阿部大樹さんから、育児日記『now loading』(作品社)をお送りいただいた。はじめて言葉を話した日からはじめて嘘をついた日までの記録。〝うちの子がはじめてしゃべったのは「バイバイ」だった〟という冒頭から印象的で、日々の変化にこちらも顔がほころびつつ、細かな観察から静かな思索に入る心地よさに、一息に読んでしまった。すばらしかったです。最後の方に自分の名前が出てきて不意をつかれる。

一字下げがないのが、育児の日々が区切り無く続くことを表しているようでもあり、こちらも読むのが止まらなくなるという。

ナディア・アフィフィ著 紅坂紫訳「バーレーン地下バザール」、心の奥深くへそっと下りていくような話で、すごくよかった。末期癌を患う主人公ザーラが、地下バザールで様々な死の記憶を疑似体験していたとき、ある老女の死でこれまで体験したことのない感覚にとらわれ、その地へ旅に出る――

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「ほんタメ」の〝読書が好きすぎる私が最近読んだ本〟の一冊として、齋藤明里さんが『金星の蟲』を紹介してくださいました。たくみさんが反応されたのは、たぶんこの画像のあたり。

youtube.com/watch?v=nr442M0UXj

近藤ようこさんとの対談のDVDを、日本近代文学館から頂いた。
QT: fedibird.com/@dempow/112183157
[参照]

酉島伝法  
日本近代文学館主催の「2023年の声のライブラリー」という企画で、近藤ようこさんに声をかけていただき、朗読+対談をしました。近藤さんの作品について様々なお話を伺っています。ものすごく楽しい時間でした…(有料配信です) 「2023年の声のライブラリー」では、4組の朗読+対談が行われました。普段か...

「パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く」特集の『現代詩手帖』が届いた。

RIP

ポール・オースターの『孤独の発明』は、心が死にそうになる度に読み返している、自分にとって特別な本。

〝ひとりの人間が見たところ何の原因もなく死んでいくこと、まさに人間であるがゆえに死んでいくこと、それは我々を、生と死のすぐそばまで連れてゆく。その結果我々は、自分が本当に生の側にいるのかどうか、もはや確信できなくなってしまう。生はいまや死となり、あたかもこの死というものこそが、はじめからずっとこの生というものを所有してきたかのように思える。予告なしの死。すなわち――生が停止する。そして生はいついかなるときにも停止しうる。〟

千早茜さんから短編集『グリフィスの傷』(集英社)をお送りいただきました。傷のネガティブなイメージを覆すような、様々な「傷痕」をめぐる切れ味鋭い10の短編に次々引き込まれ、読み終えていました。すごくよかった…石内都さんのカバー写真が、内容と響き合います。

長山靖生さんの連載「SFのある文学誌」で、鳩山郁子さんが取り上げられている! 読み応えあります。

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追悼特集では、テリー・ビッスンの「熊が火を発見する」や、ハワード・ウォルドロップの「みっともないニワトリ」という傑作も読めるんです。

追悼エッセイで文字数に入り切らなかったのですが、Night of the Cootersの監督主演はヴィンセント・ドノフリオで、脚本はジョー・R・ランズデールとウォルドロップです。あと、「A Better World's in Birth!」では、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の二丁拳銃を構えている子供のその後が描かれていて、いいんですよ。

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『SFマガジン』6月号は、話題の宇多田ヒカル×小川哲特別対談、三体&デューン映像化記念特集、テリー・ビッスンとハワード・ウォルドロップ追悼特集など。わたしは追悼エッセイでウォルドロップのいろんな作品について書き、「幻視百景」第48回では公園の入口で邪魔になってるなにかを描きました。

津原泰水さんの幻の作品『羅刹国通信』(東京創元社)を頂きました。読み終えたいま、強い余韻に浸っています。すばらしかったです。かつて叔父を殺めた少女が、自らや、人を殺した者の頭に角を幻視し、夢の中では羅刹国という夜のない壮絶な世界で鬼として生きるようになり――

巻末には、春日武彦さんの解説や、北原尚彦さんによる「津原国通信」も収録。

発表は二十年以上も前なんですね。これだけの作品が、どうして今まで書籍化されてなかったのかという。この本が救いとなる人もいるのではと感じました。

第55回星雲賞の日本長編部門の参考候補作に、『奏で手のヌフレツン』をお選びいただきました。ありがとうございます。

sf-fan.gr.jp/awards/2024result

小林泰三さんの『時空争奪 小林泰三SF傑作選』(創元SF文庫 装画 丹地陽子 装幀 藤田知子)をお送りいただきました。小林さんのSF系作品を読んでみたい方の入り口となるような傑作選――私の好きな、算盤とメモ用紙でシミュレートされる世界を描く「予め決定されている明日」や、世界中から集められた研究者が謎の存在Cを研究する「C市」(『玩具修理者』やクトゥルー神話好きは必読)、川の始まりの講義から宇宙論に及ぶうちに時空が争奪されていく表題作など。巻末の「解説に代えて」は、担当編集の古市怜子さん。(4月26日頃発売)

『いろいろな幽霊』は4月19日頃発売。他の作品もいいですよ。

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ケヴィン・ブロックマイヤー著 市田泉訳『いろいろな幽霊』(東京創元社)をいただきました。なんてすてきな本なんだ。Kelly Blairさんのこのかわいい絵、それぞれの話のタイトルにもついてる……幽霊の日常を、滑稽に、哀しく、哲学的に――と様々に描いた2頁の掌編が100も詰まっていてすばらしい。解説は勝山海百合さん。

インスタで、本の装丁に合わせて小物をディスプレイして撮られている方がいて、見入ってしまった。『るん(笑)』『ハンチバック』『しろがねの葉』『生命式』『アホウドリの迷信』――
instagram.com/huhuhuaaa2105/

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