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柿内正午 さんがブースト

まだ揃っていない本もあるのですが、町でいちばんの素人・柿内正午( )氏に選書協力いただいた「閉塞感MAXのこの社会をどうにかするにはゾンビにヒントを得たほうがいいんじゃないか?」的なフェア、スタートしました。冊子もあるのでご自由にどうぞ。2/23(木・祝)にはイベントも開催予定。

ビジネスパーソンの自己を啓発し意識を昂揚させることを第一義にするような本をいくつか読んでいくと、自己を変容させかねない新規な知見というのはなくて、当たり前のことだけ書いてある。ではそこに何があるかというとこれらは意思決定者のケアのための道具なのだ。どれもマネジメントやリーダーシップという言葉を基本形にさまざまな流行語がフレーバーとして付与されはするが、そこにあるメッセージはつねに「率いる立場ってつらいよな。でも格好いいよ」という励ましのように読める。

この国の為政はあえてビジネスとして見たとしても、自社都合だけで動いてしまってユーザー目線を欠いたクズプロダクトを産み続けているけれど、こうした愚行を野放しにして駆動しているのは「率いる立場ってつらいぜ」というナルシシズムであるのかもしれない。

現政権を肯定する根拠として「俺たちマネジメント層のつらさ」を重ねてしまっている会社員的な発想があるのかもしれない。でも会社経営と為政とはぜんぜんちがうことだ。会社経営のアナロジーで語るにしてもお粗末な現状であるにせよ、ビジネスのアナロジーで政府を腐すのもけっこう危ないんでないか。

“(…)生き方についての精神的骨格が無くなった社会状態は十分な意味ではもはや社会とは言い難い。一定の様式を持った生活の組織体ではないからである。それはむしろ社会の解体状態と言った方がいい姿なのである。そうして、そういう時にこそ得てして社会の外側から「生活に目標を」与えてやろうという素振りをもって「国家のため」という紛いの「価値」が横行し始める。そうなると社会の再生はひどく難しくなる。国家とは機械的な装置なのだから、「国家のために生活する」ということは即ち生活が機械的装置の末端機関と化すことを意味するだけである。生活組織と生活様式の独立性はここでは崩れ去る他ない。”
市村弘正編『藤田省三セレクション』(平凡社)

フェイクドキュメンタリーはカメラの存在が明示されるぶん、演じる身体の演技くささがむしろ虚構世界を強化するのが面白くて好き。今回の青年役の俳優さん、そのあたりの塩梅がかなりよかった。

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『City Lives』、呼吸孔で大はしゃぎした。ああいうの好き。

しかし、こうも賃金に対して釣り合いがとれないほどモノの値段が上がってると、一回のランチの失敗はたしかに大ダメージではある。

今日は凶暴な気持ちだったのでガーリックチップの載った味噌ラーメン。900円。初めての店で、一度通り過ぎて、思い直して引き返した。ふつうにおいしかった。だいたいの挑戦は、良くも悪くもないまずまずのところに収まる。そして蚊もなく不可もないありふれた結果というのは、心配性で欲張りな人間からすると拍子抜けで、やはり幻滅を呼び起こすのだ。

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心身ともに傷の治りが遅くなってきて、せめて自分は自分に優しくしてあげようという気持ちが強くなってるけど、それは傷つきを回避できるようにあらゆるリスクを取り除くということではないのよな。自分はちゃんとやってみたいと思えば挑戦できるし、傷ついたとしても立ち直ることができるのだと何度も言い聞かせるほうがずっといい。ハチクロの森田みたいなこと言ってる。

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今日のお昼どうしようかな。平日のランチはいつもちょっとだけ幻滅が伴う。思ったよりも高かった、量が多かったり少なかったりした、店員さんがイライラしていた、床がペタペタいった、ほかの客の圧が嫌だった、そもそも食べたいのこれじゃなかった──、なにかしらの「こんなはずじゃなかった」がほとんど毎回あると、いつしか行くお店が代わり映えしなくなる。

限られた時間で、未知に踏み出すだけの好奇心や勇気を振り絞る。ちょっとした冒険に必要な元気が減退してるのを感じる。たいしたことじゃないのに、どうしてこうも失敗を避けるようになってるんだろう。

難解だと感じた本をためしに「です・ます調」に変換しながら読んでみてください。「なんだかさっきよりわかった気がする」と思ったのではないでしょうか。自然に語尾を変えるためにはそれなりの読解が必要で、無理なく文体を置き換えられたということはすでにある程度読めているということなのです。

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「です・ます調」とは一種の詐術ではないか。

いま私は易しく書いています/易しく説明してくれているな、と書き手と読み手の双方を騙す文体。

流石です!(ぶじ着荷することを願ってます!)

きょうの漫☆画太郎、ゴーゴリだ。

『ハイパーインフレーション』おもしれー

"利己心の潔癖な忌避は、セルフネグレクトでしかない。まずは自分のフィールドを構築することから。思いやりは余裕の副産物なのだから、自分が楽チンであればあるほど思いやりの質も高まっていく。”

柿内正午『町でいちばんの素人』より
habookstore.shop/items/61a18d1

話を聞いてもらったり聞くことの前に、誰の代弁でもない自分の話をする練習が足りてない。

昨日の晩ご飯について大きな声で発表できる場があることの痛快さよ。発表できるというだけで、とくだん誰からも相手にされないことのほうが多いのもいい。みんな誰にも構われずに大きな声でどうでもいいことを話してほしい。

極端に邪悪な意見の発表が目立つのは、いまはそういう人たちだけが声を出していて、大多数の人たちはそもそもその声に反応するだけだからだ。お互い無視して好きなことを言い放っていれば、だいたいの他人はまじでどうでもいいということがわかるだろう。

写真は年末に食べた格好いいどら焼きです。岩塩をちらして食べるとすごくおいしい。

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