日本と韓国における陶芸文化の発展と継承の過程を紐解くドキュメンタリー 映画『ちゃわんやのはなし―四百年の旅人―』 https://otocoto.jp/news/chawanya0411/
5月18日の東京を皮切りに、大阪では6月15日から第七藝術劇場にて上映開始とのこと( https://www.sumomo-inc.com/chawanya )。薩摩焼の十五世沈壽官と司馬遼太郎の交流とのエピソードはそれなりに知られていますが、その二人に限らない日韓間の歴史にまで視野を広げてドキュメントされているようで、これはちょっと気になりますね。
ナレーションは、俳優の小林薫が務めるそれって「新」がつかない、エプソン一社提供だった頃の『美の巨人たち』ですやん。最高かよ
2024年 第1回企画展のご案内 開館30周年 没後20年 加山又造三味 ―静寂・妖艶・華麗ー
https://www.komagata-museum.com/344-2
開催中〜2024.6.16、駒形十吉記念美術館(新潟県長岡市)。同美術館が所蔵する加山又造(1927〜2004)作品が中心のようですが、これ今の京都市京セラ美術館で開催されて──現代美術家となる以前に加山門下の異端系日本画家としてデビューしていた──村上隆氏の個展と両の目で見られる機会が作られてほしかった←←
現在開催中の村上隆「もののけ 京都」展については、そのうち有識者がいろいろな角度から論ずるでしょうから──今のところ管見の限りでは、今月号のアートコレクターズ誌に樋口ヒロユキ(美術評論家、SUNABAギャラリー社長)氏によるレビューが載っているくらいでしょうか──様子見モードですが、良くも悪くも大きな影響を受けたと公言している加山の生地でもある京都での個展であるという事実は、村上氏と日本画とりわけ戦後の(加山もそのひとりである)「五山」との関係から氏の仕事を見直すことを要請しているかもしれません。今や村上氏の代名詞ともなっている〈スーパーフラット〉は、(当人がいかに違うと強弁していても)上記のようなローカルなvs日本画壇という文脈にも深く規定された場から出てきた概念であり、そしてかかる文脈から見たとき、加山は村上氏について論ずる際のキーパーソンになるであろう──などと言ってみる
アニメ スナックバス江 https://www.youtube.com/watch?si=iscYJBLlLaKkboln&v=Gb4xzSX71Lo&feature=youtu.be
『スナックバス江』、前クールで放送されていたらしいTVアニメの出来に思うところあったのか、原作者が自分で技使ってアニメを作ってしまったそうで 昨今の原作者vs出版社&編集者&テレビ局&プロデューサー&脚本家&芸能人&芸能人のファンetcetc……、という風潮の中でのこれはインパクトが大きいですが、いくら著作人格権があるとはいえ、原作者の権限って本当に無限なのか? と思ったり思わなかったり
ところで、かかる事例を瞥見してからだと、韓国発祥のwebtoonなる形式(形式?)が日本でも注目を集めているのって、韓流エンタメだからという以上に、作品から原作者(という形で同定される存在)を排除したいからなのかもしれない。かような形で原作者vsそれ以外のステイクホルダーの対立が先鋭化している事例を見るにつけ、作家性がそもそも存在しないwebtoonに出版社とかの熱視線が注がれている様子なのも、なんとなくわかる
電子書籍の売り上げのおかげで近年のマンガの売り上げは過去最高を記録しているとのことですが、そんな時代になっても──連載を続けるか打ち切るかといった──作品を査定する指標は依然として紙の単行本の(発売後一週間程度の)売り上げによって決まるというの、出版業界は相変わらず謎い商慣行が支配してるんだなぁ感しかなく
QT: https://mastodon-japan.net/@honjp/112234785017011526 [参照]
しかしそれにしても、
春画を生成しようとすると丁寧な文面で断られたり、会場のKUNST ARZTのロゴマークを絵の中に出そうとしても最後まで間違った綴りで出力されたりと、おそらく生成AIという技術の内在的限界と違った位相に位置づけられるであろう問題が不意に顔を出していることが作品を通して可視化されており、そこはなかなか興味深かったです。今回に関してもう少し詳しく言うと、前者は性表現をめぐる様々な問題系と接続されるし、後者についても「KUNST」も「ARZT」もドイツ語では一般的な単語(Kunst=芸術、Arzt=医師)なのになぜかそうなってしまうというところに、この手の生成AIを全く触ったことがない者的にも となるばかりでして。
