お知らせ
明日御所の隣の梨木神社の「ことなり京都 文芸同人誌即売会」で「近所の人たち」として参加します。10-16時。
『牛がいた頃』と、小説『キワノvsコアラ』キワノ付きを持っていきます。キワノ付きキワノ小説は花脊の私の畑でキワノが採れるこの時期限定です。
また、ブースがちょっと広そうなので、農耕牛ミニ展(調査で集めたものや資料の展示)を予定しています。
https://honto.jp/ebook/pd_33731020.html
『長安ラッパー李白』読み
表題作がまさかの反体制もの。唐詩(に限らないが)の押韻をラップに読み換え民衆の味方となって城壁に囲まれたまちまちを鼓舞するシーンは『両京十五日 天命』中盤の熱さを想起した。おかしさと悲しみのあるパンダSFも好き。多くが「文」にまつわる話だった。よく文を学び文を著せば立身出世に結びつく科挙制度(ざっくり言い過ぎだが)の浸透した時代ならではの物語群だなと感じると同時に、そんな制度があろうと自由になれない側にいる女性たちを語る「仮名の児」や「シン・魚玄機」が収録されているのも佳き。
好きの筆頭は巻頭の灰都とおり「西域神怪録異聞」。文章が飄々と歴史に穴を開け、未来も過去も織り交ぜて新しい「事実」に書き換えてしまうお話。文字を駆使したフィクションという小説の外見と内面の両要素を物語そのものに活かした手腕が見事だった。こういう、その媒体にしかない特徴を活かした「遊び」、好きです。この作品が巻頭でよかったなあ。
#読書
今日の話を聞き、パレスチナジェノサイドへの批判の根拠として種差別の話に流れるのは、歴史と文化の破壊というジェノサイドの本質を逸らすので、やはり良くないと思った。それは私が農耕牛を調べたこととパレスチナ問題を繋げたまとめの文章を書いたもう一つのテーマだった。つまり日本のと畜には歴史的に差別の問題が関わる。種差別の思想は西洋哲学や西洋の動物感が大きい。イスラエルがパレスチナ人をヒューマンアニマルと差別し、虐殺を正当化した発言への抵抗のロジックなのだけれど、問題はそこではなく、人間の尊厳と営む文化、それらを人間が破壊している、端的に考えても暴力であることが問題だと思う。
人間と家畜の歴史も人間の文化、食の歴史としてあるのだから、今日の映画を観ていても、余計と人の生活を破壊するイスラエルの暴力を私は批判する。
明日ケックスでパレスチナの映画上映会がある。すでに事前申し込みが締め切られているけれど、国際芸術祭できちんとプログラムの一つにしているのは、意味が大きいと思う。
1年経ってジェノサイドが終わらないどころか、日に日にイスラエルの暴力が加速、状況が悪化している。
https://kyoto-ex.jp/super-knowledge-for-the-future/ghada-songs-of-palestine/
zine『牛がいた頃』の取り扱い店一覧(10/20現在)
ホホホ座浄土寺店・余波舎・開風社待賢ブックセンター(京都)
句読点・冬營舎・あすな書店(島根)
汽水空港(鳥取)
Calo Bookshop & Cafe・犬と街灯(大阪)
らくだ舎(和歌山)
1003(神戸) 本屋とほん(奈良)
古本屋百年・ISBbooks(東京)
通販:https://taranosaki.booth.pm/items/5969169
サイトでも通販いただいてるお店もあります。
中国山地(島根、鳥取、広島など。兵庫県の但馬は端っこ)が畿内(京都大阪神戸奈良和歌山など)の農耕牛の産地だったので、zineでゆかりの土地をつなぐような事が出来て嬉しいです。
農耕牛とは、昭和30年代以降に耕運機が普及するまで田んぼや畑を耕していた牛のこと。日本にかつていた牛。 農耕牛の記憶を調査した2023年から2024年にかけての日記は、農耕牛から読む近現代史です。【A5版,120P,1100円】
私にとって畑を耕していた牛とは、日本の歴史、農業の近現代史、動物福祉、地方と都会、動物、動物と人間の関係や距離、その距離の違い、食べること、場所、差別や暴力、戦争、環境問題、とは何か、という問いが生まれて、それを知るために調べていく日々でした。
【お知らせ】
ヴァージニア・ウルフ、葛川篤訳『灯台へ』の予約販売をはじめます📚約百年前の『灯台へ』日本初訳がよみがえります。解説は小川公代さんです✨
先行予約の方法が2種類あります。
1.作家の手帖ストア
https://authors-note.stores.jp/items/66f955a7471cb325c6ac4f01
通常予約と制作費ブースト、2プランを用意しました。
先着で約100名の方に特典冊子をさしあげます。
2.本屋lighthouseウェブストア
https://books-lighthouse.stores.jp/items/67137fec22d8561f46735d04
こちらは特典付きは20部限定です!
