昼・夜公演でループものの演劇を見たので、勢いづいて『リバー、流れないでよ』を観ました。
構造的・アイデア的な凄みでいうとさすがに『ドロステのはてで僕ら』に軍配が上がると思いますが、「演劇」的な凄みではこっちですね。最近気になっているものに寄せれば「群像劇」としても卓抜している。ここで今日見た演劇作品と比べてみると、「実写映画」だからこその強みを生かしていることがより明らかになり、経験値がゴリゴリ入ってくる……と思いました。
たとえばそれは舞台の選択で、『リバー、流れないでよ』は舞台によって駆動される物語でした。場所が物語を生んでいる。台詞もそれを意識してか、「貴船は~」という言葉が何度も入る。動線、高低、場所の繋がり――人々の移動や景色の遷移が物語になる、そういう舞台が選ばれている。ごく個人的な印象としては、その語り口はフロムソフトウェアのゲームに似ていると思いました。え……?
5年前(5年前?!)に参加させてもらった骨アンソロジー『骨博』が最終頒布とのことです。
架空の特別展【骨博】にて販売された〈図録〉というコンセプト(各作品に「キャプション」が付く!)、装幀から収録作品まで、大変よいアンソロなのでおすすめです。
収録作の「ドラゴンズハート」は、ヴィクトリア朝時代英領インドを舞台にした、元「女王陛下の竜殺し」の男によるドラゴン(ナーガ)探索行――といった感じです。デビュー前の作品なので(筆名!)恥ずかしいところもありますが、「ドラゴンの実在する世界における冒険小説」という意味で、実はデビュー作に最も設定やテイストが近いという噂もあります。百合ではないが……。
当面、どこにも再録の予定はありませんので、おれにパンチしてドロップさせないかぎり(やめてください)、これがラストチャンスということになります。よろしくどうぞ。
https://twitter.com/honehaku2019/status/1793998973780525383
【告知】
大戸又さん主宰のアーバンファンタジーアンソロジー『Neverland, Neighborhood』に参加しました。
青本と赤本の二分冊なので、キッズの皆さんは友だちと一冊ずつ購入して通信交換や対戦をしましょう。大人のオタクは両方買いなさい!!
おれは赤本に寄稿しました。タイトルは「熊神たちの沃野」です。なぜならアーバンといえば、アーバンベアだからです。
物語は、神々が熊の姿を借りて降臨するようになってから七十年後、昭和一〇八年の北海道から始まります。
よろしくお願いいたします。
https://twitter.com/nobunaga504/status/1786004109474288046
https://walkingchair.booth.pm/items/5770945
新刊アーバンファンタジーアンソロジーの通販が始まりました
『アーバンファンタジーアンソロジー Neverland, Neighborhood Blue/Red』(献本!)
『SFG vol.06"電脳"特集』
『ドンキー・アーカイヴvol.2』
『マジック・ボール』
『圏外通信2024』
『テーマアンソロジー STATEMENT FOR GAZA』
『ドラゴンアンソロジー 龍舞記』
『巣 徳島SFアンソロジー』
『Kaguya Planet No.1』
『コスメアンソロジー TOKIMAKE』
『バウムクーヘンエンド合同』
『蜜蜂よ、夜々を遊行せよ』
『毒についての話』
『奇想同人音声評論誌 空耳2』
『家父長制アンソロジー 父親の死体を棄てにいく』
『留年百合小説アンソロジー ダブリナーズ』
#文学フリマで買った本
おれが観念して本年中に履修を果たすかぁ、となりつつある作品としての、
・『アッチェレランド』
・『ペルディード・ストリート・ステーション』
・『ブラインドサイト』『得コープラクシア』
・『胎界主』
・『美味しんぼ』
作家(阿部登龍)。第14回創元SF短編賞受賞作「竜と沈黙する銀河」(紙魚の手帖vol.12)、「狼を装う」(同vol.18)。SFとファンタジーと百合とドラゴンとメギド72が好き。
お仕事のご依頼は東京創元社までどうぞ。
通販 http://abe-dragonslay.booth.pm