20年ぶりに下井草で降りて、かつて通っていた鍼灸院で治療してもらった。施術者によって鍼の味とでも言うんだろうか、治る感じが結構違うものだが、それも色んな鍼灸師に診てもらってからの話。
20年間、バチッとはまる鍼灸を求め続けていたのは、最初の経験が20年前に味わった鍼で、それを忘れられないからだった。なんか怖い話ですね。
私のことはすっかり忘れていたご様子だったが、こちらはかつてのことをよく覚えている。昔は脈診、舌診、触診からの鍼だった。今は私の背中を見るなり、触りもせずにバキバキですねと看破し、手際よく鍼を打っていった。見ただけで分かるんですかと尋ねると、そりゃあ分かるよとのこと。20年で腕を上げられたんだなあと思う。
カーテン越しの隣の治療台で、なじみの患者さんと話す様子、ずいぶんべらんめえ調になって軽妙なトークを繰り広げている。お若いころはもっと他人行儀な接客でしたよ。
なんだか、身も心も軽くなる久しぶりの訪問でした。
施術後、これもまた20年前の定食屋がまだ残っていたので、750円のとんかつ定食をいただいて帰宅。
入間にあるジョンソンタウンをお散歩していたら、アートギャラリーに出会った。「ミウラ折り」を使ったアート作品の展示。
miura-ori Art Gallery BIWAPOT について - biwahouse-gallery ページ!
https://biwahouse-gallery.jimdofree.com/about-us/
ミウラ折りとは、人工衛星を軌道上で開くときの折り方にも採用された技術で、ご存じの方もあるかもしれない(私は知らなかったが妻が知っていた)。すごく雑に言うと、平たいものをコンパクトに折りたたんで自然な形で開く折り方です。つぼみの中にある葉っぱやさなぎのなかの甲虫の羽なども、同じ理屈で折りたたまれているというから、面白いものですね。
大きな地図などを普通に畳むとごわついてすぐに開いてしまったり、一回開くと元に戻すのが大変だったり、果ては使っているうちに破れてしまうけれど、この折り方だとそれらが全て改善されるという。
私もワークショップ形式で折り方を教わってきました。
大きな方言地図などをミウラ折りでコンパクトに畳んで本に挟む、といったことを考えたりしました。日本言語地図のPDFをダウンロードして、あとで折りたたんでみようか。1枚単位で表紙を付けて配付したりしたら、フェスなんかでちょっと面白いかもしれない。 [添付: 5 枚の画像]
日本語学の研究者です。漢字音史、漢語アクセント史を文献ベースで狭くやってます。自己紹介的な論文に、「アニメ『ドラゴンボール』における「気」のアクセント─漢語アクセント形成史の断線から─」(日本語学2022年6月号)あり。データベース作ったり、自転車に乗ったり、珈琲を飲んだり、ジャム作ったりしています。https://researchmap.jp/read0135868