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松村圭一郎「旋回する人類学」を読んだ。 

グレーバーやラトゥールの本に人類学が冠されているのはなぜなのか、長らくわからなかったのだが、本書によれば近年の人類学は科学的な場や病院・企業といった近現代的な場での参与観察も増えているようで、上の二人はまさにそうしたタイプの人類学者なのだそうだ。その説明がすごくわかりやすかった(ラトゥールのアクターネットワーク理論は近年の人類学における脱人間中心主義を代表するものだ、とか)。

近年の潮流の一つという「存在論的転回」(他者の言うこと、やること、価値観などをまるごと認めて決して否定しない)にはやや同意しかねる。グレーバーは、そうした態度は他者を尊重しているようで実際は他者との対話を閉ざしているし、自分たちの文化を固守する態度と表裏をなしている、と批判したそうだが、彼のほうに賛同を覚えた。

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