昨日の夜は15回目のオンライン読書会を開きました。ハーバート・ラッセル・ウエイクフィールドの'Out of the Wrack I Rise'。奇術師を追い詰める復讐の手がステージで血も凍る恐怖のマジックを繰り広げます。
配偶者がアメリカ人の参加者に興味深い話を聞きました。1949年の作品で、やはり言葉遣いが古い。観客が拍手を送る場面に出てくる「applause」なんて言葉、見聞きしたことがないと言われたとか。でる単には載っていた気がしますが……そもそもでる単自体も古いのか。
次はクリスマス関連の短篇を選ぶ予定。私が選ぶとどうしてもホラー寄りになってしまいます。ディケンズならまだ許されるかな🤔
M.R. James - "Lost Hearts"
Algernon Blackwood - "The Kit-Bag"
Jerome K. Jerome - "The Ghost of the Blue Chamber"
E.F. Benson - "Between the Lights"
H.P. Lovecraft - "The Festival"
Robert Louis Stevenson - "Markheim"
Charles Dickens - "The Signal-Man"
映画パンフは宇宙だ!久々の新刊です。
東宝特撮のなかでも奇々怪々なニンゲンが登場する作品を集めた「暗黒の昭和史 変身人間事件簿」。Netflixでリメイクの決まった『ガス人間第一号』のオリジナル版、『美女と液体人間』『電送人間』『透明人間』『マタンゴ』を昭和の“裏歴史”と絡めて事件簿風に解説します。私は『透明人間』を担当しました。
10月14日(月㊗)は、神保町・ネオ書房にて豪華執筆陣そろい踏みの濃いトークショーを開催。冊子はここで先行販売します。チケット、冊子は下記PATUの通販サイトよりお求めください。昭和史の闇に呑まれろっ!
https://pamphlet-uchuda.stores.jp/
昨夜はシネマート新宿「全穴!串刺しナイト!」で『ムカデ人間』『屋敷女ノーカット完全版』『食人族4Kリマスター無修正完全版』血と臓物度強めの3本にも拘わらずほぼ満席でした。
この手の作品の、しかもオールナイトとなると年齢層高めが多い印象ですが(よく行く別の映画館との比較にて)、この夜は観客の多くがお若い方。幕間にロビーで友達同士興奮を伝え合う姿を古参のホラー好きは微笑ましく見ておりました。
こんなにも若い人で溢れたのは、チケットの値段もあったでしょう。3本観て、朝までいられて3,000円。カラオケよりもやや安な感じでしょうか。エクストリームな体験をし、キャッキャ盛り上がる楽しさって、ひと昔前にまだホラー映画のCMが地上波で流れていた頃を思い出します。良い一夜だった。
友人が都内十数軒回ったなかで唯一「本物」と感じた、手心を加えていない本気のメキシカン。味わってみるといいよ。スパイスの使い方に圧倒されるから。
TAQUITO
https://www.instagram.com/taquito_shinkoiwa
……と疲弊しきる前の先週1週間、おおごとがなかったのは奇跡!おかげでアメリカから遊びに来た友人夫婦を思う存分もてなす(振り回す)ことができた。
10年前、連れ合いの写真が初めてアメリカで展示されることになり、右も左も分からず出かけた先で、本当に偶然に出会った人。当時の私は英語からきし駄目で、連れ合いは、まあちょっとマシぐらい。なのに、なぜか気に入ってくれ、滞在中、何度も夕食に誘ってくれた。それなりにお高いところばかり。毎回気がつけば支払が終わっていてばつの悪い思いの連続で。あるとき伝票が来た瞬間、連れ合いがすかさずカードをバンッとテーブルに叩き置いた。一矢報いたかと思ったらば、友人ったらニヤッと笑って連れ合いのカードをヒュッと投げ返し、真っ黒なカードを切ったのでした。
以降、連れ合いの展示で何度か渡米したけれど、一番の目的は彼らに会うことで。結婚式にも呼んでもらえて楽しかったな。
