頤和園は1989年以来初めてかも。入り口に立ったときの既視感にクラクラするものがありました。おそらく綺麗にリノベーションされているのでしょう、安心して「観光客」をやることができました。
写真には天安門前が一枚、夜に連れて行ってもらった五道口近くのバーで飲んだカクテルが一枚。夜の盛り場は新宿の夜のようでした。中国は豊かになったのだなあ。 [添付: 8 枚の画像]
北京清華大学で共同研究集会を行ってきました。行って、二日間仕事をして、午前の合間に懐かしの頤和園を巡って、弾丸ツアーで帰国しました。クッソ疲れたけど、充実感があります。
初めて北京を訪れた1989年、そして1996年、2007年、2024年とどんどん顔を変える街ですが、とうとうほとんど知らない街になってしまいました。ある種の理想的な管理型社会主義というのでしょうか、ごみひとつなく犯罪率も低く、街並みは整然としている。中心部は観光目的もあって古い街並みを残していますが、周辺部はビルが建ち並びマックやコンビニ、高層ビル、電動自動車、そして電子マネーに地下鉄、往事を知る者で驚かない人はいないでしょう。ここはどこだ。
写真は清華大学のなか。学生は全寮ですし、教職員も家族で住み着いていることもあり、文字通りの学園都市となって生活に必要な施設は全てあります。大学構内に11万人居住しているのだそう。大学の敷地が拡大するにあたって立ち退きも行われたようですが、今もまだ立ち退かない/立ち退けない人が塀で隔てられています。地価が上昇しすぎてもう買い取れなくなったのだとか?
急激な近代化のスキマから生活の匂いがいびつな形で垣間見えます。旅人としてはそこに薄暗い魅力を感じざるを得ません。 [添付: 7 枚の画像]
今週の「光る君へ」に藤原為時が花山天皇に漢詩を教えるシーンがある。そこで為時が中国語で音読しているのは一体何か。はっきり言って発音から何を話しているかさっぱり分からず、こういうときは集合知の力を借りるということでXのハッシュタグを流してみると、いるんですね。さすがです。
https://twitter.com/kysn/status/1764248281025335369
字幕の力を借りれば良かったのか!
この方が早速特定しているように、これは為時作の漢詩で『本朝麗藻』に収録されているようです。
漢文文献についてはネットにフリーのファイルが落ちていないのですが、目加田さくを氏「源氏物語論」という論文に引用されているのがヒットしました。
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwi-yc2PhNiEAxXEs1YBHeTXBjAQFnoECA8QAQ&url=https://fwu.repo.nii.ac.jp/record/1680/files/KJ00000148566.pdf&usg=AOvVaw3tx4_LNI29hct8Olt9a91J&opi=89978449
仲尼昔夢周公
聖智莫言時代過…
こうしてみると現代中国語で演じていた模様。「莫言」のところモウヤンって何だろうと思っていたが、現代中国語のピンイン"moyan"を発音していたのだと分かりました。「バクゲン」でいいのよ、当時の漢音に措定して読むならば!
こうやって漢文を中国語の語順で読むことを「漢文直読」と言うが、平安中期くらいまでは儒学では直読だったという説もある。一方半谷芳文『勅撰三漢詩集の研究』では平安初期においてすでに日本語の語順=訓読が大勢だったとあります。
先週、浅草を歩いた記録。昼からホッピー通りでお酒を飲んで、抹茶アイス食べて、ケーキ屋、カフェと渡り歩いて、一日の最後には懐かしい先輩にもお会いして盛りだくさんの一日だったのでした。 [添付: 8 枚の画像]
昨晩、作ってきたパンをピザ窯でリベイクしましたが、表面のパリッと加減が素晴らしく、今朝は思い切って、ピザ窯を使ってゼロからパンを焼きました。材料は持ってきていなかったので現地調達でしたが、温度の高い環境でパンが焼けるということをどうしても試してみたかったのでした。
火が通りやすいふわっとしたパンにするということで、強力粉250+薄力粉50で、具は入れないシンプルな丸パンです。結果は思った以上の大成功。
ピザ窯だと温度管理が難しいということでした。なので、2分ごとに蓋を開けて様子を見ながら、向きを変え向きを変え焼きました。やはりかなりの高温で、熾火で350〜400度くらいかと想像します。焼成にかかる総時間は3分程度、油断すると表面がすぐ焦げます。最後は1分程度で向きを変えながら焼きました。
二次発酵はピザ窯の上にホイルを置いて、ボウルをかぶせて1時間程度。ちょうどよい膨れ方となりました。
これなら高加水のパンもうまく焼けそうな気がします。次はオーバーナイトの発酵で高加水にチャレンジしたいところ。
別途作ってあったビーフシチュー的なものを載せて。最高のお正月でした!
名古屋で見つけたこの看板だけはご報告しておきます。「し」と「ひ」の違いは江戸に限ったことではないです(日本言語地図の第11図〜14図も参照https://mmsrv.ninjal.ac.jp/laj_map/)。
でも、「ひちや」は語彙的な定着と見た方がよいかもですね。布団を「敷く」を「ひく」と言っちゃいがちな私も、「東」を「しがし」と言うわけではないですし。
日本語学の研究者です。漢字音史、漢語アクセント史を文献ベースで狭くやってます。自己紹介的な論文に、「アニメ『ドラゴンボール』における「気」のアクセント─漢語アクセント形成史の断線から─」(日本語学2022年6月号)あり。データベース作ったり、自転車に乗ったり、珈琲を飲んだり、ジャム作ったりしています。https://researchmap.jp/read0135868