パルコはいかに時代を表現してきたのか。「『パルコを広告する』1969 - 2023 PARCO 広告展」で振り返る伝統と流行 https://bijutsutecho.com/magazine/news/promotion/28096
開催中〜12.4、渋谷PARCO。30年ほど前、当方が大学生だったころ、教養科目の社会学では日本社会の消費社会化を取り上げる際には1970年代以降におけるPARCOのCM戦略の変容が必ず取り上げられていたもの──そこでは(マクルーハンとかを参照しつつ)何かを売るための広告からイメージを売るための広告へという流れが強調される──ですが、しかしその当のCM自体(実店舗自体は心斎橋と大津にあったものの)関西ではほぼ見ないから、社会学ってエラい狭い東京中心主義でやっているんだなぁと思ったもので ともあれ、広告業界にあの時代のような全能感がなくなってひさしい現在から回顧したら、むしろ異様さが際立ちそうではあり
坂本龍一の大規模個展が東京都現代美術館で - 新作や代表作など、大型インスタレーションを包括的に紹介 https://www.fashion-press.net/news/112102
2024.12.21〜2025.3.30。現在開催中のAMBIENT KYOTOやこのあと予定されているICCでの個展など、没後も各所での展覧会が続いている坂本龍一(1952〜2023)ですが、生前の本人監修による新作が出るのは、時期的にこのあたりまででしょうか。「生前の本人が監修していた」という真正性をまとった作品が出尽くす(?)2026年以後、こういったサウンドスケープ&インスタレーション作品がどう遇されることになるのかは、やはり気になるところではあり
Fediverse Advent Calendar 2023ですが、もうそろそろ開始になります(12月1日からです!)
現在、3つのカレンダーが埋まって、4つ目のカレンダーで募集中です。
https://adventar.org/calendars/8812
枠が足りなくなったら足しますので、遠慮無くご参加ください。
12月1日から毎日、各カレンダーから1人ずつなので、だいたい4つの記事が順次公開されていきます。
お時間のある方は、カレンダーを辿って記事を読んでみて下さい。
感想をFediverseに投稿すると書いた人も嬉しいですし、みなで盛り上がれるかと思います!
#FediverseAdventCalendar
「アートサイト名古屋城 2023 想像の復元」が11月29日〜12月10日に開催! 4組の現代アーティストによって、名古屋城がアートサイトに変わる https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/art-site-nagoyacastle-news-202311
出展作家(敬称略):玉山拓郎、GROUP、寺内曜子、丸山のどか、山城大督。
名古屋城の築城にまつわる歴史や近世城郭御殿の最高傑作といわれている「本丸御殿」を10年かけて復元した軌跡、日本随一の規模を誇る回遊式大名庭園である「名勝二之丸庭園」の復元に要した調査研究などの「復元」がテーマだ。復元行為にインスピレーションを受けた4組のアーティストによる、屋外アート作品や参加型の作品が名古屋城をアートサイトへと変容させていく。(強調原文)とのことですが、名古屋城に関しては、──現在のを解体して木造に「復元」する計画が数年前から言われている──天守閣をめぐるゴタゴタの方が、よっぽど「復元」という行為をめぐる実践や思考にインスピレーションを与えまくってて
【街のアート】大阪空港駅にヤノベケンジさんの《生命の旅》が大型ステンドグラスで来年3月に登場 https://artexhibition.jp/topics/news/20231121-AEJ1709734/
ついでにステンドグラスの前に例の大阪府コレクションを置きまくって(ry
【画家・山本容子さん】私を魅了する京都人。京都市立芸術大学の学長・赤松玉女さんを訪ねて https://kunel-salon.com/goout/150942/
記事についてはさておき、先日まで東京都現代美術館で開催されていたデイヴィッド・ホックニー展について、どこのメディアも山本女史のコメントを取らなかったのは、普通に怠慢ではないのか まぁ近年の大作絵画を見せたかったからということなんでしょうけど、ホックニー(もその一翼を担っていたブリティッシュポップ)を日本の現代アートとリンクさせる上で彼女(と大竹伸朗氏)の存在は重要ですから。山本容子が知っているのはネスカフェ ゴールドブレンドだけでは、決してない
ではどのあたりが達意なのか。今回、上出氏の作品は車輪がついた急須と、自身がデザインした犬のキャラをモティーフとした陶板が出ていましたが、特に重要なのは後者の陶板である。この犬は2018年1月11日 わんわんわんの日に上出氏の夢の中に出てきたそうで、それを速攻で描いてキャラ化したところ、氏の思惑以上の反響を得て様々に商品展開されて現在に至るという。