ぜひ応援をお願いいたしますー📣
『オーシャン・ケージ』を観劇した
『オーシャン・ケージ』インドネシアの伝統的な捕鯨がテーマ。インスタレーションでは砂浜を模した白い砂に鯨の骨も配置されている。舞台序章に文化人類学のリサーチによる捕鯨の映像が流れる。大きな獲物が村中の人たちに分配される様子の後、キリスト教に改宗されることになった村の歴史と共に、植物の恵みも描かれる。本編冒頭で言及される「歌の時代」とは、鯨と人間の関係を信仰や儀式を通して人々の生活と密着していることを表す(日本にも田楽や田植え唄がある)。その土地にあるものを食べて人は生きて文化を作っているということが捕鯨という猟であり、それを題材にした舞台は説明は最小限に、そこから続く上演は、舞台設計、インスタレーション、小道具、映像、衣装、役者、舞踏、音楽や唄を駆使して、伝統とは現代において何かを提示する。
10月25日発売のSFマガジンは、鯨井が監修をつとめた〈ラテンアメリカSF特集〉号です。
ラテンアメリカ文学研究者・翻訳家で早稲田大学教授の寺尾隆吉氏へのインタビュー、三島芳治「児玉まりあ文学集成 出張版」(!!)(なんとまるまる一篇分描き下ろしです)、SFファンに薦めたいラテンアメリカ文学ブックガイド(28作品)、井上知さんによる最新スペイン語圏SF紹介コラムなど盛りだくさん。
それに加えて、シオドラ・ゴスのボルヘスオマージュ奇想短編や、短編“Soñarán en el jardín” でティプトリー賞(現アザーワイズ賞)を、英訳短編集 "They Will Dream in the Garden"(2023) でシャーリイ・ジャクスン賞を獲得したメキシコ人作家 ガブリエラ・ダミアン・ミラベーテの初邦訳となる短編も掲載!
特集外ですが、劉慈欣の短編(大森望訳)や、今月末に初邦訳長編『無限病院』(山田和子訳、早川書房)が刊行される中国SF四天王の一角・韓松の短編(鯨井久志訳)(!)も載ります。
SFファンの方もラテンアメリカ文学ファンの方も楽しんでいただける号になりました! ぜひお買い求めください。
「小さい秋見つけた」選手権、
「そうめん食べるのに飽きたら秋」が加わりました。
私も参加しました。
https://dailyportalz.jp/kiji/chiisai-aki-mitsuketa
>しかし現在のX / Twitter にとっては、逆に不倶戴天の敵同士にもできるだけ相手の投稿を読ませて反応を誘い、際限なく投稿やいわゆる「レスバ」を続けたくなる、相手を監視をするため頻繁にXを使いたくなる方向性にアルゴリズムを調整することが、X社の利益でもあり、マスク氏個人としての方向性でもあります。
インターネット闘技場だ>BT
秘密結社ハヤトウリ調査団所属
文章
印刷物の観察と作成
花脊と野菜
連絡先:n0sakitara@gメール.com
「透明な鳥の歌い方」(VG+)
「おしゃべりな池」(『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』Kaguya Books)
『ハヤトウリzine』『木造船のその後』