『ターミネーター』をみた 1984年の第一作 

・大学生で要領の悪いウェイトレスだったサラがたった一晩をカイルと過ごしただけで強い母に変わってしまうというストーリーライン、なんだかプロライフっぽい話だなと思った
・最後に女だけが生き残るというシチュエーションはエイリアンを思い出す と思ったらキャメロンはエイリアン3撮ってましたね
・アイルビーバックというセリフが出てからのスピード感が予想の三倍くらい早くて笑う

『X』を見た 2011年、タイ・ウェスト監督 

・ミア・ゴスがマキシーンとパールの両方を演じているので二人は似た存在だと示しているのはわかる ただそれの意味するところがよくわかっていない
・ドラッグをやりながら自己暗示をかけてポルノ映画の撮影をするマキシーンはどう見ても破綻しており、逃げ出したはずなのにいずれパールに追い付かれるのか
・これは芸術なんだとポルノ映画の撮影をしていたRJが、ロレインが女優として映画に出たいと言い始めた後の流れはいかにもという感じで良かったです

『ドラゴン・タトゥーの女(2011)』を見た ※性暴力の話があります 

・職業がスパイからジャーナリストに変わったくらいで、ダニエル・クレイグのやっていることがボンドとほぼ変わらないじゃないかと思った(女にモテて男に拷問される)
・性暴力に対してあれだけの苛烈さで対抗するリスベットがミカエルにころっと惚れてしまうのはちょっと都合が良すぎないかと思う 原作小説だとどうだったんだろう
・リスベットがレイプされるシーンは今ならポルノ的な消費をされうる撮り方だって批判をされるなと思った ボンドガールを脱がさなかったカジノロワイヤルより後の映画なんですけどね

『羊たちの沈黙』をみた 

・終盤に近づくにつれて明らかになる犯人の正体意図が現代の観点から考えると結構ありえない設定で、急速に陳腐化しちゃった話だ 異性装とトランスジェンダーと同性愛をごちゃまぜにしているし、その適当さでプロファイリングされてもこじつけとしか思えない(見てから『トランスジェンダーとハリウッド』で取り上げられていたのを思い出した)
・クラリスがFBIの訓練生の中でも一際小柄で弱々しいように見られてしまうというのを視覚的に示したエレベーターのシーンは面白いと思ったけど、周囲の人間に舐められ軽んじられるばかりでうんざりする セクハラの絶妙に嫌な感じはバリエーションが揃っている

『異人たち』の話 

・ある意味最後は開かれた終わり方で、アダムがどうなったのかはわからないわけだが、80年代を生きたクィアが若い世代の苦しみに寄り添うというのは、苦しみの中にも暖かさのある終わり方だったと思う
・なのでとってつけたような感じだったケイがハリーに翻案されたのはうまいですね
・再会した両親に対してアダムがカムアウトをしたというのは、言っても言わなくても辛いんだということで、すごく切なる話だ
・撮影がとてもよく、あのマンションのロケーションも(合成らしいけど)とてもよく、このくらいの予算感で『エゴイスト』もやって欲しかったなーとちょっと思った 『エゴイスト』を思い出したのはどちらも家族の話だからだと思う

『異人たちとの夏』とか『異人たち』の話 

・大林版→ヘイ版→原作小説 の順に見たり読んだり
・原作と大林版は浅草が舞台という要素が強くて、開発で失われつつある故郷と両親の記憶を重ねて、忘却に抗う話なのではないか
・これがお盆の話なんだというのは町山智浩の映画評で気付いた そりゃ夏に死者が帰ってくるんだからお盆の幽霊譚だ そういう日本的な要素は『異人たち』では捨象されていた
・大林版は最後とってつけたようなホラーで終わるなあと思ってたけど小説も同じような感じ 小説の方が多少ケイのバックグラウンドに言及があるのでまし……なのか?(ところでケイがそもそもクィアっぽいというのはそういう読みもできなくもないなと思う)
・最初にケイ/ハリーが訪れるところでは彼らはまだ生きていたというのは、大林版だとそんな印象を与える程度だったけどヘイ版だと割とはっきり言及があってそうだよねと腹落ち
・日本版としては浅草という舞台が大事な話なんだけど、翻案されてそういう固有性はなくなったかしら……と思いきや、両親の家はかつて監督が子供時代に住んだ家でロケをしたとのことで、文化的な文脈がわかる人が見ればより深い意味を汲み取れそう

