もう50歳にもなると、多くの医師が年下になって来る。別に年下だから、良い医師ではなく、未熟だとは思わない。しかし、何か医療の場合、医師に身を委ねる部分というのも、どこかで大切だと私は思うのだ。ただ単に自分自身の意見や考えを押し通していてだけでは、いけない気がする。そのため、その導入として、同じくらいの歳や年配の医師には、身を委ねる姿勢が私はつくりやすい。やはり、話がしやすいのだ。精神科の場合、診療の場での話し合いは、とても重要なことだと思う。なるべくなら、これから先、同年代の精神科医の診療を受けれれば、良いなあと個人的には思っている。
恥ずかしながら、クラシック音楽を30年以上聴いて来て、初めてマルタ・アルゲリッチのピアノを聴いた。驚きの連続だ。こんなピアニストいるんだと改めて思い知らされた感じである。
デビューリサイタルというアルバムは、私にとって、新鮮というより、ちゃぶ台をひっくり返すような演奏に聞こえた。特にラヴェルの「水の戯れ」は、次から次へときらびやかな音の変化の連続で、何か今まで聴いてきた演奏が生ぬるく感じてしまうほどである。
アルゲリッチを避けていたのは、何か期待してがっかりしたくないのが、根本にあった。クラシック音楽の世界で、私はスターダムに乗っかった演奏家にがっかりすることが割と多いからである。
しかしながら、そんなものとは、全く縁遠い、凄まじい演奏だった。アルゲリッチからは、何か音楽するパッションそのものを感じて仕方がないし、音楽することの人間の原始的な衝動や躍動を体現しているその姿に、私は心躍らせられずにはいられない。
日本の教育では、日本語の文法をきちんと教えないし、基本の文章の書き方の技術を教えない。何だか、技術ではなく、センスの問題にする。他の学科も技術ではなく、センスの問題にするのは、日本の教育のいけないところだ。数学ですら、センスの問題にしていると思う。スポーツだって、センスではなく、科学的な技術の問題が先にあるのに。教育は逸材の発掘現場ではない。
生まれてから、ずっと仙台です。ある意味世間知らずです。インドに2回行っています。1回目は40日間、2回目は20日間さまよい歩きました。自己を解体してます。