『オーシャン・ケージ』インドネシアの伝統的な捕鯨がテーマ。インスタレーションでは砂浜を模した白い砂に鯨の骨も配置されている。舞台序章に文化人類学のリサーチによる捕鯨の映像が流れる。大きな獲物が村中の人たちに分配される様子の後、キリスト教に改宗されることになった村の歴史と共に、植物の恵みも描かれる。本編冒頭で言及される「歌の時代」とは、鯨と人間の関係を信仰や儀式を通して人々の生活と密着していることを表す(日本にも田楽や田植え唄がある)。その土地にあるものを食べて人は生きて文化を作っているということが捕鯨という猟であり、それを題材にした舞台は説明は最小限に、そこから続く上演は、舞台設計、インスタレーション、小道具、映像、衣装、役者、舞踏、音楽や唄を駆使して、伝統とは現代において何かを提示する。
『オーシャン・ケージ』を観劇した
(その土地にあるものを食べて人は生きて文化を作っているということ)だから、この舞台ではわざわざ魚を焼くし、果物を食べ、果物を分け与える演出がある。