「現在の東アジア社会は、ジェンダーに関して、少なくとも2つのグループが見出せる。第1のグループは、現在の女子労働力率は比較的低いが上昇傾向にある社会で、日本、韓国、台湾が含まれる。第2のグループは現在の女子労働力率は高いが下降傾向(主婦化傾向)にある社会で、タイなどの東南アジア社会と中国である」542頁

この図はわかりにくい😅

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「日本以外の東アジア諸国の近代化は、日本よりもさらに圧縮されており、欧米諸国や日本が経験したような『第1の近代』と『第2の近代』の区別なしに、近代をひと続きのものとして経験している。チャン[キョンスプ]がこの状態を『圧縮近代』と呼んだのだとすれば、まがりなりにも2つの異質な近代を意識することのできる日本近代はこれと同じではない。そこで筆者は近年、日本近代を『半圧縮近代』」として概念化することを提案している」538頁

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「中国の場合と同様に、現地のモノグラフは、南インドでの唯一の絶対的な禁止は、父の兄弟の娘である父方平行イトコに関するものであるということを、明らかにしている。姉妹同士の子どもたちの間の婚姻は許容される」317頁

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「家族類型(一時的同居を伴う核家族、父方居住直系家族、父方居住共同体家族)が姿を現わす順序は、諸価値の発明の一つのシークエンスを定義づけるが、そのシークエンスは、西洋政治学の表象とあまり一致しない。出発点は非定義状況であって、そこでは権威と自由、平等と不平等という近代的な概念は、ただ単に当てはまらないというだけの話である。一時的同居を伴う核家族は権威主義的でも自由主義的でもなく、平等主義的でも不平等主義的でもない。直系家族とともに、権威と不平等の概念が現われるが、それはすでに男性性の概念に結びついている。次の段階になると、共同体家族は権威の概念を受け継ぐが、それに平等の概念を付け加えるという革新を新たに施す。そこで平等の概念は不平等の概念にとって代わることになる。平等の概念はこの段階では男性にのみ関わる。…
 これは、平等を最も遠い過去の中に置き、不平等を直近の現在の中に置くルソーのシークエンスとは、正反対である。家族システムの歴史は、不平等の概念が平等の概念の前に発明されたことを示唆している」213-4頁

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「あまりにも単純な家族類型体系に捕われていた当時の私は、モンゴル、カザフ、キルギス、トルクメン、ベドウィン・アラブ、もしくはイラン人集団の父系のクラン的組織編成は、家庭集団の共同体構造に対応するものではない、ということを見抜くことができなかった。というのも、これらの集団の明示的な父系イデオロギーは、一時的父方同居を伴う核家族構造の上に、重なっているのである」133頁

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