ジョーン・エイキン著 三辺律子訳『お城の人々』(東京創元社)、楽しかった…。死者や異界といった不穏な状況が多いのに、やさしさとおかしみでなんともいえない読後感を覚える話が多くて、やっぱりジョーン・エイキンいいなと思いました。装画・挿絵:さかたきよこ 装幀:岡本歌織(next door design) 12月11日頃から店頭に並ぶそうです。#いただいた本
最初の「ロブの飼い主」は〝人が飼い犬を選ぶこともあれば、犬が飼い主を選ぶこともある。〟という書き出しの通りに、とにかく少女を慕う犬がすばらしくて。「携帯用エレファント」は、画像のとおり挿絵からして最高なんですが、そこから想像したストーリーとは違いすぎて笑う。大昔に悲劇に見舞われた恋人たちの幽霊に呪われかける恋人たちの物語「ハープと自転車のためのソナタ」のラストの飛躍や、近く起きるカタストロフがあまりにさらりと示唆される「最後の標本」の最後のひとときの穏やかさも心に残りました。
ブックファースト新宿店の『名著百選2023』に参加しています。フェアは、12/31日まで。今年はこの特製小冊子つきのオンライン販売もあるそうです。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02ybfiz1njd31.html
絵本編集者の筒井大介さんのポストで猫のゆきちゃんを目にする度に可愛さにもだえていたのですが、そのゆきちゃんの絵本が! きくちちき作『ゆきのゆきちゃん』(ミシマ社) 幸福感のある冬の絵本。 #いただいた本
本日発売になりました。楽しんでいただければ嬉しいです。
QT: https://fedibird.com/@dempow/111459371736220605 [参照]
ジャック・パランスの本名がVolodymyr Palahniukだと知り、チャック・パラニュークと同じくウクライナ系なんだ、と思っていたら、それだけでなく、チャック・パラニュークの遠縁の叔父だった。さらにパラニュークという姓は、チャック・パラニュークの父方の祖父母が自分たちの名前ポーラとニックを組み合わせて作ったものだとか。へー…!
「堅実性」を読んだ。やはりいいですねイーガン。なんてせつない話。学校の教室で、気がつくと先生やまわりの生徒たちが見知らぬ人になっている発端から、すべての人がばらばらに、刻々と、ほぼ同じだが異なる世界に移り続けていることが明らかになり、誰もが離れ離れになった家族を探し続ける…
テレビで、カメラに向かって話すリポーターの話に笑う。
「――首相であると主張する人物が先ほど会見をおこない、この非常事態のあいだ、最善を尽くしてたがいに助けあうよう、国民に訴えました。
QT: https://fedibird.com/@dempow/111300307372264998 [参照]
『群像』12月号、小川公代さんの連載「翔ぶ女たち」の最終回「ザ・グレート・ウォー 女たちの語りに耳をすます」は、シルヴィア・プラスの詩「ダディ」の謎を端緒に数々の作品から戦争や国家の父権性について語られています。その中で、〝「個性」が消滅させられそうな状況から、人間はどう立ち直るのか。〟として、『オクトローグ』(文庫版『金星の蟲』)収録の「堕天の塔」を、飛浩隆さんの『グラン・ヴァカンス』と共に取り上げていただいています。
他にはテイラー・スウィフト「グレート・ウォー」、宮崎駿『君たちはどう生きるか』他、野上弥生子『迷路』、シルヴィア・プラス『メアリ・ヴェントゥーラと第九王国』等々――
『メアリ・ヴェントゥーラと第九王国』は妙に琴線に触れる好きな作品だったので、その流れで「堕天の塔」につながったのは、嬉しい驚きでした。
とりしまです。Dempow Torishima 絵と小説をかきます。最新刊は長編『奏で手のヌフレツン』。著書に『皆勤の徒』(英訳版、仏訳版も)『宿借りの星』『オクトローグ』『るん(笑)』、高山羽根子さんと倉田タカシさんとの共著『旅書簡集ゆきあってしあさって』。SFマガジンで「幻視百景」連載中。