意みたいだね。
次に『夜果つるところ』を読む。飯合梓が書いたということになっているが、もちろん実際の作者は恩田陸。こちらは墜月荘という遊廓を舞台に繰り広げられる流血ありの荒々しい話。カバーを裏返すと、飯合梓版の表紙になる。
締めくくりの文が両作品間で共鳴しているので、読み比べてみて。
『鈍色〜』を先に読んだけど、『夜果つる〜』のネタバレがあるので『夜果つる〜』を先に読んだほうがいいかもしれない。
#読書
歌を読み歌を詠まないエセ歌人
楽器練習 仏語学習
フルートに副専攻のバイオリン
音大生のニセモノ爆誕