「貧弱だが健康」の旗を下ろしたくないんだけどな…

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半年くらい前にひどいめまいを起こし、「良性発作性頭位めまい症」と診断された。耳の奥の石が所定の位置から外れると起きるやつ。自然治癒するが、そうなるまではちょっと頭を動かすだけでも視界が流れてたいへん気持悪い。
(耳鼻科に行ったのは治まってからで、「治まったのは石が戻ったからであり、もうなにもやることはない」と言われた)

今日の午前中に再びそれが起こり、机に突っ伏してこらえているだけで半日が過ぎた(ベッドで横になると悪化する)。移動は膝立ちでいざり歩く。家から出られず、はじめて図書館の返却期限を守れなかった。猫のゴハンを2回出して2回片付けたのはほめられてよいと思う。

ところで、岡山駅の周辺は夕方にムクドリが大量に集合して群れ飛ぶことがよくあり、なぜか今日はけっこう離れたうちのほうまで飛んできた。ギャアギャアいう鳴き声がしばらく続き、猫はみんな窓にかぶりつきだった。
そのときは気持が悪すぎて気付かなかったことに、ようやく体調の戻りつつあるいま思い至ったので、今日という日の日記としてこれだけは書き留めておく:

「「めまい」のうえに「鳥」…?」

瀬戸大橋上でマリンライナーが6時間立ち往生した件、それは大変でしたね…という気持とともに、自分もいつか遭遇したい気持がある。
だからやはり荷物から本は減らせない。

【日記】げんなりして、まだ買うつもりではなかった本をe-honで注文した。みんなもやるといい(かどうかはわからない)。

「灯台へ」大澤實訳

『世界文学大系』第57 (ジョイス・ウルフ・エリオット),筑摩書房,1960. 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/pid/1335761 (参照 2024-10-24)

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こういうお知らせに疎くなったために本屋でおどろくことができてよかった、という以上に、2年前なら難なく流れ込んできたのにいまではボロボロ取りこぼしている情報のほうがずっと多いんだろうと思うとややゾッとする(「やや」に留まるのは、取りこぼしたものには「取りこぼしている」と気付けないから)。
ところで河出文庫じゃなくて新潮文庫なんですね。

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つね日ごろ「ああ、河出の世界文学全集から鴻巣訳のウルフ『灯台へ』を抜き出して文庫にしてくれないものだろうか、『オン・ザ・ロード』みたいにさ」と思いながら生活している人間なので、今日本屋に寄ったとき、平台に「灯台へ ヴァージニア・ウルフ 鴻巣友季子訳」と書かれた表紙の文庫が置いてあるのを見て夢かと疑った。夢かと疑った本は買わないといけない。買った。しかしこれは夢じゃないだろうか。

我妻俊樹「鏡の人生」(2019)
57577.hatenadiary.com/entry/20

《映画「カリガリ博士」は1920年の制作。つまり「カリガリ博士」がつくられてから私が誕生するまでよりも、私が誕生してから現在までに経った時間のほうがすでに長い。

そう気づいたとき、私は何かカリガリ博士に「追いついた」ように感じたのだが、[…]》

これ、わたしも「自分の誕生年を起点にしていまの年齢ぶんさかのぼると、思いのほか“過去”になるのでびっくり」という話をたびたび人にしており(そして「それは単なる数字の操作だから意味はないだろう」などと返事をされることが多かったのもあって)、「そうだよ、こういう感じだよ」と興奮して読んだが、それから「そうだよ、こういう感じだよ」と興奮してよい内容なのかしばらく考え込んだ。

煙草を喫ったほうがいい気がしてきた(喫わない)

ペダルを外して調整し、ドライバーで店の床に見えない図を描いて原因を説明してくれたけれどもよくわからなかった(見えないので)。
そのあともういちど試し乗りをするとあんなにしつこかった嫌な音は消えている。「500円」。そんなんでいいんですか、とおどろき支払った。
作業の途中から店の外で外国人男性が高そうな折り畳み自転車といっしょに待っていた。わたしと入れ替わると、タイヤの交換をどうするなどと相談を始めた。もういちどお礼を言って店を離れると、背後で「ヤススギルヨー」と笑い声が聞こえた。
高齢で頑固で親切な自転車屋、もうここにしか行かない。

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自転車をこいでいると両方のペダルからギリギリガリガリと嫌な音がするのが何ヶ月か続いていた。
しばらく前に近所の自転車屋で見てもらったら「寿命」とのことだったのであきらめてそのまま乗り続けていたが、がまんしているうちにみじめな気持になってきてよくない。
もう少し足を伸ばせば頑固で親切な別の自転車屋があると知り、だめもとで行ってみた。当然、行く途中もギリギリガリガリと足に小さな震動が伝わる。

狭くて古いお店の奥から出てきた高齢の店主はわたしの話の途中でペダルをつかみ、回して「音がしない。しない音は直せない」(原文は岡山弁)。チェーンからギアまでじっと見て「音がする理由がない」(同)。
それで切り上げようとするので、いや、待ってくださいよと店の前で自転車に乗ってみせた。2mと進まないうちにギリギリガリガリ。
店主の声が飛ぶ。「そりゃあんた、ペダルだよ!」はじめからそう言っている。

ソフトも持っているので、いちど“後半から観始め、最後までいったら冒頭に戻る”のを試してみたいと思いつつ、禁忌(それをやったら元も子もない)に触れる気がして果たせないままだ。

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レストランの裏でなにか怖いのが来るぞ来るぞ…とわざとらしく大げさに盛り上げたすえに“本当に怖いのが来る”というのは、ド直球過ぎるがゆえに反則じゃないかと毎回思う。慣れることができない。

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イオンシネマで「マルホランド・ドライブ」4Kリストア版をやっていると知り、ありがたやと観に行った。
入口で、どんな映画かすでに知っている人にしか訴求しないチラシが配られていた。

デイミアン・チャゼル監督「ファースト・マン」(2019)のラストで、地球に戻ってきて隔離されている主人公が妻とガラス越しに対面して見つめ合い、見つめ合うばかりかガラスの斜め上のほうに映るふたりの顔の像まで半分重なっているのを観客に見せるシーンを「若干くどいが、まあ、いいところ」と記憶していたんですけど、さきほどはじめてヴェンダースの「パリ、テキサス」(1984)を観たことにより、上述の感想は流れ星となって消え去りました。

“有名な作品をいまさらはじめて観る/読む/聞く”のをためらってはいけない…

髪を切りに行った。店主は最近大阪へ遊びに行ったそうで、「あの万博のマスコットをたくさん見かけたけど、いったいなんなんでしょう。だいたい、青と赤ってセンスがない」と呆れており、「たぶんおそらく、こちらの店先のアレと同じではないでしょうか」とクロスの下からサインポールを指さしたら「業界を代表して謝罪します」とのことだった。

…が、いま調べたらサインポールの起源は動脈・静脈ではなかったし、マスコットの色の由来も動脈・静脈ではなかった(後者の公式サイトへのリンクは省略)。わたしが謝罪してこないといけなくなった。

riyo.or.jp/理容グッズの歴史年表/

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