というわけで、かように細かいところで、生成AI使用の是非以前に、現状においては生成AIのバックグラウンドにあるビッグデータ自体に度し難い政治的・人種的・言語的etcな偏差があることが強烈かつオモロく増幅されていたわけですね。そういった偏差のない中立的なビッグデータというのが端的に存在しえないことが既に明らかになっている中、若木女史の試みは──本人がどこまで意識しているかはともかく──生成AIの無意識(生成AIの無意識?)を可視化するところにまで踏みこんでおり、見かけ以上にクリティカルなものとなっていたのでした。明日まで。
KUNST ARZTで開催中の若木くるみ「Wiki世絵」展。
デビュー当初の体当たり系肉体表現主義からクラスチェンジ(クラスチェンジ?)して、近年は木版画を多く手がけている若木くるみ女史ですが、今回はWikipediaにおける浮世絵の代表作や絵師(葛飾北斎とか)の説明文から抜粋した語句をChatGPTに読みこませ、出力された絵を元に作られた多色刷り木版画が出展されてました。数年前からネット上の絵師vs生成AIというのが繰り返し話題になっている中、彫師&摺師視点でちょっかいかけてみたといったところでしょうか。版画作品だけでなく、その版画の元となる画像に至るまでのChatGPTとの対話の記録が並べて展示されており、その記録を見てみると、若木女史とChatGPTとの間で掛け合い漫才状態だったのが、なかなかオモロ まぁ江戸時代の浮世絵師たちに関しては著作権が既に切れてひさしいですし、ChatGPTの画像をそのままうpしているわけでもない──若木女史いわく、多くの作品では参考にはしたけど、木版画化するときにそのまま採用したわけではないという──から、いろいろセーフではあるわけでして。
「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」ネモフィラの花が輝く展示、夜の植物園で光&音が伝播 https://www.fashion-press.net/news/117199
漂ってくるチームラボボボーボ・ボーボボ感 ←←
三菱一号館美術館で「オーブリー・ビアズリー展」(仮称)開催へ。V&Aが全面協力 https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/28743
2025.2.15〜5.11。オスカー・ワイルド『サロメ』の挿絵でおなじみ(?)のオーブリー・ビアズリー(1872〜98)ですが、来年原画展(←原画展とか言うな)があるそうで。当方は岩波文庫でしか知らないので、例の『サロメ』の原画が実際どのくらいの大きさなのか全く知らず、その点は気になりますね。
そして某サロメ嬢がアンバサダー(アンバサダー?)に就任ワンチャン?
中島みゆき展 「時代」2024 めぐるめぐるよ時代は巡る https://kadcul.com/event/185
2024.4.20〜6.23、角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)。中島みゆき御大、当方はファンとかアンチとか以前に、有名どころの楽曲はテレビやラジオで流れてたのを聞いたことあるなぁという程度なのでアレですが、知人にもファンがなかなかおりまして。この前まで開催されてた永野護展に続き、また来場者の年齢層が高くなりそうな
リンク先のサイトを見るに、あの手この手で「様々な魅力に満ちた中島みゆきを鑑賞者が体験できる」空間作りが目指されるようですが、でも彼女の詞の世界を取り上げるなら、彼女が信者だというあの新宗教のことにも触れないと片手落ちになってしまいそうで?
リニューアルオープン記念特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」 https://artexhibition.jp/exhibitions/20240320-AEJ1929293/
一昨年くらいから大規模に改装工事中だった大阪市立東洋陶磁美術館ですが、ついに再オープンするんですね。2024.4.12〜9.29と、なかなかな長丁場。今回はコレクション展ですが──「シン・東洋陶磁」というタイトルについてはさておき ──、またいい意味でクセモノな企画展を連発してほしいものです
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