「『蒲団』が出版されたのは、1907年(明治40年)、キプリングがノーベル文学賞を受賞した年だ。彼の『少年キム』で使われた「グレート・ゲーム」という言葉は、その後、南下するロシアとそれを阻止しようとする大英帝国の間の攻防を表す歴史用語として定着した。そんな頃、日本では、女弟子の使っていた夜着の匂いを嗅いで性慾と悲哀と絶望を募らせる作品が文壇を賑わせていた」。
https://note.com/yoshilog/n/n1d8ca0ed0289
ハン・ガン氏のノーベル賞受賞講演を一語一句熟読しながら、ふと思った。日本人作家は二度と受賞しないだろうと。彼女の極めて詩的なミクロを見つめる語りには、世界性が静かに佇んでいた。
日本という『蒲団』的に退行する社会が世界性を持つことはもう想像できない。
https://note.com/yoshilog/n/n9b563f57449b
講演では、ハン・ガン氏は彼女の作品の構想の過程が、彼女自身の私的現実と彼女の国の歴史的現実への問いであることを彼女は語っていた。そして、もう一つ、今2024年12月という現在の世界的現実が暗喩として語られている、と僕は強く感じた。
https://note.com/yoshilog/n/n9b563f57449b
「アサドの退陣を望んでいたシリア人が大勢いたのは明らかだし、アサドと戦うために米帝とは無関係な独自の理由を持っていた人たちも大勢いたのも明らかだ。この明白な事実と、2011年の暴力が始まった当初から、アメリカの中央集権的な権力構造がシリアに深く入り込んでおり、その関与が今日のような事態を招いたという、十分に文書化された現実との間に矛盾はない」。
https://note.com/yoshilog/n/nbc705bca244b
中東が破壊されている。貴重な古代遺跡群の破壊を思うと無性に腹が立つ。しかし、彼らが破壊しているのは、それ以上に人類の歴史だ。矮小過ぎる比較だが、日本という小さな世界で、下衆が日本の遺産を破壊してショッピング・モールを建てるのと同じ愚かなことを、巨大な規模で人類の文明と歴史を粉々にしてやろうとしている。アメリカとイスラエルは狂気が支配している。誇張ではない。
それがいずれ日本にもやって来る。東アジアの文明と歴史の破壊は順番待ちだ。台湾有事や北朝鮮の脅威などというアメリカ産の懲りない偽善と自己正当化に満ちたレトリックを鵜呑みにする海の外が見えない日本人が大量にスタンバイしている。彼らは、アメリカ次第で悪者役に抜擢される者がころころと変わることを散々見せつけられてまだ学ばない。
東アジアをアメリカの侵略から守る方法は、東アジア全体が共存の道を選ぶ以外にあり得ない。他のどのシナリオも東アジアの国どうしが軍鶏(シャモ)のようにアメリカにけしかけられて殺し合い、破壊し合うことになる。アメリカに対する共同防衛が出来なければ、日本文化も朝鮮文化も中国数千年の文明も消滅し、瓦礫の後には、欧米の巨大市場と資源と奴隷の巨大な供給基地が出来るだけだ。イラク、ガザ、レバノン、シリアの崩壊を見て日本は学ぶことが出来るのか?
