外山恒一に対して「呉智英で理論武装した鳥肌実」って揶揄表現というか批判を(Threadsで)見かけたんだけど、言っていることはよくわかる反面、彼のような人がいなかったら60年代なら70年代の学生運動と「左翼(主義)」の記憶が更に薄れてしまうでしょう。そのほうが恐ろしいよ。外山恒一の活動の意義は、過去とのミッシング・リンクになっているという一点に集約している。それはSEALDs系のリベラル全盛の時代にあって、(純粋にポピュラリティゆえに)千坂恭二や絓秀実にはできなかったことなんで。
ひまそらあかねの『ネトゲ戦記』は近くの本屋にもあったんで、彼の人気(?)がインターネットローカルな盛り上がりとも一概に言いきれないものであることは、こちらの認識を改めるべき点なんだろうな、とは思った。フィジカルな本を売ることでも例外なく、基本的に左派がマーケットとして軽んじているところにある種の右派が食い込んできて占拠する、という構図は、近年あちらこちらで目にするので、ひまそらあかね自身にコンテンツとしてのキャパシティがそんなになくても、彼の象徴する現象はたぶんもうちょっと膨らむと思う。
『憲法(上)〔新版〕』佐藤功(445-446頁より)①
「能力に応じて、ひとしく」とは、教育を受ける権利における平等、すなわち憲法14条の定める平等原則の教育における適用を意味する。すなわち、人種・信条・性別・社会的身分・門地などによって教育を受ける権利が差別されてはならず、もっぱらその能力に応じて、教育を受ける機会を与えられるべきこと(教育の機会均等)を示す。教育基本法 3条 1 項は、このことを「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない」と定める。すなわちここに「その能力に応じて」とは、教育を受けることによってその人としての能力を向上せしめうる資質をもちながら、その資質とは関係のない他の事情によりそれが妨げられることがあってはならないことを意味する。
『権利のための闘争』p.49より
・・・権利は権利を主張するか放棄するかを権利者の選択にゆだねているのだから、権利の立場からすれば争うのもよいし争わなくてもよいのだ、・・・この謬説と対立する私の説はこうである。人格そのものに挑戦する無礼な不法、権利を無視し人格を侮蔑するようなしかたでの権利侵害に対して抵抗することは、義務である。それは、まず、権利者の自分自身に対する義務である、-それは自己を倫理的存在として保存せよという命令に従うことにほかならないから。それは、また、国家共同体に対する義務である、-それは法が実現されるために必要なのだから。
権利のための闘争は、権利者の自分自身に対する義務である。
「(労働者としての)警備員との連帯」という一種のユーモアだったらしい(?)。
https://x.com/youaquarium/status/1804710372617953302
学費の値上げに抗議することと、インターナショナルの歌唱の意味が自分の中でまったくイコールにならないんで、単に「?」という感じ。精一杯好意的に解釈しても、古きよき学生運動の懐古ムードを自ら茶化したかったのかな、としか。選曲についてはどうせ掘り下げても深い理由はないんだろうし、議論するだけ無駄だと思うけどね。
最初は正直に言って不思議だった。イスラエルのパレスチナ入植と虐殺にどうしてLGBTQが怒っているのかと。一つの証言として残すために明記しておくけど、日本でデモや不買などのアクティヴィズムを先導したのは他ならぬ彼ら(LGBTQ)だったんだよ。いや、人権だなんだって言うなら、別にひどい目に遭ってるのはセクシャル・マイノリティーに限った話じゃないじゃない。それで、マックルモアの"HIND'S HALL"を聴いたときはっきりと確信したんだけど、おそらくガザでのジェノサイドに対する彼ら彼女らのリアクションは政治的に言うと68年のマイノリティ-・ポリティクスの延長上にある。当時はなかった問題ではあるんだけど、系譜としてはそう。華青闘告発の延長。だってマックルモアと言ったら同性愛を扱った"Same Love"の人として多くの人には認知されているだろうし。ちなみに、"HIND'S HALL"はガザでのジェノサイドをホットなトピックとして乗っかっただけの曲なら、最後まで黙殺しようと思ってたんだけど、リリックを読んで「こいつ...勉強してやがる」となったので文句なしです(ラップ自体はそんなにうまいと思わないけど、リリカルだし、デリバリーが秀逸)。
(I can't stop loving you)
I've made up my mind
To live in memory of the lonesome times
(I can't stop wanting you)
It's useless to say
So I'll just live my life in dreams of yesterday
(Dreams of yesterday)