ある場所が観光客向けの写真スポットになっており、自然発生的にできていた順番待ちの列に驚いた週末。長い時間待って写真を撮っても、ソーシャルメディアに投稿したら、もう二度と見返さないんじゃない?と憎まれ口を叩く私も同類で、旅先ではシャッターを押しまくる。先の3ヶ月の旅では一体何枚撮っただろう。不思議と脳裏に、そのときの空気感までくっきり残っているのは、写真を撮れなかった場所だ。
チェコ、プラハから電車とバスで1時間くらいのところにある小さな街、クトナーホラ。4万体の骸骨のオブジェが迎えてくれるセドレツ納骨堂が有名。これが見たくてチェコの1日を費やすことにした。こぢんまりした街の規模に相応しいこぢんまりとしたお堂で、以前は自由だった写真撮影が、今は一切禁止になっている。賢いと思う。骸骨のオブジェだなんてネット受けしやすいものがポストされたら、たちまちバズって観光客が押し寄せる。そんなことになれば、きっとこの街の穏やかで長閑な雰囲気はたちどころに壊れてしまうだろう。圧巻の景観だけれど、特別な関心や信仰がない限り一度見れば十分な場所という気もする。だから、二度と訪れることはないと思うけれど、夏に行ったから、夏が来るたび、あの雰囲気を思い出して、いつまでも記憶の中にとどめておきたい場所のひとつではある。

今日の晩ご飯。オートミール+雑穀と、大豆ミートのガパオライス。肉みはないけれど、それなりに美味しい。

ロスに、訪ねるたび近くのホットドッグとクラフトビールの店で再会の乾杯をしていた友人がいる。ヘビ肉などの変わったソーセージと旨いビールの飲めるところ。ある年に行ったとき「ごめん、実はベジタリアンになったんで、別の店でもいいかな」と言われた。待ち合わせで友人の家に行くと、ちょうど旦那さんが調理の真っ最中。留守番の息子君・育ち盛り(もちろんベビーシッターは呼んである)のために、肉料理を作っていた。「彼はまだ成長のために必要だし、肉が好きだからね」。親の主義を押しつけるのではなく、子どもの好みや意志を尊重しているのが、とても素敵だと思った。
あれから数年、初めて会ったときには私の肩にも満たなかった息子君は、お父さんの背を遙かに越える立派な体躯のシュッとした青年に成長した。「彼がお酒飲める年になったら、例の店に一緒に行ってみたら」と友人。その日を楽しみにしている。相手してくれるか、分からないけれど。

井の頭公園の動物園のヤギ氏。自己主張強めのタイプ。

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RIP
単行本で持っている2冊のうちの1冊。銀色にゆらぐこの装幀の魅力には抗しがたいものが。主人公が悲劇に見舞われる物語は数多あれど、じゃあその絶望とどう向き合っていくのか。そこに光がさす瞬間の美しさをみせてもらいました。

いつまでもあると思うな上映権。4月20日で国内上映権の切れる『裏切りのサーカス』日本最終上映が池袋・新文芸坐で20:15より。満席目前、良席は残っていませんが、35mmのザラッとしたフィルムの質感でみる冷戦時代のスパイ物語は眼福というほかありません。二度と揃わない英国俳優オールスターズ、原作者の故ジョン・ル・カレ氏もチラリとカメオ出演。撮影はホイテマ。こんな豪華な作品をもうスクリーンで観ることがしばらくは叶わないかと思うと悲しい…。

※劇場では「映画パンフは宇宙だ!」で制作したファンブックを販売中。小泉悠氏や手嶋龍一氏にも寄稿頂き、老舗スーツブブランド社長のスーツ解説など気合い入ってます。

映画パンフは宇宙だ!でリアル&オンラインのハイブリッドイベント=トークショーを開催します。
【石井勇一Meet&Greet】
日時:3月17日(日)14-16時
場所:東京世田谷BPM
前半は、団体から刊行しました冊子「石井勇一と映画パンフ」を裏側から掘り下げるトークショー。後半は、会場参加者様限定で、少人数に分かれて石井さんとご歓談頂ける時間を用意しました。
・映画関係のデザインをしたい
・あのパンフレットのここが気になる
etc.直接ご本人に伺えるチャンスです。会場チケットは残部僅少、お早めにお買い求め下さい。
チケット購入はこちらから
pamphlet-uchuda.stores.jp/item
なお、遠方の方、当日ご都合が悪い方には
1ヶ月のアーカイブ付き配信チケットをご用意しています。
・冊子付き配信pamphlet-uchuda.stores.jp/item
・配信のみpamphlet-uchuda.stores.jp/item
当日ライブ配信をご覧の方は、トークショー後半の質疑応答コーナーにチャットからご参加いただけます✨
石井さんのクリエイティブに迫るイベントです。お見逃しなく!

