RIP
ポール・オースターの『孤独の発明』は、心が死にそうになる度に読み返している、自分にとって特別な本。
〝ひとりの人間が見たところ何の原因もなく死んでいくこと、まさに人間であるがゆえに死んでいくこと、それは我々を、生と死のすぐそばまで連れてゆく。その結果我々は、自分が本当に生の側にいるのかどうか、もはや確信できなくなってしまう。生はいまや死となり、あたかもこの死というものこそが、はじめからずっとこの生というものを所有してきたかのように思える。予告なしの死。すなわち――生が停止する。そして生はいついかなるときにも停止しうる。〟