庵野ゆき『竜の医師団』(東京創元社)献本いただいておりました。山のように巨大な竜、嬉しすぎる! ドラゴンはデカければデカいほどいいからな!“徳島県生まれのフォトグラファーと、愛知県生まれの医師の共同ペンネーム。”ということで「竜医学」のディテールにも期待ですね。3月には早くも2巻が!
https://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488524104
https://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488524111
(いただいた本の写真を撮ろうと思ったんですがカメラがおしゃかになっていたのでやめました。)
https://tonarinoyj.jp/episode/2550668106023058945
誰も悪くないんだけどどうしても「って、なんで俺くんが(僕の夢の中にやってくるえっちなお姉さん(羊角・有蹄類瞳孔)に)?!」になってしまう。
『マダム・ウェブ』感想続き
冒頭&MP後のペルー編はなんか全部おかしかったですが(ペルー、近すぎるだろ! なんで都会のイケてるおじさんみたいな恰好なんだよ!)、少なくとも後者については、既に映画と観客(おれ)との間で約束が出来上がっているので愛嬌として受け止められました。『パーソン・オブ・インタレスト』みたいなNSAの謎監視技術とそのセキュリティも……うーん、まあ……。てか、エゼ君はずっと同じボロボロのタクシー(ナンバープレートがない)で走り回っている女を追ったほうが良くない? やっぱりこれアホ映画なんじゃあ……?
でもよ、おれは三人娘がキャシーにちゃんと「助けて」って言うところとかさ、モーテルで四人が「焚き火を囲む」ところとか、三人娘に人助けなんか御免だと言って嫌々車を走らせるキャシー――だけどそもそも彼女の職業は? と思うと、渋々受け取った子どもの絵を捨てられずに(母親の遺品が入った!)トランクについつい仕舞ってしまう人間の、捨てきれない善性とかさ……そういうのがたまらなく良くて泣いてしまったんですよ。歴史に残る傑作じゃないけどさ、いい映画だったよ。
『マダム・ウェブ』観ました。 事前に唯一目に入っていた評価が「全米で酷評の嵐!」だったので、期待がやや下がりぎみでしたが、おもしれえじゃん! というかそれもよく思い返すと「女性メインの映画はつまらない作品ばかり」とかほざいて(さえぼう先生に痛烈な皮肉をぶつけられて)いた女性蔑視の抜け作野郎の発言だったし、自らの不明を恥じいるばかりです。全米で酷評の嵐なのかも確かめていないし、そもそも全米の評価を気にして映画観てどうするんだって話だし、反省しています。
肝心の映画のほうですが、第二幕の折り返しまで、緊密で上質なスリラーをやっていたので唸りました。ホラー演出もしっかりしている。全体に不安定な画角も不安を駆り立てて良かったです。いちばん痺れたのはやはり、地下鉄のホームで電車の車窓越しに主人公(キャシー)とヴィラン(エゼキエル)がお互いを認識するシーンですね。スリラー映画のいちばん良い瞬間ですよ。震えました。
ヴィランが雑魚すぎるのとか、ヴィラン側の女性ハッカーが本筋に絡んで来なかったのはやや肩透かしの感がありましたが、エゼキエルを魅力的に描くこと自体を避ける、という判断な気もします。後者は制作の都合で脚本がカットされたんじゃないかという印象もありますね。
作家(阿部登龍)。第14回創元SF短編賞受賞作「竜と沈黙する銀河」(紙魚の手帖vol.12)、「狼を装う」(同vol.18)。SFとファンタジーと百合とドラゴンとメギド72が好き。
お仕事のご依頼は東京創元社までどうぞ。
通販 http://abe-dragonslay.booth.pm