メキシコの友人が地元の古本屋で入手した本を教えてくれた。スペインの学者が書いたもので、幽霊と結びついた日本のホラー映画についての内省的な本だそう。日本の政治的、宗教的な歴史についてごく一般的な紹介があり、特定の時代における特定の幽霊やキャラクター、あるいは封建主義やグローバリゼーションのような文化的恐怖や経済的領域を異形の者たちがどのように象徴しているのかを説明している、ということで面白そう。

東京創元社新刊ラインナップ説明会へ!
今村昌弘さんご登壇。『屍人荘の殺人』スピンオフ、明智恭介を主人公にした連作短編集『明智恭介 最初でも最後でもない事件(仮題)』が4月刊行予定。これは楽しみ。トリック成立の可否を実際に試して証明してくれた、など担当さんとの二人三脚エピソードが微笑ましく。
待ってましたの海外ミステリー編で気になったのは6月刊行予定エヴァ・ドーラン『終着点(仮題)』。スワンソン『そしてミランダを殺す』好きならハマる、大いに驚かされる作品とのこと。そして「犯人当てミステリの大傑作」と編集さん激推しの『白薔薇殺人事件(仮題)』。訳者の上條ひろみさんがご登壇。伏線が超細かいけれどフェアで純粋に謎解きを楽しめる作品。引っかかってほしい、でも引っかかりすぎない伏線の訳し方に苦労されたとのこと。この二冊はマストバイ。
ホラー・ファンタジー部門、創元ホラー長編賞受賞の上條一輝『パラ・サイコ(仮題)』注目します。一番怖いの人間、を否定する、とにかく怖いホラー小説とのこと。期待高まりますね。

なかなか映画館に足を運べない今日この頃、素敵な本を買いました。ハーシェル・ゴードン・ルイス『カラー・ミー・ブラッド・レッド』からは血糊の色について。リアルよりもインパクトにこだわった鮮やかな赤が不穏を生む要素として後のB級ホラーに影響を与えた、というのが面白い。

チベット文学と映画制作の現在「セルニャの会」主催のペマ・ツェテン監督『轢き殺された羊』上映会へ。突然の雪模様で星泉さんの解説が短縮されてしまったのが残念でしたが、二つの短篇小説が入れ子構造になって一つの摩訶不思議な物語を編んでいく展開に魅せられました。制作ウォン・カーウァイも嬉しい驚き!今月の16日から29日までヒュートラ有楽町で開催されるペマ・ツェテン監督の特集上映は1本でも多く観たいところ。
tokyofilmex-pematseden.mystrik

日曜の夜、締め切り前の最後のお願いに上がりました。
まだ間に合います!
誰でも投票できるノンジャンルの文学賞
「みんなのつぶやき文学賞」!
①ページへ飛んで
tbaward.jp/4th_2023/
②メアド/作品名/作者名を書き込めば完了
お手元にある読了の面白本、
そのタイトルが知りたい!

えっ、もう2月!?って思いません?
おんなじように、えっ、もう〆切!?なんです「みんなのつぶやき文学賞」。
2023年に読んだ2023年刊行の新作小説で、面白かった本を「投票」で広めませんか?
端っこ集計員として毎年楽しみにしているのが、誰か一人が推す「一票本」です。世の中には知らない本が山とあることを思い知らされる楽しさ!
今年からSNSアカウントを持っていなくても投票できます(というのをSNSで広める矛盾はさて置いて)、 

〆切は【2月4日(日)23:59】明日です!
Googleフォームから
tbaward.jp/4th_2023/
①メアド②作品名③作者名
の3点だけで🆗、あとは任意!

拡散と投票にご協力を🙏

2024年1月20日、父親と初めてのサシ飲み記念。シビアに、しかしさほどの悲嘆や同情も見せない主治医から淡々と告げられた余命宣告が撤回になった。嘘みたいだ。とはいえ、いわゆる寛解という状態で再発の余地はあるらしい。つらい治療が一段落して父はご満悦だ。
早まったというべきか、この期に乗じてよかったというべきか、父が先に逝くことを見越し、家族で相談のうえ母が大手術を受けることになっている。20年来悩まされていた脊髄椎間板ヘルニアを転倒事故で悪化させてしまい、すっかり腰が曲がってしまったのだ。母の年齢に渋い顔をしていた先生だったけれど、元気な様子を見て(2回の自己採血も果たした)決断してくれた。あれよあれよと日程が決まり、入院は明日、明後日が手術。早朝から12時間に及ぶらしい。術後はしばらくICU入り。さすがにつきっきりというわけにかいかないものの、大手術だし、健啖丈夫とはいえ何が起きてもおかしくない年齢、明後日は超早起きして顔だけ見に行くつもり。母は豪胆に「仕事あるんだし来なくていいよ!」とは言うけれど。

