生命保険解説の実用書を買おうと思っていたのについ長らく失念してしまっていた。明日買う。
奥野克巳『はじめての人類学』(講談社現代新書)を読んだ。
著者的に人類学で絶対外せない四人であるマリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドの仕事をまとめた内容。松村圭一郎『旋回する人類学』よりもオーソドックスな読みやすさを感じた。
マリノフスキの機能主義(部分が全体の一部として機能し、全体を動かしている、というデュルケームに由来するアイデア)の説明はすごく参考になった。レヴィストロースの構造の説明もわかりやすくて助かった。
ただボアズのチョイスが弱く感じてしまった。文化相対主義の創始者的位置づけにあり、かつアメリカの人類学の祖みたいな扱いという意味で重要だというのだろうが、マリノフスキやレヴィストロースと比べると…。
またインゴルドも詳しくまとめてくれているのだが、正直ほとんどピンと来なくて、人類学のあり方を根底から変えようとしていると言われてもよくわからなかった。
自分がすごく影響を受けたギアツは一言くらいしか言及がなくてちょっと悲しかった…。
#読書
松村圭一郎「旋回する人類学」を読んだ。
グレーバーやラトゥールの本に人類学が冠されているのはなぜなのか、長らくわからなかったのだが、本書によれば近年の人類学は科学的な場や病院・企業といった近現代的な場での参与観察も増えているようで、上の二人はまさにそうしたタイプの人類学者なのだそうだ。その説明がすごくわかりやすかった(ラトゥールのアクターネットワーク理論は近年の人類学における脱人間中心主義を代表するものだ、とか)。
近年の潮流の一つという「存在論的転回」(他者の言うこと、やること、価値観などをまるごと認めて決して否定しない)にはやや同意しかねる。グレーバーは、そうした態度は他者を尊重しているようで実際は他者との対話を閉ざしているし、自分たちの文化を固守する態度と表裏をなしている、と批判したそうだが、彼のほうに賛同を覚えた。
#読書
王明珂の「羌在漢蔵之間」っていう本も入手したほうがいいかもしれないことになってしまい、オイオイタオバオ代行は極力使いたくないぞと思っていろいろ粘って探した結果、日本のアマゾンで買えたという。今後、中文書を買うときはアマゾンもチェックしてみるといいのかもしれない。個人的には大きな発見だった。
恥ずかしくて晋書の話ができない