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小田雅久仁さんの『禍』(新潮社)、一足早くプルーフで読ませていただいたのですが、むちゃくちゃ面白かった。とんでもない奇想の数々に呑まれてどこまでいくんだと気が遠くなりつつ読むのが止まらない作品集。7月12日頃発売だそうです。

冒頭の「食書」は、本の頁を食べるなりその内容を現実として体感する話ですが、どの短篇も正に食書のように体感されて、怖気と笑いに掻き回される。
特に好きだったのは、「耳もぐり」「柔らかなところへ帰る」「農場」

もうすぐ閉園する須磨海浜水族館に行っていたのでした。バックヤードツアーでは、プランクトン液や瓶いっぱいのウオノエを見たり、以前いた危険なサメ用の経帷子みたいな重いスーツを触らせてもらえたりした。

5月10日発売の『クロワッサン』最新号の「話題の本、気になる本」にて、ビジュアル版『五色の舟』(津原泰水著 宇野亞喜良画 Toshiya Kamei英訳 河出書房新社)を、初出の『NOVA 2』や近藤ようこさんのコミック版なども含めたこれまでの歩みとともに紹介しました。

『税金で買った本 公式ファンブック』(講談社)をお送りいただきました。6巻のエピソードで探されていた『るん(笑)』を、「『税金で買った本』に登場する書籍ガイド」で紹介頂いています。

新しい本棚に詰めていく。単行本を二段並べてまだ前に文庫をおけるとは。

これまでの号では、千早茜さん、谷崎由依さん、藤野可織さん、いしいしんじさん、といった方々も掌編を寄せられていて、KCIのサイトではpdfで読めるようになっています(面白いのでぜひ)。22号もいずれ読めるのではと思います。

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KCI(京都服飾文化研究財団)の広報誌『服をめぐる』22号に、「つれあい」という掌編小説を寄稿しています。これはKCIの収蔵品から一品を選び、実際に見せていただいてから書く、という企画で、わたしは鳥の剥製をつけた20世紀初頭の帽子を選びました。楽しかった…。

このところ気候等で家に籠もってたが、川辺はやっぱり仕事に集中できるな。でもまだ風が冷たい…。

イバン・レピラ 白川貴子訳『深い穴に落ちてしまった』(創元推理文庫)、うわー、すばらしかった。タイトル通りというか、それ以外にはなにひとつ判らない極限状況で、兄弟が虫や木の根を食べつつ生き延びようとするが、しだいに幻覚など現れだし――
もしアゴタ・クリストフが「火垂るの墓」の後半を書いたら、という雰囲気も。弟が謎言語を話しだしたり、章番号が素数だったり、暗号が仕込まれていたり、と謎めいた仕掛けや暗喩に満ちた哲学的な寓話。ようやく捕まえた鳥をどうするのかという場面、その発想はなかった…。
解説は西崎憲さん。4月28日頃発売。

「創元SF文庫 創刊60周年フェア」、60作が対象で、「皆勤の徒」文庫版の電子書籍も各プラットフォームでお求めやすくなっています。5月12日まで(hontoのみ18日まで)だそうです。

『SFマガジン6月号』は、話題の〈藤子・F・不二雄のSF短編〉特集。約110作のSF短編コミック総解説企画では「影男」「山寺グラフィティ」の二作を担当しました。「ヒョンヒョロ」や佐藤大☓辻村深月対談も読めますよ。グレッグ・ベア追悼企画もあります。
第43回となる「幻視百景」は、一生追われ続ける話です。

『ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス』(竹書房)、英語圏以外の国のSFアンソロジーが読めるありがたさ。
 美しい島で観光客を接客するアンドロイドたちの物語「われらが仕える者」、○を克服した未来で研究者たちが原因不明の病を解明しようとする「いにしえの疾病」、虐殺市場の取材で出会うアンドロイドとその肌に現れる謎の真珠層を絡めたSF文学「アンドロイド娼婦は涙を流せない」、の三作がとくに好きでした。
 訳者代表の中村融さんの依頼で書かれたという、原書の編者によるギリシャSFについての序文も興味深いです。

ティリー・ウォルデン著 三辺律子訳『アー・ユー・リスニング』(トゥーヴァージンズ)、家出中の少女ビーと、母を亡くした自動車修理工のルーという、つらい過去を抱えたふたりが出会い、車で旅をするロード・グラフィックノベル。豊かで絶妙な色彩と、絵が動いているような筆致が気持ちいい。猫を拾ったあたりからの不穏な幻想展開に驚く。20日頃発売。

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