ジェイムズの認識論は多元論とともに根本的経験論があります。
それは主客の二元論を拒否し、人間の日常生活の親密な経験を擁護する思想でした。
なぜジェイムズが『宗教的経験の諸相』の特に「哲学」の講において、執拗に主知主義を批判し経験を重視するのか、その重要な点を理解するためにはこのテキストが必要です。
「人間というものはよほど意味を求める欲求が強いらしく、苦悩しつつある時でさえ、そこに何ほどかの意味を感じたいらしい。いったい何のために毎日こんなに苦しんでいるのであろう、と彼はつぶやく。苦しむことで何事かが得られるなら、何かの目的が果たされるなら、苦しみもまだ耐えやすいのだ。」p.133
『生きがいについて』には上記のような一文があります。そして、その「苦しみの意味」をジェイムズが描く「回心(Conversion)』によって得た愛生園のハンセン病患者たちの実例が描かれます。
このテキストは『宗教的経験の諸相』の内容が確かに日本でも起き、人の苦悩を解決したという証(あかし)になっています。
心の家路にBBスタディ・ガイド移管のお知らせが掲載されました。
『諸相』スタディにBBスタディ・ガイドが移管されるのは、3月23日からです。それまでは心の家路(ひいらぎさん)開催です。
シラバスを更新しました。
24年4月のミーティングスケジュールを更新しました。
現代思想23年10月号は「スピリチュアリティの現在」特集。
どの論考も非常に参考になりますが、柳澤田実氏の『感情が「現実」を作る時代――なぜニューエイジというアメリカの病はこれほど根強いのか』は『諸相』スタディのなかでも取り上げました。
ジェイムズの「二度生まれ」と「一度生まれ」という概念、また自己放棄(self-surrender)や「健康な心」という概念を理解するためにも役に立ちます。
アメリカの反知性主義の歴史を知りたければ、まず参照すべき必読書。
AAを理解するには反知性主義を避けて通るわけにはいきません。12の伝統、12の概念がなぜ生まれ、どのような意図を持っているのか。
AAメンバーはもう一度、伝統と概念を学び直す必要がありそうです。
ユングといえば、ビッグブックにも登場するAAの理解者の一人です。ユング博士なしにAAは成立しませんでした。
そんなユングとジェイムズの影響関係はこれまであまり取り上げられることはありませんでした。しかしユングはたびたび『宗教的経験の諸相』に言及したことが知られていること、またユングの研究テーマからもジェイムズは無視できるものではないはずです。
このテキストはユングとジェイムズの関係を明確に論じており、両者に多大な恩義があるAAメンバーにも非常に有用でしょう。
#books
ビッグブックスタディ in 京都のフライヤーをいただきました。
5月25日(土)10:00〜16:30
ハートピア京都
事前に下記Googleフォームから参加申し込みが必要とのことです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXLqFBmdGzgn2goHezJigOhUIkCiX47rpJNsMjmTeX9qdK5g/viewform?usp=send_form
現代の分析哲学、言語哲学の泰斗によるジェイムズ批判。
このテイラーが提出する批判に『諸相』スタディも影響を受けました。AAは『宗教的経験の諸相』だけで成立していないという事実を、このテキストから理解できます。
オックスフォード・グループをはじめとするAAの豊かな源泉の価値と意義を理解することができるでしょう。
哲学としてのプラグマティズムを理解するために必読の論文が訳出されているテキスト。
どの論文も骨太で理解力を試されるものですが、取り組む価値はあります。これらの思想を土台をして、AAも12ステップも成り立っているので。
付録にある「プラグマティズム文献案内」を頼りに、さらに学びを深めていくこともできます。
『諸相』スタディメンバーの執筆記事をシェアします。
https://note.com/modern_orchid605/n/nad9a3d573dca?sub_rt=share_b
【お知らせ】
24年2月『諸相』スタディは、ミーティング・リーダーの親族訃報、葬儀出席のため臨時休止とします。
次回は3月2日に開催します。
『諸相』スタディはAAグループですので、スポンサーシップを大切にしています。
AAのスポンサーシップは明確に心理療法ではないのですが心理療法の実践から学ぶことは多いです。
このテキストは臨床心理士として日々クライアントと接する遠藤先生が自身の失敗を振り返り、そこから学んでいくテキストとなっています。
この姿勢はスポンサーシップでもとても重要です。AAはアマチュア集団であり、そこでの関係性で失敗が起こらないはずはないからです。
もしスポンサーがスポンサーシップで失敗したことがないとしたら、それこそが最大の失敗でしょう。
私たちは自分たちの失敗からこそ学ばなければなりません。その際に、このテキストは非常に役に立ちます。
【お知らせ】
24年2月『諸相』スタディは、ミーティング・リーダーの親族訃報、葬儀出席のため臨時休止とします。
次回は3月2日に開催します。
『諸相』スタディはスタディ・ミーティングを行う #AlcoholicsAnonymous の特別グループです。
毎月第1土曜日20時からZoomで、W.ジェイムズ著『宗教的経験の諸相』をつかったスタディ・ミーティングを開催中