ガンダム劇場版三部作みた 

・ウォッチパーティーで見た
・ガルマが死ぬ時は早くない!?と驚いたしララァが登場して死んだ時も早くない!?なんだったの!?となった
・ララァのシャアへの盲信を見て、地球へ…のトォニィとジョミーを思い出したのだった それもESPが覚醒した新人類対旧人類みたいな話だったので当時の流行りだったんだろうな…… スターレッドも似たような話だった
・結局シャアがザビ家をほぼ全員抹殺することで本懐を遂げるという……敵役が勝って終わり!でいいのか? まあアムロに強い目標は特にないしな……と思っていた
・なんだかんだで、劇場版Iのかろうじて脱出したけど政治的空隙に置かれてしまったせいでホワイトベースに救援が来ない、自力でジャブローに向かわなければならない というあたりが個人的には一番おもしろかったかもしれない

『マダム・ウェブ』みた 

・なんか爪の甘いところもあるし(あの状況でメキシコ往復できるのか?)最後は力技だが、キャシーが三人の子供を助ける流れとかはよくできてるな〜と思ったしいいところもあったなあという印象
・ネグレクトで大人(親)を信用できない3人が、ダイナーに突っ込んでまで救いに来たことでキャシーを信用するくだりとか好きですね
・鈍いのでベンおじさんか〜ベン……ベンおじさんじゃん!?と気づいた だから無事産まれた赤ちゃんはピーター・パーカーだね
・なおミステリーサスペンスではないと思う

『ようこそ映画音響の世界へ』みた 

・ジョン・ラセター(元ピクサーのトップ、セクハラのため解雇)出てきた時びっくりして、今改めて調べたけどディズニー解雇が2017年でこのドキュメンタリーが2019年公開だったのでもっとやりようあったんじゃないと思ってしまった
・歴史から解き起こしていくのだが、映画自体は元々トーキーから始まったから音響の地位が低くて……というのは言われてみるとそれはそうなんだよな
・ドルビーアトモスなど音響へのこだわりがあゆシアターが今では珍しくないけど、割と時代が下るまでステレオですらなかったのは驚いた
・バーブラ・ストライサンドのスター誕生も見ないとね(ジュディ・ガーランドとレディ・ガガのは見たのよ)

『ボーはおそれている』をみた 言語化に苦慮してる 

・色々比喩で考えるべきとは思いつつも、巨大ペニスはマジでなんだったんだ?という感想が強い まじなんだったんだ
・不条理コメディだけど所々撮り方がホラーだったし、正体がわからないものには襲われないけど ホラーだなあ…と思っていた
・ユダヤ教とかと絡めて論じてる映画評とかもちらほら見聞きしたが、「ユダヤ人のロードオブザリング」という発言に惑わされすぎていて、多分そこまで宗教的に厳格な家庭ではないしちょっと的外れでは?と思うものも多い
・でも当たり前にキリスト教徒ですよねと見なされる社会にあって、ユダヤ教徒として正しく振る舞おうとすることのジレンマとかはあったのかなと思う

YouTubeで『八つ墓村』(野村芳太郎版)をみた 15日まで無料 

・金田一(渥美清)が謎解きしている最中に当の辰弥が犯人に追いかけられて殺されそうになっているのは笑ってしまった
・オチの付け方はかなり強引だし、細かいことを気にし始めるとキリがない 双子の老婆はすごいメイクしていたけど、オチから考えるとすごく顔色が悪くて怪しげなだけのただの被害者になるし
・前半は割と求めていたものを見られた気がするのでよかった でも犬神家の方が色々とよくできていたような気はします

