BT

ここで紹介されている小川氏の本は読んでいないのですが、最近、 「ノマドランド」を見て似たようなことを考えていました。
( 「インフォーマル経済」の話ではないですが)。

「ロードムービー」として撮られていて、雄大な自然のなかでご飯を食べたり焚き火をしたり。魅力的な描写が多い映画です。
家がなくて車で移動生活をする「ノマド」が「自由」「物を多く持つ生き方からの解放」「本来のアメリカ人の生活」と礼賛されています。

とはいえ、現代社会では生きるのにお金が必要なので彼らはアマゾンの倉庫などで季節労働をします。アマゾンも、駐車場の無料使用を売りにして彼らを迎え入れます。

ジャーナリストが書いた原作
hanmoto.com/bd/isbn/9784393333
ではアマゾン倉庫や他の季節労働の職場のネガティブな側面がある程度書き込まれていますが、映画ではほとんど描かれません。
何かに縛られず、ひとつの場所にとどまらない「行った先で働く」という暮らし方が、企業に都合がよい、取り替え可能な歯車、「雇用の調整弁」として機能してしまう。

住所がないため行政サービスも受けられず、何よりも「投票ができない」という現代では致命的な問題があるのに、それが不可視化され「誇り高い生き方」に思えてしまう。怖い映画でした。

フォロー

自分は映画しか観てないので、深く理解し物語の意図は語れないのは承知なのだけれど、筆者が仰る『「本来のアメリカ人の生活」と礼賛』と、この映画からのメッセージとしては受け取らなかった。

ノマドに至る人達のバックグラウンドとそうなるに至るあらゆる社会問題を語ってたと思うのだけれど、もしかしたら翻訳版とオリジナルとの違いがあったのかもしれない?
QT: fedibird.com/@chaton14/1110797
[参照]

しゃとん  
BT ここで紹介されている小川氏の本は読んでいないのですが、最近、#映画 「ノマドランド」を見て似たようなことを考えていました。 ( 「インフォーマル経済」の話ではないですが)。 「ロードムービー」として撮られていて、雄大な自然のなかでご飯を食べたり焚き火をしたり。魅力的な描写が多い映画です...

わたしは本しか読んでないのですが、社会問題提起のストーリーです。彼らはいよいよ行き詰まると銃を持って荒野に行って最期を遂げる、というのが一つのパターンだそうです。ぜんぜんハッピーエンドじゃないです。アメリカ社会の抱える様々な矛盾を実感として知らないと「大草原の小さな家」の現代版みたいに見えてしまうのかしら。
「大草原の小さな家」も背景を知ると全然違うストーリーです。ローラたちが転々と引っ越すのは、「フロンティアで農場経営して金持ちになろう!」という開発業者の口車に乗せられたパパが、行ってみたら原住民の居住地だったり、イナゴの大群に襲われたり、降水が不安定で作物が全滅したりで、全然農業では食べていけなかったからです。


あのローラパパは口車に乗せられていたんですか! どうりで苦労が多いわ…。あのイナゴの描写は怖かった…。

ノマドランド、わたしも@eccochann と同じく映画オンリーですが、全体的にブルーな陰鬱な描写で、ちっとも素敵には、称えているようには見えないと思いました。主人公の女性にちゃんと実家があってほっとしたかと思いきや、行かないでほしいと言われてもまた出ていくところとかもキツい。いよいよ行き詰まるとというのもナルホド…。

@blue @Narako 私もローラパパの背景は知りませんでした!

ですよね、ノマランドの解釈がこんなにも違う事に驚きです。

@Narako ですよね。だからアカデミー賞も取ったわけだし、このtootがBTで回って来て正直驚いてtootせずにいられませんでした。どうしてこういう解釈になるのか、そこが知りたいです。もしやただ単に原作と細かいところで違うから、その点を指摘してるだけなのか、それともなにか字幕翻訳上の問題でもあったのか。。。そこがとても気になります。

@eccochann 本も読んだし映画も見たけど、そういう風に礼賛されているとは思いませんでした。えっこさんと同じように社会問題を語っていたと思いましたよ。「誇り高い生き方」に思えるような内容ではありませんでしたよね。

@JunjunH ですよね〜。私も『「誇り高い生き方」に思える』とは思わなかったので、どうしてそのような解釈に映るのか素朴に疑問に思いました。決して美化した撮影の仕方でもないですしねえ。興味深いです。

@eccochann 高齢で体が不自由になっても肉体労働しなければならなかったり、ガンになったりなどなど、決してポジティブには描かれていませんでしたよね。すごく不思議です。

「厳しい状況でも自力で生きていかざるを得ない」の部分が、本よりも映画だと細かい事情が省かれている点があったり、あと壮大な風景が映像で目に入ってくるインパクトの強さもあったりして、「(厳しい状況で)自力で頑張ってる人たち=すごい」となってしまって、その背景の社会問題等を失念しちゃうのかもしれないと思いました。

『この世界の片隅に』の映画版を「戦時中なのにていねいな暮らしでほっこり癒される」と評価する層が一定数いたのと近い気がします。

@harumaki_r @eccochann 私は本を先に読んでいたので壮大な景色に目をくらまされないで見られたのかもしれませんね。
『この世界の片隅に』は観ていないのですが、なんとなくおっしゃっている感じはわかります。
あと文化の違いもあるかなあと思いました。日本には苦労を尊ぶ文化がありますから、美化されてしまうのかもしれないと思いました。

クロエ・ジャオの映画は『ザ・ライダー』の時もそうだったけど、風景の撮り方がすごく美しいのでそこに影響されちゃうのは仕方ないとして(日本にはない異国の光景ということもあるし)、確かに苦労を尊ぶメンタリティの影響はかなり大きい(そして深刻)かも。

@harumaki_r @eccochann 「耐え忍ぶ」ことに価値を見出すメンタリティありますよね。ちょっと違うかもしれませんが、日本のドラマ見てるとどう考えても愛し合ってるのに別れを選ぶカップルが多いなと思います。アメリカだとだいたいハッピー❤️で終わるのだけど。

言われてみれば、邦画や日本のドラマ、登場人物が泣き叫ぶシーンとか多いかも…耐え忍ぶのを美徳にするのやめようよと言いたい…

@harumaki_r @JunjunH 確かにお二人が仰る耐え忍ぶ美徳観は十分ありえますね。その美徳観のおかげで、日本社会は歪んでると思います。補助が必要な層が補助を簡単に申し出る事ができないもしくは、受けれないという歪み。本当にそんな美徳誰も特しないですよ。

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