今村夏子作品2冊読んでの感想
今村夏子/あひる
今村夏子/木になった亜沙
読了。
「あひる」はあらすじから想像したよりもまとも(まともとは?)な家族だった。
他2篇は色々と繋がってるのかな?何か意図があるのかしら?と探りたくなるような内容だった。
木になった亜沙は3篇とも現実と非現実の境目が上手いことあいまいに描かれているので、すごく不思議な読書体験だった。
どう考えてもファンタジーというか非現実的なのことが起こり始めるんだけど、不思議とスルッと受け入れて読み進めてしまえた。
どれもちょっと悲しい、切ない、可哀想な物語ではあった。
嬉しかったのが解説を村田沙耶香氏が書いていたこと!
今村作品と村田作品の世界観が似ていて、村田作品が好きだったからこそ今村作品にハマれたというフシがある。
そんな勝手に縁を感じていて大好きな村田沙耶香が担当していてワクワクしてしまった。
読了 今村夏子/父と私の桜尾通り商店街
短編集。
お腹いっぱい!
日常生活でいそうなズレた人を描くのが本当に上手い。
表面的に付き合う分にはちょっと変わった人、で済むのだがその人の生活を追っていくと異常さが浮き上がってくる。
それは異常なまでの執着だったり鈍さであったりひたむきさであったりする。
「ピクニック」と同様の設定の話があり、彼女等がとった行動の意味が最初はなかなか理解できなかったのだが、何かに酷似してる気がするなあ、と引っかかっていた。
あ、死に化粧とか棺桶におさめる時の儀式的な雰囲気だ!と気付いたら、より不気味さが際立った気がした。
表題作は最初、主人公は小学生かと思っていたら子供がいてもおかしくない年齢に達した女性だったことを知る。
閉じた世界で、時間も半ば止まったような感じで生活していたのだろうか、と想像した。
とあることがきっかけで、彼女の周りは動き出すのだがその動き出したと彼女の労力の掛け方の方向性が的外れで、彼女の狂気が吹き出していく。
グサッと来るのではなく、チクチクした痛みがずっとあるような読後感だった。
最高すぎる。
読了 今村夏子/こちらあみ子
表題作は虐待といってもいい家庭環境ではなかろうか?と思うものだった。
ネグレクトに近いというか、この状態の娘を病院に連れて行かないことがそもそも虐待に近いかなと思ってしまった。
それ故に学校ではいじめられ、母は再起不能になってしまう。
産まれてくるはずだった赤ちゃんの、あみ子にとっては弟妹の性別すら教えられず、母が入院していたことも知らされなかった。
挙句に引っ越しもあみ子一人が祖母の家に行くという、ある種の厄介払いのような形。
あみ子自身が(その特性ゆえ?)なにも感じていないのが痛々しい。
「ピクニック」に関しては、ほーんふーん変な人だな と読んでいたが途中から あ…これもしかして一番怖いやつだ!という考えに至った。
黒か白かというと真っ黒というのが個人的に感じたことなのだが読み手によっては美談というかいい話、後輩想いの優しい先輩たちという話になりそう。
腹黒く思えた新人ちゃんがある意味では彼女たちの行いを暴露する立場になっており、実は一番いい子だった。
「チズさん」に関しては難しい!
主人公の 私 を男と考えるとチズさんの道中の みきお 言動や最後の表情の変化に説明が付きそうだが。うーん…。
お帰り、Kaweco!
ペン先調整を以来していたKaweco BRASS sportの金ペンが帰ってきた
インクフローが潤沢になってヌラヌラ!!
引っ掛かりも見事になくなった
メールも梱包も凄く丁寧でひとつひとつ確認してくれた。
箱や同梱物も一緒に送っていて、純正のインクカートリッジを使って試筆等した、ということだったのだが、新しく1本純正カートリッジを同梱してくれてた
なによりびっくりしたのが予定より大変な工程になったはずなのに、当初の見積もりと同じ金額だったこと
送料込みで2千円行かないって…どうして商売成り立ってるんだ。
こちらとしては有り難い限りだけど、凄いなと。
引き続き大切に使っていこう
読了 吉野源三郎/君たちはどう生きるか(ジブリ関係なし)
児童書ということでとても分かりやすく構成されていた。
そのため、内容の時代は古くても読みやすい。
とても良い説教本という印象。
主人公は中学生なのだが、その時期特有の悩みや真っ直ぐさ、活発さに溢れている。
そんな日常から、貧困の格差や学校内や友人間での悩み、日々の生活での不可思議に思いを馳せていく。
おじさんのノートとして章分けされ、彼の体験についてアドバイスや説教が入るのだがこれがとてもいい。
大人になって読むと本当にハッとさせられることが満載だった。
当たり前のように過ごしていたけど、実はよく考えたことがなかったな、と改めて思わされるようなことが書かれてある。
中学、高校あたりで読んでおきたかった1冊かも。
目がさめてしまった
#fedibird
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双極性障害(うつ型)とパニック障害、腰椎椎間板ヘルニアで闘病中の男です。
読書が趣味です。
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