『哀れなるものたち』を見た 

・将軍に入れる脳みそをなぜヤギのものにしたのかをぼんやり歩きながら考えていたが、序盤の大学での講義でそういえば動物と人間の違いは?みたいな話をしていたよな…? 最近映画館に行っても集中するまでに時間がかかるのであまりよくない傾向
・リスボンに来たベラの奇矯な装い/ふるまいに対して、その場に居合わせた他人があまり反応をしない(エッグタルトの食べ過ぎでもどすところくらい?)のを意外に思ったが、まあ注視するのも失礼に当たるし私も似たようなふるまいはするだろうなと思った
・ハルクのせいか善人のイメージが強いマーク・ラファロが、自由人と見せかけて最後まで規範意識にとらわれたままな男をやっていましたがよかったですね

『コット、はじまりの夏』をみた 

・せっかくのアイルランド語映画なのに、英語が出てくるところが字幕でわかるようにはなっておらず、そこはちょっと不親切では……と思った ショーンに音読を教わるシーンでコットが学校ですらすら読めなかったのは英語ができない(家で勉強しにくい、またはフォローしてもらえていない)からだとようやく気付いたし 最初読字障害か何かかと
・あとラジオも英語でしたね
・コットがあれやこれやをご近所さんから吹き込まれた後、ショーンがアイリンについて人の長所を見すぎるというようなことをいったと思うのだが、言い回しがいいなあと思った
・ネグレクトの問題、女性の自己決定の重要性とか思うところはあるが、オチはもう少しはっきり付けた方が個人的には好み

『枯れ葉』をみた 

・ポスターのあおり「愛を、信じる」がぴったりなんだけどぴったりなのでほぼネタバレとなっておりオチが予測できてしまうため、ある意味安心して見られてしまう
・電話番号を書いた紙は無くすし、スマートフォンも出てこないが(そうだよね?)、ウクライナ情勢とか『デッドドントダイ』のおかげで現代の話だと示される
・フィンランドで聞くロシアによるウクライナ侵攻のニュース、戦地からの距離が近いというのもあるし、かつてロシア領になったこともある国なので、明日は我が身の憂鬱さが一層強いんだろうな
・ロッカールームのシーン、扉の色と衣装の色のコントラストがよかったなーと 日本版ポスターも好きですよ

『葬送のカーネーション』みた 

・道中出会うトルコ人たちは誰も彼もおしゃべりでシリア難民の祖父と孫の口数が少ないのは対照的 トルコへ辿り着くまでにあまりにも色々なことがあり過ぎて、語ることに疲れてしまったかのよう
・主人公である祖父と孫には極力語らせずに、道中出会う人と荒涼とした景色でストーリーを進めていくのは良かったです、ただ前情報知らないとちょっとわかりにくい。Twitterにも書いたけど、公式HPはトルコ料理とかエルトゥールル号の記事を載せるくらいならシリア情勢に触れるべき
・ポスターのあおりだと孫娘をアイキャッチにして、さも彼女が祖母を故郷に埋葬させようとしているみたいな感じになってますが全然内容が違う 宣伝は何考えてるのか
・あと原題のkaranfilはまず先にクローブ(丁子)があって、その後に半分こじつけで造花のカーネーションを出しているんだから邦題はダメだと思う
・時期はいつ頃を想定しているんだろうか
・オチの結婚式は祖父の夢想なんだろうが割と結末をぶん投げたな と思うのは昔見た『遥かなるクルディスタン』に同じ

どうでもよくなるとか言ったけどやはり 神と共にをみた 

・一章はジャホンが15年家に帰っていなかったのがわかる中盤くらいからおもしろくなる。二章の過去話で成人後のカンニムの弟の顔を映さないあたりでヘウォンメクを養子にとったのか〜というのは察しがついてしまうが、種明かしを終盤まで引っ張り続けるので盛り上がるべきところをちょっと白けた気持ちで見守る でもハジョンウは上手いね
・海外養子縁組の話とも絡めてヘウォンメクの出自はもう少し政治的な話として盛り上げられたのでは?とも思う

スコット・ピルグリム(映画とアニメ) 

