久しぶりに投稿。
読んでなかった訳じゃないのだけれど。
万城目さんの本を読むと、なんということもなく慣れ親しんでいる「いつものあの場所」が、なんだか特別なあったかい思いを持って接することができる場所に変わるような気がする。この本も然り。




ホラー系と作家さんと聞いてはいたけれど、十二国記しか知らなくて、本業ジャンル?の方を読んだことがなかったので、初挑戦。といっても、ミステリーならともかくもともとホラー系は苦手なので、なんとはなしに、タイトルから大丈夫そうなの、しかも短編集を選んでみました。読みながら若干へっぴり腰😆

怖すぎないけど、ゾゾっとする感じがある。城下町のいろんな古民家に暮らす人々が遭遇する怪異な出来事。スプラッタではなくて、五感で感じる薄ら寒さというか。
一方で、怪奇なことを退治して解決するのではなく、納得しながら工夫を凝らしてうまく共存する、というのが、なんだか少しあったかくて、いいなぁと思いました。


信仰宗教の世界にのめり込んでいく両親のもと、教義に基づくルールや価値観を当たり前のこととして育つ主人公の少女の物語。なんとなく自分たち家族が他から違和感を持って見られていることを知りながらも、中に入り込んでいるがゆえに歪みがわからない、そしてその家族の中では普通に家族を思う幸せな日常であるということ。一方、垣間見える外との断絶や困窮などの社会生活への影響が、穏やかなストーリーの中で見えてくる本でした。

下巻読了。上巻は、カンボジアの苦難の歴史の一端に触れた感じ。そんなつもりで下巻に突入したら、いきなり時代がワープして、「ゲーム」な世界でした。
バトルゲームに埋め込まれた仕掛けは、現実にもあり得そうでちょっと怖い。どうやって幸せに生きるのか、理想を追うことでは同じなのに、手段手法が全く異なる二人の主人公。下巻での対峙には、上巻で描かれるいろんな人たちの人生が不可欠だったんだと読み終わって理解しました。
そして思い出す…これ、SF系だったのね。

ゲーム、というタイトルを空恐ろしく感じるほど、理不尽な社会。そこで生き、死んでいく人々の群像です。
理不尽すぎて辛すぎて、なかなか読み進まない。ようやく上巻が終わりました。

大勢が入れ替わり立ち替わり出てくるので、全体像が見えにくい感じがしていましたが、少しずつ繋がり始めてきた気がする。

下巻に進みます。

#読了 #読書 #小説 #クララとお日さま #カズオ・イシグロ #AI #ロボット #未来社会 #fedibird AIとの付き合い方について考えさせました。面白かったです。 

AFと呼ばれ、高度な人工知能が搭載された、子どもたちの「親友」として寄り添うことがミッションの(おそらく)ロボット、クララが語り手。

クララが買い取られたのは、病弱な少女ジェジーの家。プログラミングされているから当然だけれど、クララは、ひたむきにジョジーのため、ジョジーや周辺の人々の言動から学習し、振る舞いを決めます。導く結論は合理的でありつつ空気を読んでいるかのようで、一見人間らしい。感情に揺れる人間社会のほうが歪んだり不完全なものにさえ感じられるのです。
ジョジー家族の過去や「向上処置」のこと、情操教育まで人工知能に頼る社会のこと、クララのその後の境遇。
いろいろがあり得そうで、薄ら寒い感じすら覚えました。

科学技術を駆使することが本当の幸福追求になるのか、人間らしさってなんなのか、人間と高度な知能を持つロボットとは結局何が違うのか、…いろいろ考えさせられました。

人は、本人の中だけでなくその人を愛する人々の中にもある、だから誰かを人工的に再現するには限界があると、他でもないクララが発することが強く印象に残りました。

初めて。

ラグビーの試合をスタジアムで見てきました。

2019ワールドカップの時に、ラグビーふぁんな方達からいろいろ教えてもらいながら見ただけの超ビギナーなものだから、テレビの解説付きの方が理解できたはずなんだけれど、
一生懸命見てても、たぶん全然わかってない気はしたけれども、

身体がぶつかる音、選手たちの声、スピード感、選手たちの身体の大きさ。
なんだかめちゃくちゃ楽しかった。

生の観戦って、いいものですなぁ。


江戸時代、堅実一筋で糸問屋を経営してきた六代目が、息子に跡を託して悠々自適の隠居生活を目論むけれども、真面目すぎて趣味も道楽もなく…そうこうするうち無邪気すぎる孫の善意の言動に振り回され…というお話。

堅物で遊びのない、傍目には面白みもない人物像に思われる6代目が、孫を通じて、大店経営者の時には触れることもなかった市井の貧しい子どもたちやその家族と触れ合う少しずつ心をほぐし、経営者としての知恵や人脈も使いながら、まさに地域コミュニティの一員となっていく様子が、微笑ましくて、痛快な読み応えでした。人生百年時代、セカンドライフのことも考えて生きねばならない私たちとしても、なんだか身につまされるというか、羨ましいというか。そんな気分で読了しました。

あっという間に3巻が終わってしまいました。
マツリカとキリヒトのコンビがいい具合にこなれてきて、二人のやりとりが心地よかった。
そして、マツリカの、苦難に見舞われても、挫けそうになっても、前に進む逞しさが格好いい。若いお嬢さんなのに…。

どこか、それぞれが、感情の一部に鈍さを持っているような二人なんだけれども、それでもお互いの痛みを思いやる強い気持ちがあるのが嬉しくて、とにかくどうか二人とも幸せになって欲しいと願わずにはいられません。

日本語にはまだまだいろんな言い回し、表現があるのだと、ボキャブラリーの豊富さに驚いてしまうのは相変わらず。この著者はどれだけの言葉を使いこなしているんだろう?
そんなことも考えながら、4冊目に突入します。


第二巻読了。
読みとめられなくなってきました。

一の谷の覇権をめぐる不穏な動きに立ち向かおうと画策し始めるマツリカたち。登場人物たちの人となりがどんどんくっきりと見えてきました。図書館メンバーたちは、ただ優秀なだけでなく、それぞれ胸の内にコンプレックスや葛藤も持ちながら、自分がいまどうあるべきかを考え続けて行動に移している頼もしい若者。
そして、キリヒトも、とうとうベールを脱いだのかな。

第一巻、第二巻で、物語の世界観やさまざまな基本設定の理解が進み、これからいよいよ本当の物語が始まるのか、そんなふうに思える第二巻のラストでした。


第1巻読了。

マツリカとキリヒトが次第に距離を詰め信頼関係を構築しながら二人だけで通じ合う会話の方法を習得していく過程が興味深い。物語は序盤かな。不穏な気配も。続きが楽しみです。

そして、この著者の語彙力がすごい。ちょっとした物事、単語を表すのにも、豊富な語彙の中からいろいろ意味や背景も踏まえて取捨選択していることが伝わってくる。作家さんはみなそうなんでしょうけれども、特になにかそこに強い思いを持っておられるように感じながら、見馴染み、聞き馴染みが少ないのになんだかしっくり受け止められる色とりどりの言葉も楽しんでいます。

余談ですが…。
十二国記ファンゆえ、タイキ、キリンという名前に心が勝手に反応しちゃう。

今日の読書時間のお供は、水出しコーヒーと、モカチーズケーキ。
いつもお世話になってるコーヒーショップにて。

先日、水族館で、セイウチ氏に会ったんですけれども。
立派なおヒゲが素敵なのとつぶらな瞳に、ユパ様を思い出したのでした。



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