「高出生率が幼児の死亡率低下を伴いながら続いたことにより、ヴィクトリア朝の家族をうみ出した。それは伝説によれば大家族であり(もちろんフランスを除く)、事実、何世紀もの間のヨーロッパの家族よりもだいぶ大きかったであろう。しかし増加したのは、人口学的意味における完全家族規模(つまり、ある年齢で結婚した女性がその出産可能期間の終了までに産んだ、死産を含まない子供の数)よりも、むしろ同居家族と呼びうるもの、すなわち1つの家族単位内で両親と同居する子供の数であった。子供があまり死ななくなり、片親の早死によって結婚が中断されることが少なくなり、そしてある地域では出生率もまた増大することによって、子供たちは大勢の兄弟のなかで育っていくようになった。また非常に若いうちに子供たちを奉公に出すという慣習がすたれていったという可能性があり、そういう場合には。同居家族の規模を大きくさせる傾向をもたらすようになっただろう」199-200頁
「動物個体数の検討で、ウイン・エドワーズは個体数の恒常性という考えを用いている。
『個体数密度の利用可能な資源間の好ましい均衡が形成され維持されるには、動物が、体の内部条件を調整し、変化する必要に応ずるべく、それを調整する生理学的体系に多くの点で類似したコントロール体系を進化させることが必要であろう。このような体系は恒常性あるいは自己均衡力があるといわれるものである。』
この概念——負のフィードバックのそれに密接な関連をもっているのであるが——は前工業化時代を考えるにあたっても、ときどき役だつ」125頁