自転車をこいでいると両方のペダルからギリギリガリガリと嫌な音がするのが何ヶ月か続いていた。
しばらく前に近所の自転車屋で見てもらったら「寿命」とのことだったのであきらめてそのまま乗り続けていたが、がまんしているうちにみじめな気持になってきてよくない。
もう少し足を伸ばせば頑固で親切な別の自転車屋があると知り、だめもとで行ってみた。当然、行く途中もギリギリガリガリと足に小さな震動が伝わる。
狭くて古いお店の奥から出てきた高齢の店主はわたしの話の途中でペダルをつかみ、回して「音がしない。しない音は直せない」(原文は岡山弁)。チェーンからギアまでじっと見て「音がする理由がない」(同)。
それで切り上げようとするので、いや、待ってくださいよと店の前で自転車に乗ってみせた。2mと進まないうちにギリギリガリガリ。
店主の声が飛ぶ。「そりゃあんた、ペダルだよ!」はじめからそう言っている。
髪を切りに行った。店主は最近大阪へ遊びに行ったそうで、「あの万博のマスコットをたくさん見かけたけど、いったいなんなんでしょう。だいたい、青と赤ってセンスがない」と呆れており、「たぶんおそらく、こちらの店先のアレと同じではないでしょうか」とクロスの下からサインポールを指さしたら「業界を代表して謝罪します」とのことだった。
…が、いま調べたらサインポールの起源は動脈・静脈ではなかったし、マスコットの色の由来も動脈・静脈ではなかった(後者の公式サイトへのリンクは省略)。わたしが謝罪してこないといけなくなった。
東京書籍 ニューサポート高校「国語」vol.42(2024年秋号)
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2024/2024099410.htm
福尾匠の文章目当てで読み始めたが、乗代雄介のもたいへんよかった。
教員向けの冊子らしいけど、そのまま教材にしたらいいんじゃないか。
そこそこヘビーなアトロクリスナーなんですけど、楽しみにしていた今週月曜(9/9)のピエール瀧ゲスト回をようやく聞いたら、“造本が格好よすぎて買ったけどぜんぜん読めなかった新潮社『ブルーノ・シュルツ全集』を、代わりに読んでと宇多丸&宇垣に進呈する”展開があって笑った。
https://www.instagram.com/p/C_uqDMeymTh/?img_index=9
先日のNHKラジオ「ほむほむのふむふむ」(ゲスト:石川美南)で紹介されていた短歌のなかで、ホンダマユミという人の歌がとてもよかった。わたしの耳にはこう聞こえた。
・「あなたたち、こんなところで何をしているの?」って言う方の人間
でも実物の文字表記がどうなっているのか(漢字とかな、カギカッコはあるのか)わからない。
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=V34XVV71R2_07
それで表記をいろいろ変えて検索してみたが、まったくふつうの単語の組み合わせなのでなかなか見つからなかった。
(木下龍也『あなたのための短歌集』がめちゃめちゃヒットする。たしかにあれもいい本だったけど)
気になっていた喫茶店にはじめて入ってみたら、カウンターに陣取った常連らしき高齢男性ふたりが大声で「やっぱり、やすきよが面白い」「ローリング・ストーンズはライブがよかった」など話しており、なんというか、演じてない? 無理してない?と気になった。
あ、NDLで読めるのか。
ビオイ=カサーレス 著 ほか『日向で眠れ・豚の戦記』,集英社,1983.7. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12579323 (参照 2024-08-23)
こういう日常にある知覚のバグみたいな体験を集めたい気持がずっとある。
以下は13年前にbrucaniroさんが書いてくれた例。こういうのが好きでツイッターをやっていた。
https://x.com/brucaniro/status/99375716956770305
わたしの場合、これは「いつもは電車で移動している二点(最寄り駅と隣駅くらいでいい)を自分の足で歩くと、たしかに地続きであることになぜかおどろく。当然なのに、どうしてもおどろく」。
趣味は引用