『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観ました。
龍賀一族、一族の並ぶ広間の奥に墨絵で描かれた龍、湖の中心に浮かぶ島に封印された何か、その咆哮――と続けられたので、「ドク… ドク… ドクン……ッ!」とSEが鳴りましたがべつにドラゴンではなかったです。(ネタバレ)
映画はちょっとヌルいところやフニャフニャしたところ、首を傾げる部分はあったものの、総じて面白く観ました。鑑賞を終えて振り返ってみると、そのヌルさやフニャフニャさも、限られたリソースをきっちり振り分けるべきところに振り分けたゆえ、という感じもしています。
むろんバチバチに決まったのが全編続けばそれに越したことはないわけですが、それが出来ないリソース不足を生み出した原因こそ、この映画がはっきりと指差して糾弾した日本社会の体質でもあるのだから、はからずも鋭い批評となっているのかも、などと思いました。
こんな映画の作り手がのびのびと才能を発揮できない社会の貧しさよ……。
これは単に「読めない」だけでなく、「読むときにストレスがかかる」というレベルの字も存在していて、おそらくほとんどは後者なんですが、それでも読者にとって一定の負担にはなっているのだ、という視点が持てていなかった、という話です。あと間違って知人と書きましたが友人です。マブダチと言っても間違いない。
QT: https://fedibird.com/@abe_dragonslay/111488986371004972 [参照]
作家(阿部登龍)。第14回創元SF短編賞受賞作「竜と沈黙する銀河」(紙魚の手帖vol.12)、「狼を装う」(同vol.18)。SFとファンタジーと百合とドラゴンとメギド72が好き。
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通販 http://abe-dragonslay.booth.pm