いつか日本に遊びに来るっていうから、そのときはもてなし責めにすると意を決してから10年、ついにチャンス到来。これでもかっと美味しい店をたたき込んだのでした。円安インバウンドとはいえ、予約して行く類いの店のほとんどが観光客ばかりだったのは驚き。今は関西を巡っている彼ら、猛暑はお気の毒。帰国前にもう一度一緒にラーメンするんだ。
ある場所が観光客向けの写真スポットになっており、自然発生的にできていた順番待ちの列に驚いた週末。長い時間待って写真を撮っても、ソーシャルメディアに投稿したら、もう二度と見返さないんじゃない?と憎まれ口を叩く私も同類で、旅先ではシャッターを押しまくる。先の3ヶ月の旅では一体何枚撮っただろう。不思議と脳裏に、そのときの空気感までくっきり残っているのは、写真を撮れなかった場所だ。
チェコ、プラハから電車とバスで1時間くらいのところにある小さな街、クトナーホラ。4万体の骸骨のオブジェが迎えてくれるセドレツ納骨堂が有名。これが見たくてチェコの1日を費やすことにした。こぢんまりした街の規模に相応しいこぢんまりとしたお堂で、以前は自由だった写真撮影が、今は一切禁止になっている。賢いと思う。骸骨のオブジェだなんてネット受けしやすいものがポストされたら、たちまちバズって観光客が押し寄せる。そんなことになれば、きっとこの街の穏やかで長閑な雰囲気はたちどころに壊れてしまうだろう。圧巻の景観だけれど、特別な関心や信仰がない限り一度見れば十分な場所という気もする。だから、二度と訪れることはないと思うけれど、夏に行ったから、夏が来るたび、あの雰囲気を思い出して、いつまでも記憶の中にとどめておきたい場所のひとつではある。
今日の晩ご飯。オートミール+雑穀と、大豆ミートのガパオライス。肉みはないけれど、それなりに美味しい。
ロスに、訪ねるたび近くのホットドッグとクラフトビールの店で再会の乾杯をしていた友人がいる。ヘビ肉などの変わったソーセージと旨いビールの飲めるところ。ある年に行ったとき「ごめん、実はベジタリアンになったんで、別の店でもいいかな」と言われた。待ち合わせで友人の家に行くと、ちょうど旦那さんが調理の真っ最中。留守番の息子君・育ち盛り(もちろんベビーシッターは呼んである)のために、肉料理を作っていた。「彼はまだ成長のために必要だし、肉が好きだからね」。親の主義を押しつけるのではなく、子どもの好みや意志を尊重しているのが、とても素敵だと思った。
あれから数年、初めて会ったときには私の肩にも満たなかった息子君は、お父さんの背を遙かに越える立派な体躯のシュッとした青年に成長した。「彼がお酒飲める年になったら、例の店に一緒に行ってみたら」と友人。その日を楽しみにしている。相手してくれるか、分からないけれど。
映画パンフは宇宙だ!でリアル&オンラインのハイブリッドイベント=トークショーを開催します。
【石井勇一Meet&Greet】
日時:3月17日(日)14-16時
場所:東京世田谷BPM
前半は、団体から刊行しました冊子「石井勇一と映画パンフ」を裏側から掘り下げるトークショー。後半は、会場参加者様限定で、少人数に分かれて石井さんとご歓談頂ける時間を用意しました。
・映画関係のデザインをしたい
・あのパンフレットのここが気になる
etc.直接ご本人に伺えるチャンスです。会場チケットは残部僅少、お早めにお買い求め下さい。
チケット購入はこちらから
https://pamphlet-uchuda.stores.jp/items/65d19ceb6d15125601951b31
なお、遠方の方、当日ご都合が悪い方には
1ヶ月のアーカイブ付き配信チケットをご用意しています。
・冊子付き配信https://pamphlet-uchuda.stores.jp/items/65d55efa77bc66028470d475
・配信のみhttps://pamphlet-uchuda.stores.jp/items/65d5bff86c8af602a230c55f
当日ライブ配信をご覧の方は、トークショー後半の質疑応答コーナーにチャットからご参加いただけます✨
石井さんのクリエイティブに迫るイベントです。お見逃しなく!
東京創元社新刊ラインナップ説明会へ!
