SNSの機能や運用に完全性を求めるのは誤りで、本当の問題はSNSの中ではなく、私たちの社会や個々人の心の中にあります。
しかし、SNSが強い影響力を持っている以上、その範囲内において可能な努力が必要で、求めていく必要があります。
様々な場面で同様のことが言えますが、このあたり、バランス感覚が必要です。
たとえばブロック機能が回避可能で不完全であることは事実ですが、実際に効果を発揮するものであることも事実です。
ある機能が、全体に様々な影響を与えるもので、ある人にとって絶対的に必要とされるものであったり、ある人にとっては無用のものであったり、ある立場からは有害な、活動に制約をもたらしたり利益を阻害するものであったりします。
人は、自分の立場から理解し易い、自分の立場を補強する、シンプルな答えを求めるものですが、制度設計というのはそんなに単純なものではありません。
そのことに対する意見も、個人の感想として自由に扱われるケースと、持ち合わせる影響力や働きかけの度合いによって責任を問われるケースがあり、これもまたいずれかに偏っていれば他方には不利益をもたらす、バランスを求められるものです。
Fediverseは、そうした様々な立場からの選択を単一価値観に強制する必要のない環境を提供しています。
X (formerly Twitter)からアカウントの持ち主に無断でコンテンツをコピーし、ほぼ本物と見分けのつかない状態(説明はされているが一見わからない)で、複製アカウントを作成・提供するサービス・サーバがあります。
恐らく一番有名なのはbird.makeupかと思います。
大抵の場合、知人のアカウントを探したり、自分自身を検索した際に発見され、本物の知人かと思ったらニセモノでびっくりしたり、自分のニセモノに驚く形で話題にあがります。
運用元はその行為に意義があると考えてあえてそうしたサービスを行っており、自動化されていますので、法的手段など強制力のある方法で訴え勝利した上で、社会的に排除するぐらいしか対抗手段はないかと思います。
あとは、個々のサーバ管理者の判断で、申し出のあったアカウントを停止したり、サーバごとブロックするぐらいです。
他方、少なくない人々が、様々な情報ソースからコンテンツを無断複製するサービスを利用しているという実態もあります。
ニュース、ゲームや各種サービスの運営などで、Fediverse上に公式のアカウントがない場合に、その無断複製(非公式Bot)などを利用したり自身が提供している場合、bird.makeup等を一方的に非難することは難しいという面があります。
QT: https://fedibird.com/@noellabo/110918426449402787 [参照]
マストドンでTwitterのコピーを投稿するbotみたいなのでフォローフォロワー0なのをたくさんフォローしたけど、これってフォローしても意味ないの?
「露出の多い服を着てたら触られて当然」と言う男がわらわらと湧く日本では、こんなこと絶対無理だろうね。
https://mainichi.jp/articles/20230715/k00/00m/030/142000c
深遠な背景があったとは。
日本男性のずるさ、甘さ、弱さ。そしてそれを組織として隠蔽する会社組織。取材を通してそのありさまを明らかにしつつ、事実を基に、少しずつ現実自体を動かしていくさまに、三浦さんの愛情の深さと、足で歩いて得た真実のパワフルさに胸を打たれ、引き込まれる。
そして、あのツイートは、三浦さん個人の責任で更迭覚悟で行われたものだったということ。記者としての立場よりも人としてコンゴに残された子どもたちの心と人生を大切にすることを選んだその生きる姿勢に、最近私は人間自体に失望していたけど、こんな人もいるんだ、自分もしっかりしなきゃな、と、そんな気持ちにさせられた。こんな風に思うのはおこがましいのだけれど。とても励まされた。
組織の中にありながらぎりぎりまで真実の報道を続けておられる三浦さんの魂のこもった著作。
ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。
三浦英之著『太陽の子』読了。
三浦さんの著書はずっと追っていたのに、失礼ながらこの本の存在を暫く忘れてて。医療人の私はコロナ禍のあれこれに忙殺されていたし三浦さんもTwitterからすこし離れておられたようで。最近の三浦さんの山本美香賞受賞ツイートで思い出してこの夏休みに一気に読んだ。
三浦さんのTwitterに突然寄せられたコンゴでの日本企業の鉱山開発に伴う日本人男性と現地女性との間に生まれた子どもたちとそれに関する疑惑。その真偽を確かめるべく現地入りし、人々との関係を結び、ひとりひとりに丁寧に聴き取りして、真実に近づいていくという本当に密度の濃いルポルタージュ。
……確かにあった。覚えている。南スーダン情勢とか、不穏なツイートの流れの中で、わりと唐突に、コンゴでの日本企業の鉱山開発に赴任していた男性労働者と現地の女性の間に生まれて現地に残されている子どもたちひとりひとりを丁寧に紹介するツイートがあり、私もRTした。あのツイートにこんなにも→
プレゼント記事にしました。明日の21:44まで読んでいただけます。ぜひhttps://digital.asahi.com/articles/ASR875FQBR7PUTIL02H.html?ptoken=01H7QEV5ECP0NVXR74CTEP16TV
猫好き。サッカーと音楽と心理学精神医学あと諸々。大宮サポ。Sigur Rós、スピッツ、ミスチル。
psychiatrist/訳書『愛着と精神療法』ほか。