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三浦英之著『太陽の子』読了。
三浦さんの著書はずっと追っていたのに、失礼ながらこの本の存在を暫く忘れてて。医療人の私はコロナ禍のあれこれに忙殺されていたし三浦さんもTwitterからすこし離れておられたようで。最近の三浦さんの山本美香賞受賞ツイートで思い出してこの夏休みに一気に読んだ。
三浦さんのTwitterに突然寄せられたコンゴでの日本企業の鉱山開発に伴う日本人男性と現地女性との間に生まれた子どもたちとそれに関する疑惑。その真偽を確かめるべく現地入りし、人々との関係を結び、ひとりひとりに丁寧に聴き取りして、真実に近づいていくという本当に密度の濃いルポルタージュ。
……確かにあった。覚えている。南スーダン情勢とか、不穏なツイートの流れの中で、わりと唐突に、コンゴでの日本企業の鉱山開発に赴任していた男性労働者と現地の女性の間に生まれて現地に残されている子どもたちひとりひとりを丁寧に紹介するツイートがあり、私もRTした。あのツイートにこんなにも→

深遠な背景があったとは。
日本男性のずるさ、甘さ、弱さ。そしてそれを組織として隠蔽する会社組織。取材を通してそのありさまを明らかにしつつ、事実を基に、少しずつ現実自体を動かしていくさまに、三浦さんの愛情の深さと、足で歩いて得た真実のパワフルさに胸を打たれ、引き込まれる。
そして、あのツイートは、三浦さん個人の責任で更迭覚悟で行われたものだったということ。記者としての立場よりも人としてコンゴに残された子どもたちの心と人生を大切にすることを選んだその生きる姿勢に、最近私は人間自体に失望していたけど、こんな人もいるんだ、自分もしっかりしなきゃな、と、そんな気持ちにさせられた。こんな風に思うのはおこがましいのだけれど。とても励まされた。
組織の中にありながらぎりぎりまで真実の報道を続けておられる三浦さんの魂のこもった著作。
ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。

太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密

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