インド在住、映画批評の竹美さんとホラー映画についておしゃべりするポッドキャスト「ジェニファー&ジェイミー」更新しました。第12怪「『狼の血族』と『エクソシスト信じる者』について考える」。
前半は、前回の『フライトナイト』(1985)に続いて、三大モンスターのひとつ「狼男」を描いたニール・ジョーダン監督『狼の血族』(1984)を取り上げました。古典童話の「赤ずきん」という器に違うワインを入れた本作が放つ香りは、思春期の少女の性への興味と、そこからつながる欲望。今観ても興味深い作品です。後半は、フリードキン監督『エクソシスト』(1973)の正統な続編として三部作構成で制作が始まったシリーズの1作目『エクソシスト信じる者』(2023)。評価の割れるという本作ですが、ブラムハウス制作という点に着目して、何が描かれているのかを考えてみました。
どちらも完全ネタばれで話していますのでご注意ください。
竹美さんのインド映画コーナーは、先頃インドでリバイバル上映されたサンジャイ・リーラー・バンサーリー監督の『パドマーワト 女神の誕生』(2018)について。悲劇的な物語ですが、なぜ惹かれるのか。その魅力を解説しています。
podcasters.spotify.com/pod/sho

翻訳協力した本が発売になりました!
『勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門』。
インセンティブやモチベーションの「巧い」使い方、「ダメな」使い方などを具体例で面白おかしく読んでいるうちに、行動経済学の考え方が分かってくる、そんな本でした。人の心理って単純で複雑。
Viva、ハウスフライ!

今年一年、神保町共同書店PASSAGEにある柴田さんの棚の売上を元に、翻訳家と翻訳書を紹介する「ほんやく世界旅」という無料のトーク番組を配信してきました。今年の締めくくりとして、11月22日に柴田さんをお招きしてPASSAGE bis!という3階のカフェで朗読会を開催します。テーマは「読書」です。
残念ながら会場チケットはチラシが刷り上がる前に完売してしまったのですが、配信チケット(500円)は販売中です。シックな雰囲気のなかでお読みいただく「読書」にまつわる掌編。1ヶ月の見逃し配信付きです。ぜひ! チケットはこちらからお買い求めいただけます。 peatix.com/event/3725734/
PASSAGEの柴田さん棚とレジのところに、柴田さんの手書き原稿をあしらったチラシを置いています。思わず保存したくなるチラシです。PASSAGEにお立ち寄りの際はどうぞお持ち帰りください。

5回目のワクチンを受けてきました。甘い物を補給して仕事に戻ります。なんにも出ないといいな。
Mastodonの画像投稿時「画像からテキストを検出」という機能がつきましたね。試みてみましたが、しばらく待っても無応答でした。これはちょっと難しい?

昨日はエクストリームのライブを見にZepp Hanedaへ。少し早めに行って空港をぶらつき、地ビールを飲みました。出発、到着とも平日なのに思いのほか混んでいでびっくり。足早に行き交う人々、その賑わいに、今すぐ旅に出たい気持ちになりました。bon voyage!!

Oops, totally missed it—today is Sept 18th! 🎉 
Happy belated B-day, Tree! 🧁✨
Hope you finally had a day without, you know, dying and stuff. 🤞 Fingers crossed for a "Happy Death Day 3," let's make it happen! 🙌
The fan book for the movie "Happy Death Day," featuring an exclusive interview with director Christopher Landon. On our PATU website, you can also purchase the English version in digital format for just around $2! 📖🎬
pamphlet-uchuda.stores.jp/item

インド在住、映画評論の竹美さんとホラー映画についておしゃべりするポッドキャスト「ジェニファー&ジェイミー」新エピソードを公開しました。
podcasters.spotify.com/pod/sho

今回取り上げたのは、1985年のヴァンパイア映画『フライトナイト』。当時はまっっったく気がつきませんでしたが、実はクィア要素があちこちに散りばめられている作品ということで、その目線で見たときに、何がどう描かれているのかを紐解いてみました。40数年前の作品ですが、行き場のない若年者へのグルーミングなど、今に通じるところもあり、違う意味で怖っ!となりました……
インドの映画事情を紹介する竹美さんのコーナーでは、反ボリウッドの旗手、アグニホトリ監督について、キャンセルカルチャーに遭った彼が、今どのように受けとめられているかを、作品を交えて話してもらっています。急成長するインドの社会情勢が如実に表れているようで大変興味深かった…!

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