「この明白な事実と、2011年の暴力が始まった当初から、アメリカの中央集権的な権力構造がシリアに深く入り込んでおり、その関与が今日のような事態を招いたという、十分に文書化された現実との間に矛盾はない」。
https://note.com/yoshilog/n/nbc705bca244b
シリアの状況を見る際に最も重要なことは、アサド政権の独裁やそれに対する民主化運動は、アメリカやイスラエルがシリアを爆撃し、破壊し、人々を殺し、政権を転覆することの正当化には一切ならないということだ。それらは単に後付けのコスメティックに過ぎない。
https://note.com/yoshilog/n/n5cf32e6d142c
また同じことが繰り返されている。いや、シリアのことを言ってるのではない。日本語メディアにまるめこまれる人たちのことだ。2022年のウクライナ時とまったく同じだ。ロシア憎しで一斉に噴き上げ、今またシリアを巡って噴き上げる。
https://note.com/yoshilog/n/nef078f241a87
「大手保険企業のCEOが、覆面をした襲撃者によって射殺された。この出来事は、米国の虐待的な医療制度や、それを利用して巨万の富を築くソシオパス的な利益追求者たちのもとで苦しんできた多くのアメリカ人にとって、ある種の喜びをもたらした」。
https://note.com/yoshilog/n/nb03b8f7233f2
作家のハン・ガン氏がノーベル賞受賞のため滞在中にスウェーデンで記者歓談会を開き、今回の戒厳令について語ったんだけど、今回はすべてをライブで見ることができたことが過去の同じような状況と大きく違ったと言っていた、戒厳令が解除された後に国会議事堂から立ち去る隊員たちに、市民が息子にするように「気をつけてお帰り」と声をかけるところも見ることができたと言っていて、印象深かった。今回、市民に銃を向けなかった軍人たちに対し、「制服を着た市民」と呼ぶのをよく聞いた。光州の518のときに軍人として市民に手をかけた人たちもまた後々トラウマに苦しんだことを、市民は社会の経験として記憶しているからそう思えるんだろうね。
韓国の戒厳令事件を拾って、今YouTubeのあちこちの日本語チャンネルでバカさかげんが炸裂してるよ。「テロリストが攻めてきたらどうするんだ?➡︎緊急事態条項が要る」というストーリーラインを死守する契約って儲かるんだろうな。
戒厳令や緊急事態条項と呼ばれるものの本質は国家緊急権だよ。つまり憲法停止。
国家というものは、憲法停止などしなくても緊急事態に対処出来るように法整備をする。日本でさえ、色々と整備している(挿絵↓)。
能登災害に典型的に現れたように、日本政府の無能さのせいで、宝の持ち腐れになってしまうのは政治の問題であり、制度の問題ではない。
欧米の国がテロリストにやられたからと言って、いちいち憲法を停止するか?そういう事態を想定して対処する法制度を起動させるだけだろ。
今持ってるものもろくに使えず、もっといいおもちゃが欲しいとねだるガキのような論客、学者、政治家、インフルエンサー、テレビ司会者、お笑いタレントに溢れかえる日本のYouTube。この国は終わってもしょうがない。
全部いっしょくたになって第三次世界大戦に収斂していく途中のようなので、全部一つの弁当箱に詰めました。
https://digital-humanities.space/live-72-2024-in-a-lunchbox/
はてなブログに投稿しました
「これはジェノサイドである」――アモス・ゴールドバーグ教授(ヘブライ大学)のご発言に、日本語字幕をつけました。 #ガザ市民のための声翻訳 #ガザ #Gaza - Hoarding Examples (英語例文等集積所) https://hoarding-examples.hatenablog.jp/entry/2024/12/05/%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%AF%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%8D%E2%80%95%E2%80%95%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B4
イスラエルの名門大学のユダヤ史学科の教授が、レムキンを参照しつつ、2023年10月7日のハマスの攻撃を「戦争犯罪で人道に反する罪」と位置付けつつ、それを受けて行われているイスラエルによるガザ攻撃を「ジェノサイド」と断定しています。
私の字幕はへたくそで読みにくいかもしれませんが、多くの方の目に触れますよう。
韓国も日本と似た状況だ。韓国と日本が手を組んでアメリカを追い出せばいいんだよ。北朝鮮との疑心暗鬼の関係も氷解する。中国の東アジア親米勢力に対する猜疑も無駄になって、アメリカの存在一つでいがみ合いをさせられてる東アジアの環境が一気に改善する。武器持って睨み合うほど稚拙な外交はない。
日米英の教育機関で放蕩した。P2からD1まで国連で26年働いた。仕事のほとんどは戦場だった。難民保護、人道支援、平和維持活動、対テロ対策、平和安全保障センター長、ブロックチェーン顧問などの仕事を経て、 2019年国連を退職した。大阪大学大学院招聘教授。著書『カブールノート』幻冬舎2001年。
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