8月の運動まとめ。
5km×50回、1日平均8km弱。夏休みだったので、朝の時間の融通利いたことが大きかったですね。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、8月号(7月刊行分)その3です。
私は円城塔『ムーンシャイン』(東京創元社)、杉江さんが朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』(新潮社)を紹介しています。
youtube.com/watch?v=NGT2e2sznp

『ムーンシャイン』は、全4篇収録の短篇集。理屈と奇想の融合を味わうのも、モチーフになっている理論を深堀りするのも楽しいです。各篇の初出が2008~23と長い期間に渡っているので、あとがきにもある通り、作者の歩みを追うような読み方もできると思います。

『サンショウウオの四十九日』は、第171回芥川賞受賞作です。SFがさまざまな近未来ガジェットの力を借りながら試みてきた意識の在り処・在り方についての思索を、結合双生児を通じて描きます。

杉江さんが大濱普美子『三行怪々』(河出書房新社)、私はアン・マキャフリー/嶋田洋一訳『歌う船[完全版]』(創元SF文庫)を紹介しています。
youtube.com/watch?si=TdeBAcg75

『三行怪々』は、北野勇作「100文字シリーズ」で“百文字菌”(あとがきより)に感染してしまったという作者による、100字よりさらに短い三行(約60字)小説集です。一行で急に世界が広がったりひっくり返ったりするのが楽しい。
『猫の木のある庭』『陽だまりの果て』などの既刊も、幻想小説好きの方はお見逃しなく。

『歌う船[完全版]』は、宇宙船の〈脳〉となったサイボーグ少女と生身のパートナー〈筋肉〉たちとの出会いや別れを描く人気シリーズの新版。旧版収録の6作を新訳、さらに続篇2作を追加して、マキャフリー単独名義のシリーズ全作品が集成されています。
旧版のラスト(6話)も良かったですが、追加収録の2作も充実した読後感を与えてくれます。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、8月号(7月刊行分)その1です。
私が『サイボーグ009トリビュート』(河出文庫)、杉江さんが呉佩珍・白水紀子・山口守編/三須祐介訳『台湾文学コレクション1 近未来短篇集』(早川書房)を紹介しています。
youtube.com/watch?v=IVqgpyBjaG

『サイボーグ009トリビュート』は、原作漫画誕生から60周年を記念して編まれた全9篇から成る書き下ろしアンソロジーです。原作の隙間を埋めるものから近未来でも戦い続けるゼロゼロナンバーたちを描くものまで、各作家の持ち味を生かした作品が並びます。007が助演で大活躍してるのが楽しい。

『台湾文学コレクション1 近未来短篇集』は、近未来を舞台にした8篇を収録したアンソロジーです。ジャンルSFの作品集というわけではありませんが、どれも近未来ガジェットや設定が話にうまく馴染んでいます。
巻末の伊格言「バーチャルアイドル二階堂雅紀詐欺事件」は23世紀の日本が主な舞台です。

近隣図書館のブックリサイクルが冊数制限なしになったので(開始数日は制限あり)、雑誌(主にナショジオとNewton)含めて200冊ほどいただいてきました。
ちょっと古めの児童書やライトノベルはほとんど引き取り手がないらしいので、毎年出たものを列ごとごそっともらっています。

まあまあ長い揺れ。このへんは震度4らしい。
熊本の時はドカン、グラッ、だったけど、今回はずっとゆらゆらしていた。震源に近いとこ大丈夫ですかね。

最近『おおきな森』がギガノベルとか言ってたのにもうテラノベル!?(『虚史のリズム』) と思ったけど、4年経ってたのでそんなに最近でもない。
hanmoto.com/bd/isbn/9784065187

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ここ数日で買った/送っていただいたもの。
読むのが追いつかぬ。

家にいるとどうしても誰かが話しかけてくるし、目の前の家事や子育てのことを考えてしまうので、歩きながらでも誰にも邪魔されず1人でじっくり考えたり音楽聴いたりできる時間は貴重ですね。

暑いけど。ひたすら暑いけど。

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7月の運動まとめ。
暑いので倒れないようにやって行きましょう。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、7月号(6月刊行分)その3です。
杉江さんが『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』(新潮文庫nex)、私がマット・ラフ/浜野アキオ訳『魂に秩序を』(新潮文庫)を紹介しています。

『魂に秩序を』は1000ページを超える分厚い本ですが、動画中で言った通り、2人の多重人格者を中心に脳の内外で常に興味深い事象が起こり続け、読み始めればどんどん進みます。ジャンル横断的ですが寄り道はなく読み応え十分。ティプトリー賞(現アザーワイズ賞)受賞作です。

『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』はタイトル通りのお話ですが、幽霊を信じる/信じないという二択の綱引きではなく、その間に理屈の糸を通してゆく、ちょっと変わった理系幽霊譚です。

youtube.com/watch?v=nfacvybeqv

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、7月号(6月刊行分)その2です。
私は幻想と怪奇編集室編『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』(新紀元社)、杉江さんが井上雅彦監修『屍者の凱旋 異形コレクションLVII』(光文社文庫)を紹介しています。

『不思議な本棚』は“本または本のある場所について"のショートショート27篇を集めた怪奇幻想アンソロジー。短い中に各作家の持ち味が詰まっています。
さらに、同誌が主催するコンテストの入選作も4篇収録。こちらも個性的な作品がそろっています。

