中東が破壊されている。貴重な古代遺跡群の破壊を思うと無性に腹が立つ。しかし、彼らが破壊しているのは、それ以上に人類の歴史だ。矮小過ぎる比較だが、日本という小さな世界で、下衆が日本の遺産を破壊してショッピング・モールを建てるのと同じ愚かなことを、巨大な規模で人類の文明と歴史を粉々にしてやろうとしている。アメリカとイスラエルは狂気が支配している。誇張ではない。
それがいずれ日本にもやって来る。東アジアの文明と歴史の破壊は順番待ちだ。台湾有事や北朝鮮の脅威などというアメリカ産の懲りない偽善と自己正当化に満ちたレトリックを鵜呑みにする海の外が見えない日本人が大量にスタンバイしている。彼らは、アメリカ次第で悪者役に抜擢される者がころころと変わることを散々見せつけられてまだ学ばない。
東アジアをアメリカの侵略から守る方法は、東アジア全体が共存の道を選ぶ以外にあり得ない。他のどのシナリオも東アジアの国どうしが軍鶏(シャモ)のようにアメリカにけしかけられて殺し合い、破壊し合うことになる。アメリカに対する共同防衛が出来なければ、日本文化も朝鮮文化も中国数千年の文明も消滅し、瓦礫の後には、欧米の巨大市場と資源と奴隷の巨大な供給基地が出来るだけだ。イラク、ガザ、レバノン、シリアの崩壊を見て日本は学ぶことが出来るのか?