今村昌弘さんご登壇。『屍人荘の殺人』スピンオフ、明智恭介を主人公にした連作短編集『明智恭介 最初でも最後でもない事件(仮題)』が4月刊行予定。これは楽しみ。トリック成立の可否を実際に試して証明してくれた、など担当さんとの二人三脚エピソードが微笑ましく。
待ってましたの海外ミステリー編で気になったのは6月刊行予定エヴァ・ドーラン『終着点(仮題)』。スワンソン『そしてミランダを殺す』好きならハマる、大いに驚かされる作品とのこと。そして「犯人当てミステリの大傑作」と編集さん激推しの『白薔薇殺人事件(仮題)』。訳者の上條ひろみさんがご登壇。伏線が超細かいけれどフェアで純粋に謎解きを楽しめる作品。引っかかってほしい、でも引っかかりすぎない伏線の訳し方に苦労されたとのこと。この二冊はマストバイ。
ホラー・ファンタジー部門、創元ホラー長編賞受賞の上條一輝『パラ・サイコ(仮題)』注目します。一番怖いの人間、を否定する、とにかく怖いホラー小説とのこと。期待高まりますね。
チベット文学と映画制作の現在「セルニャの会」主催のペマ・ツェテン監督『轢き殺された羊』上映会へ。突然の雪模様で星泉さんの解説が短縮されてしまったのが残念でしたが、二つの短篇小説が入れ子構造になって一つの摩訶不思議な物語を編んでいく展開に魅せられました。制作ウォン・カーウァイも嬉しい驚き!今月の16日から29日までヒュートラ有楽町で開催されるペマ・ツェテン監督の特集上映は1本でも多く観たいところ。
https://tokyofilmex-pematseden.mystrikingly.com/
日曜の夜、締め切り前の最後のお願いに上がりました。
まだ間に合います!
誰でも投票できるノンジャンルの文学賞
「みんなのつぶやき文学賞」!
①ページへ飛んで
https://tbaward.jp/4th_2023/
②メアド/作品名/作者名を書き込めば完了
お手元にある読了の面白本、
そのタイトルが知りたい!
えっ、もう2月!?って思いません?
おんなじように、えっ、もう〆切!?なんです「みんなのつぶやき文学賞」。
2023年に読んだ2023年刊行の新作小説で、面白かった本を「投票」で広めませんか?
端っこ集計員として毎年楽しみにしているのが、誰か一人が推す「一票本」です。世の中には知らない本が山とあることを思い知らされる楽しさ!
今年からSNSアカウントを持っていなくても投票できます(というのをSNSで広める矛盾はさて置いて)、
〆切は【2月4日(日)23:59】明日です!
Googleフォームから
tbaward.jp/4th_2023/
①メアド②作品名③作者名
の3点だけで🆗、あとは任意!
拡散と投票にご協力を🙏
2024年1月20日、父親と初めてのサシ飲み記念。シビアに、しかしさほどの悲嘆や同情も見せない主治医から淡々と告げられた余命宣告が撤回になった。嘘みたいだ。とはいえ、いわゆる寛解という状態で再発の余地はあるらしい。つらい治療が一段落して父はご満悦だ。
早まったというべきか、この期に乗じてよかったというべきか、父が先に逝くことを見越し、家族で相談のうえ母が大手術を受けることになっている。20年来悩まされていた脊髄椎間板ヘルニアを転倒事故で悪化させてしまい、すっかり腰が曲がってしまったのだ。母の年齢に渋い顔をしていた先生だったけれど、元気な様子を見て(2回の自己採血も果たした)決断してくれた。あれよあれよと日程が決まり、入院は明日、明後日が手術。早朝から12時間に及ぶらしい。術後はしばらくICU入り。さすがにつきっきりというわけにかいかないものの、大手術だし、健啖丈夫とはいえ何が起きてもおかしくない年齢、明後日は超早起きして顔だけ見に行くつもり。母は豪胆に「仕事あるんだし来なくていいよ!」とは言うけれど。
執筆/翻訳/編集 Writer-Translator(EN→JP)-Editor 映画パンフは宇宙だとALL REVIEWS友の会で活動中/JSHC会員/Manic Street PreachersとClint Eastwoodがとにかく大好き/髪色をよく変えます。