『屍者の凱旋』は《異形》シリーズの最新刊。テーマはゾンビを含むさまざまな“屍者”で、26年前の第6巻『屍者の行進』と同じテーマに、背筋、久永実木彦、空木春宵、斜線堂有紀ら新世代の作家たちが挑んでいます。
youtube.com/watch?v=WKEpc9lP8t

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、7月号(6月刊行分)その1です。
杉江さんが芦沢央『魂婚心中』(早川書房)、私はP・ジェリ・クラーク/鍛冶靖子訳『精霊を統べる者』(創元海外SF叢書)を紹介しています。

私が取り上げた『精霊を統べる者』は、異界との穴が開き精霊と人間が共存、蒸気機関と魔法の融合で近代化した20世紀初頭のエジプトが舞台のSFファンタジイです。
魅力的な改変世界で、先輩後輩の女性バディもの、曰くありげな恋人とのロマンス、魔法を絡めたアクション、仮面の男をめぐる謎解きなど、てんこ盛りの活劇が繰り広げられます。

杉江さんご紹介の『魂婚心中』は、〈SFマガジン〉や《NOVA》に掲載された作品を含む、著者初のSF短篇集。全6篇収録です。
私はもごもご喋っていますが、「閻魔帳SEO」や「ゲーマーのGlitch」でのネットミームやバグ技の使い方の上手さに唸らされました。推し活やらRTAやら、突き詰めた先の突き抜けたところを、奇想を絡めて描く手際が見事です。

youtube.com/watch?v=YeXaJYqR7X

そうか、この週末はSF大会か。もうSF大会に行こうと思うこと自体がなくってしまったから、ぜんぜん意識してなかった。
行きたくないわけじゃないけど、時間的経済的家庭的な問題が全部クリアできる開催地がほぼないから、そもそも行くこと自体を考えなくなって久しい。25年?
リアル参加だと、京フェスとSFセミナーも約15年のブランクですね、たぶん。ファン交が10年とか?

しかしSF系イベントの前に、とりあえず娘を京都奈良につれて行きたい気持ちはあります。
修学旅行で行ってるんだけど、そのときは自由すぎる班員たちに振り回されて、イオンとかカラオケとか行って終わってるから……。

朝から大雨です。
水門の閉鎖が始まりました。逆流防止のためなんですが、支流の出口がふさがれるのでこのまま降り続ければいつもの内水氾濫です。やれやれ。

今月の運動まとめ。
月間220kmは過去最高。ただ距離よりも、膝とかかとのケアが上手くいったのが良かったです。痛みさえなければ、いつでもこれくらいやる気はあるのよ、一応。

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、6月号(5月刊行分)その3です。

私は、日本SF作家クラブ編『地球へのSF』(ハヤカワ文庫JA)を取り上げました。
大きく“地球”をテーマにした22編から成るアンソロジーです。ベテランから新鋭まで幅広い作家が参加しています。地球規模の~、環境、経済、生態系など、切り口も多彩。収録作が多いので、悩みつつ3作に絞って紹介しました。その1で紹介した『シリコンバレーのドローン海賊』との併読もおすすめです。

杉江さんが紹介されたのは、池澤春菜『わたしは孤独な星のように』(早川書房)です。
声優やエッセイストとしても活躍する著者にとって、初めての小説集。さまざまな分野に挑戦してきた経験からくる題材選びと、それに応じて選択される文体の多彩さに唸らされました。個人的には、弔いの静謐さと凛とした清々しさが同居する表題作が好み。全体を通して、芯の強さを感じさせる作品集です。
youtube.com/watch?si=WE4tsomcf

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、6月号(5月刊行分)その2です。

私は、不破有紀『はじめてのゾンビ生活』(電撃文庫)を取り上げました。
人類がゾンビ化し始めた未来の風景を、時系列をシャッフルしながら短いエピソードの積み重ねで見せて行きます。ゾンビ差別の時代から人類との共存、宇宙進出、そして滅びへ。動画中でいくつか連想される作品のタイトルを挙げましたが、どれとも違う読み味の異色ゾンビSFです。

杉江さんが紹介されたのは、鯨井あめ『沙を噛め、肺魚』(講談社)です。
沙に覆われた世界を舞台にした青春小説です。動画中でも少し触れましたが、父親はじめ主人公を取り巻く人たちの造形などから、とても“今”を感じる作品だと思いました。ボカロ曲なんかと親和性が高そうな印象。鯨井あめ作品は、過去作も含めて、SF読者にも届いて欲しいです。

youtube.com/watch?si=L8ix1CXNI

杉江松恋さんとの月例SFレビュー番組「これって、SF?」、6月号(5月刊行分)その1です。

私は、ジョナサン・ストラーン編/中原尚哉他・訳『人新世SF傑作選 シリコンバレーのドローン海賊』(創元SF文庫)を紹介しました。
人の活動が地球環境に顕著な影響を及ぼす時代――人新世をテーマにしたアンソロジーです。気候変動を背景にして、新自由主義的資本主義がもたらす格差などさまざまな社会問題を扱った近未来SF10篇を収録。グレッグ・イーガンの初訳短篇も入っています。ハードSFではなく、陰謀論テーマの皮肉の効いた作品です。

杉江さんが紹介されたのは、高野史緒『ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅』(講談社)です。
全5篇から成り、各篇とも本や物語への愛だけではなく“本”という形への執着を織り込んで、独特の陰翳を生んでいます。本と本の間から生まれた物語群をダブルクリップのエピソードで挟むという構成も見事。

youtube.com/watch?si=GKbzxSHOZ

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