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恥ずかしながら、クラシック音楽を30年以上聴いて来て、初めてマルタ・アルゲリッチのピアノを聴いた。驚きの連続だ。こんなピアニストいるんだと改めて思い知らされた感じである。
デビューリサイタルというアルバムは、私にとって、新鮮というより、ちゃぶ台をひっくり返すような演奏に聞こえた。特にラヴェルの「水の戯れ」は、次から次へときらびやかな音の変化の連続で、何か今まで聴いてきた演奏が生ぬるく感じてしまうほどである。
アルゲリッチを避けていたのは、何か期待してがっかりしたくないのが、根本にあった。クラシック音楽の世界で、私はスターダムに乗っかった演奏家にがっかりすることが割と多いからである。
しかしながら、そんなものとは、全く縁遠い、凄まじい演奏だった。アルゲリッチからは、何か音楽するパッションそのものを感じて仕方がないし、音楽することの人間の原始的な衝動や躍動を体現しているその姿に、私は心躍らせられずにはいられない。

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