『哀れなるものたち』映画と原作の話
アラスター・グレイ『哀れなるものたち』(高橋和久訳)読了。
「映画は一番肝心なラストが原作と違う」と言っている方がいたので、原作を読んでみた。
私の感想としては、そこはそれほど重要ではないんじゃないかなぁ〜と。
確かに「原作と違う」けれども、なんせ「変な構造の本」なので、何が「本当のラスト」なのか、ここは解釈が分かれるところじゃないかという気もするし、ヨルゴス・ランティモスの映画は原作のエッセンスのある部分をとてもうまく抜き出した翻案になっているな、と思う。
あと、あの「のぞき穴からみているようなカメラワーク」は、あの映画も数ある語りのひとつであって、絶対的な事実など実は誰にもわからないってことかもね、と思うなど。
https://keroldanvers.theletter.jp/posts/28ac91c0-cc61-11ee-9394-0fb1e672873d
原作を読む前に書いた感想というか、映画の感想はこれ。
カエルのおすすめ:『マッドマックス:フュリオサ』Furiosa: A Mad Max Saga https://keroldanvers.theletter.jp/posts/0656d140-209d-11ef-86fc-511762875ef8 #ホルガ村カエル通信
ニュースレターを配信しました。ネタバレほぼなしで『フュリオサ』を全力でおすすめしています。みんな、劇場に駆けつけて観よう💪
デフ・レパードのすごさを勝手に語る対談の最終回を公開しました。
読んでね〜。
https://note.com/gohstofcain/n/n7ae7748c697a?sub_rt=share_pb
https://www.cinematoday.jp/news/N0143271
"一人の少女が暴力の支配する男性原理世界に無理やり放り込まれて過酷な体験と共に成長する、という物語ですから、どのように、どこまで表現して良いのかはかなり話し合った点です。"
映画にはタネとシカケがある
逆に言うと、「映そうと思っていないものが映ることはない」んだよ。特にセット撮影しているものについては、映っているものは全て計算されている。マッドマックスはアクションシーンが割とはちゃめちゃなのだけど、画面がごちゃごちゃし過ぎて何が起きているかわからない!とまではならないようにきちんと計算されている。当たり前のように観ているけど、それはすべてタネとシカケがあるわけだよ。だから、キモいおっさんが裸の女の絵を描いている"だけ"にも見えるあの場面で、なぜあの絵なのか、にも意味はある。そういうところをね、評論家には解説して欲しいわけだよ、一般人は!
そう!こういう記事が読みたいわけ!って思いました、という感想です。
フュリオサ、ややネタバレ
ジョージ・ミラーは親切だなぁ〜と思う。『フュリオサ』は前作の世界とメル・ギブソン時代のマッドマックスシリーズの間を繋ぎ、前作の世界の見取り図を示す事で、前作のメッセージを補完してる。(これまでで一番社会の構造がわかりやすいので一見さんにも優しい)
ディメンタスがこれまでのマッドマックスになかったほど多弁(雄弁ではない)なのも、男の作る暴力支配の社会の空虚さを表していると思う。
あの前日譚があったからこそ、フュリオサは女だけで脱出することにしたんだと思う。
ジャックはいい奴だったけど、死に方はあんまりカッコ良くなくて、お母さんは最後までカッコよかったのも、ジョージ・ミラーの「男にかっこいいとこなど持っていかせてたまるか」という意志を勝手に感じて👍
すでにヒット作もある爺さん監督でここまできちんとフェミニズムと向き合える人は珍しいし貴重。長生きしてほしい。
午後に休みを取って、フュリオサを観てきました。
https://keroldanvers.theletter.jp/posts/ed785ee0-6df2-11eb-830f-0b593a506abe
今年も、忘れないように、この件を再度シェアしておきます。
《友だちなら怒るのは当然》の罠
"これは被害者と加害者の個別具体的なことであると同時に、多くの性暴力被害者にとっては性暴力を社会がどう捉えているかを見せつけられることでもある。
「自分たちの被害は所詮その程度に見積もられているのだ」と思い知らされるのは、とてもキツい。まともな謝罪も十分な反省もしなくても、加害者が死んでしまえば「もう水に流せ」と思われる程度のことなのか、と。"
https://www.toibito.com/toibito/series/877bff67-c664-436b-95c1-637cda34511d
これ、とても面白い記事だったからシェアするね。
"現代社会におけるメディアの重要性は、どれほど強調してもし過ぎるということはありません。成員同士のリアルな結びつきによって構成されるムラ社会とは異なり、そこでは膨大な情報を媒介するメディアが人びとをつなぐ基盤となっているからです。こうした社会はいつどのようにして生まれたのでしょうか。そしてそれは、われわれの日々の認識や行動と、どのような影響関係にあるのでしょうか。慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所の津田正太郎教授にお聞きしました。(全4回)"
https://note.com/gohstofcain/n/nc92eff091db6?sub_rt=share_pb
デフ・レパードのすごさについて勝手に語る対談Vol,4を公開しました。
"〈Armageddon It(アーマゲドン)〉は曲名だけ見たときはゴツい曲だと思ってたんだよね、「おまえにアルマゲドンを食らわせてやるぜ」みたいな。"
名前はカインと読んでください。ヘビメタ好きのカエルの妖精。ドイツ語を偏愛する軽めの語学好き。映画(主にMCU)も好き。海外ドラマもちょっと。
個人ニュースレターとかnoteとか雑文を書くのが趣味です。