・Not so long ago(すこし前)の話なので絵柄含め色々なものがちょっと懐かしくてかわいい あの頻度で染め替えてたら髪の毛死ぬけどラモーナの頭の色いつもかわいいよな、繰り返し出てくる染めるシーンも好き
・映画の彼女を手に入れるために元カレと戦って勝つ必要があるという展開、ラモーナをトロフィーワイフにしかねないわけだが、最後自尊心で戦わないと勝てないんだとすることで、元カレに勝たないといけないんだという考えを否定しつつ、実際もしモラハラDV男に引きずられそうになっている恋人を守らなくてはいけなくなったら自我が相当しっかりしていないとダメというのはそれはその通り
・アニメ、1話はほぼ映画を踏襲して2話からがっつり違う展開になったのはファンサービスしつつも意表を突く出来だし、ラモーナの話をしたのはよかったな〜と思ってる ナイブスがバンドをやる方に目覚めていったのもイイナ〜と

フィルメックスで『クリティカル・ゾーン』をみた 

・麻薬の売人の1日を通じてイランの暗部を描くみたいなコンセプトなんでしょうけどうーーーーんという感じ
・寓話を使ってメッセージを表現するのはイラン映画ならマフマルバフが圧倒的に上手いと思ってるんだけど(『カンダハール』の落下傘に括り付けられた義足を手に入れようと松葉杖の人々が走るシーン、『大統領と小さな孫』の孫が望むままに首都の電気を電話一つで消したり付けたりコントロールするシーンなど)、あくまで映画の中の一つのエピソードとして出してくるのに対して、こちらは夜のテヘランというずっと同じシチュエーションで飽きる スマホのナビアプリも前方から危険が迫ってますとか教えてくれるのだがそんな予知的なことナビアプリにはできないでしょと思ってしまった
・最後の薬物中毒の青年を麻薬で治そうとするところ、主人公も麻薬の作用でおそらく朦朧としており飼い犬と全く同じような扱いを青年に対してやっているのはわかるが、その意図を掴みかねている
・恐らくコカインをやった後に、前方から襲ってきた幻覚の敵と擬似カーチェイスをやるところは多少面白かった

ゲゲゲの謎 文句しか言っていない 

・開始5秒であっこれテレビアニメの延長系映画だと音響で思ってしまい来たことを後悔
・子供向けなのか大人向けなのかもう少しどちらかに振り切ってほしい なんか適当に血がたくさん吹き出してるし真相はとりあえず近親相姦と性暴力で……みたいなのは展開として陳腐すぎる 孝三の書斎で康子と会った後に小夜が水木を追いかけてきたところでオチが読めてしまい、その後も特に驚きがない
・映画なんだから画のつくりで圧倒させるみたいなところがほしい 禁足地とか廃村なのに藪漕ぎせずに進めてしまうのは予算の節約かもしれないけど蛍の舞う墓地から村を見下ろすショット(?)とか、加工で色のコントラストをバキバキにした写真みたいな感じで見ていて楽しいところがない
・水木の造形も軽薄さと誠実さのバランスがいまいちだな〜とずっと思っていた
・外から来た男を頼って上京しようとする話ってエビータ(マドンナ主演のやつ)でもあったが小夜ももっと打算的にしてもいい気がするけどそうしないのは観客の好意を得られないからとかなんかね

北野武の首をみた 

・日本版かつ男版女王陛下のお気に入りみたいなところもある、権力争いと男性同性愛の話
・弥助は出番こそ少ないけど、きちんと立ち位置、心情がわかるようになっており良い 信長は最後まで信長で加瀬亮がうまい
・こいつ殺してやろうかを二回もやっているのに最後村重を箱に入れて転がすだけなのは愛ですね 生意気でイラッとくるところもあるがかわいいんだな〜〜と
・光秀→信長 の厄介な感情はもう少し見たかった気もする
・冒頭で死体を蟹が這っているのは良かったです とにかく老若男女の死体を繰り返し映す
・座頭市の時も思ったけど、人体を切る時の手応えみたいなものがあんまり上手いとは感じられず(骨と肉の差があんまりないというか)、暴力描写はアウトレイジの方が断然良い気がしてる
・やりたいことはわかるしおもしろいけどもっと洗練されたもの撮れるし撮って欲しいなあという気持ち

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