一方、笹川女史の作品は廃材を寄せ集めて作った犬のオブジェや、石鹸の空き箱にカメラやアンテナを取り付けたり、置き物に電化製品の部品をくっつけて作られた謎オブジェ群が出ていました。くしくも(くしくも?)両氏とも犬をモティーフとした作品が出ていたわけですが、それ以上に、「夢」をめぐって真逆の表現となっていることにも注目すべきでしょう──ざっくり言うと、上出氏においては夢が表現されているのに対して、笹川女史においては悪夢が表現されているわけですが、それは「家/home」をめぐっても真逆になっていることは、言うまでもない。そのことを、作品を並べるだけで雄弁に示しているところに、稲葉氏の達意が見出される
Yoshimi Artsで開催中(〜11.26)の「Insight 30 “家の中で/at home”」展。所属/取扱作家による常設展+小企画展といった趣のもと、(企画展の合間に)開催されているInsight、今回は“家の中で/at home”というタイトルで、レイチェル・アダムス、上出惠悟、笹川治子、寺林武洋、西山美なコ各氏の作品が出展されています。室内にあるものをモティーフとしていたり、「家」「home」が持つ多義的なありようを喩の位相において俎上に乗せたりした作品が出ていましたが、個人的にはかかる主題のもと、笹川女史と上出氏の作品が改めて並べられていたのが非常に印象的でした。Insightでは、ギャラリストの稲葉征夫氏による(一般的な常設展を逸脱した)批評的な達意も見どころのひとつになっていますが、今回もそれがよく出ていました。
“ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形 https://www.fashion-press.net/news/111886
2024.1.6〜3.10。「現代美術の動向」展、走泥社展、「京都画壇の青春」展と開催されてきた京都国立近代美術館60周年企画ですが、その最後を飾るのは小林正和(1944〜2004)の回顧展。伝統的な染色やテキスタイルが「ファイバーアート」という新たな装いを得て現代美術に参入した時期の第一人者である小林の作品を中心に、ほかに17名のファイバーアーティストの作品も交えて展示するとのこと。当方、小林はもちろん、この時期のファイバーアート全般について全く疎いので、これは純粋に勉強させていただきます
他にもライヴで見た演者などの動きから想を得た抽象画を描いた寺田女史も、(前回に続いて)近代文学を独特な形で咀嚼してみせた作品を何点か出展していた川村女史も悪くない。ちなみに右画像の川村女史の作品は《美しい「花」がある。「花」の美しさという様なものはない》だそうで、こ、小林秀雄!? となったのでした。言うまでもなく、このタイトルは小林が1942年に書いた「当麻」の一節から取っており、ここだけ超有名だったりするのですが、能楽の大成者である世阿弥を論じつつ、彼の能の根幹にある〈花〉という美意識のありようを近代の美学と対峙させるという小林の目論見を、かかる形で絵画の上で再演しようという試みは、たった一枚で済ませるにはあまりにも遠大過ぎるきらいはある(できたら連作で見てみたい)ものの、よりによってそれをテクストに選ぶか〜、と瞠目しきり。
KEN FINE ARTで開催中(〜11.25)の「Chapter 5 “The Hoizon is…”」展。いずれも1990年代生まれで京都(造形)芸術大学出身の川村摩那、寺田千尋、谷野真吾の三氏によるグループ展。当方、川村女史の作品にはこのKEN FINE ARTで一度接したことがありますが、寺田女史と谷野氏についてはまったく初めてでして(爆)。
そんな中、個人的になかなか食指が動いたのは谷野氏の作品。モティーフを瞥見する限りでは広義の静物画といった趣ですが、全体的には省筆化されつつもしかし決して手抜きではない形でストロークや色面が構成されており、これはなかなかセンスあるなぁと唸ることしきり。絵画という営みが、二次元の画面上に三次元空間を現出させようとする逆説的な試みであることは既に散々語られているのですが、氏の場合、ミニマル/ミニマリズムを横目に見つつも、そこに違った角度からアプローチをかけているわけで、無論今後に期待する要素も多いのですが、さらに真摯に功徳を積んだら大化けしそう。
角川武蔵野ミュージアムコレクション展 髙山辰雄―15㎝×15㎝の宇宙― https://kadcul.com/event/167
2023.12.2〜2024.4.8、角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)
髙山辰雄(1912〜2007)といいますと、生前は戦後日本画界隈における五山のひとりとして存在感を発揮していましたが、ほかの四山と較べると近年はあんまり批判も称賛もされない──ことに今年に入ってから平山郁夫や東山魁夷、加山又造が展覧会やらなんやらで取り上げられることがあっただけに、端的に忘却の淵に立たされつつあるように見えてしまうわけですが、そんな現況に対する抵抗になるんでしょうか。目玉は長く表紙絵を担当していた月刊文春もとい文藝春秋の表紙絵の原画の全点一挙公開でしょうか
(月刊文春の表紙絵、現在は(村上隆氏の弟の)村上裕二氏が担当してますが、杉山寧→髙山辰雄と日展所属のが担当してきたのに今は院展のベテランが担当しているわけで、水面下でバトルとかありそう? )
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