『憲法(上)〔新版〕』佐藤功(445-446頁より)②
この場合、「能力に応じて」は各人の「智能の相違に応じて」の意味ではない。国民が智能の相違に応じて、それぞれの智能に適合する教育を受けるべきであるということは、特に憲法の規定をまつまでもないことである。また、この場合、特に教育基本法3条1項において、憲法14条に列挙しているものに加えて「経済的地位」を加えていることは、教育を受ける権利の生存権的な性質を重視し、国民が経済的事情のために現実に教育を受ける機会をもちえないことのないよう、国が積極的に措置を講ずる責務を有することを示したものである。