複合ぶりが圧巻、伊東豊雄氏の「おにクル」は令和のメディアテークである https://bunganet.tokyo/onikuru/
茨木市民会館跡に最近建築された茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」、当方は所用の帰りに工事現場前を通りすがったことがある程度でしたが、知らん間に完成していたことも、そもそも伊東豊雄氏の設計だったことも全く知りませんでした
当然実際に行ってみないことには何とも言えないのですが、各フロアごとに機能やコンテンツなどを分散・混在させているというのは、この手の公共施設としてはかなり思い切っている感があります。茨木市やその周辺の、いわゆる北摂地域は、ハコモノの空間デザインに関しては割と保守的だから、余計に際立っている。というか当方の居所(茨木市の隣の市です)の市民会館もこのおにクルと同時期に新築されてオープンしたんですが、良くも悪くも手堅いだけのシロモノだったのでェ……
「絵画の中のものごとは、絵画の枠に収まるわけがない」──鮫島女史のこの発言は、彼女の絵画についての自註としてきわめて示唆的であると考えられます。実際、今回の出展作でも特定のモティーフ(彼女は絵を描く前に小さな立体物 コラージュを作るという)が複数の作品にわたって現われていたり、あるいは画面の中に大きく取られた余白が実は別の絵画の寸法と一致したりしているという。これらは明らかに「絵画の枠に収まるわけがない」ものごとをリテラルに見せるための技巧となっているのですが、しかしそれは技巧のための技巧ではなく、〈見えないもの〉の描かれざる連続性を示すために必然的に選び取られたものであることに注意しなければなりません。彼女において〈見えないもの〉とは、即自的・触覚的なものとして立ち現われており、描くことは、即自的な触覚性と技巧との間の創造的な不可能性の領野において「絵画の枠に収まるわけがない」形でなされる営為となる。そこを外さずに一貫しているところに、彼女の誠実さを見ることができるでしょう。24日まで
2kw galleryで開催中の鮫島ゆい「afterglow」展。ゼロ年代から関西で作家活動を続けている鮫島ゆい(1988〜)女史、近年は東京などでの個展やグループ展が続いており、関西での個展はわりとひさしぶり。
以前から複数の異質な要素が(異質さを隠さないまま)画面の中で同居した絵画を描いてきている鮫島女史、とりわけ近年は──金継ぎから想を得たという──「呼び継ぎ」というキーワードを前面に押し出し、矩形ではないシェイプトカンヴァスを多用した上で欠落や余白を画面の中に描きこんだ絵画を多くものしています。今回は近作〜新作が多く出展されており、彼女の現在地を知る上で過不足ないものとなっていたと、さしあたっては言えるでしょう。
鮫島は、「絵画という視覚芸術を通じて、視覚では捉えられない "見えないもの" の存在を指し示す」ことをテーマに作品制作を行なっています(プレスリリースより)かように、〈見えないもの〉への関心が鮫島女史の画業を貫く大きなモティーフとなっているわけですが、数年ぶりに個展という形で接してみると、その〈見えないもの〉への関心がさらに深度を増していることが一見即解だったわけで。「絵画という視覚芸術を通じて、視覚では捉えられない "見えないもの" の存在を指し示す」というのは、とりわけ写真技術の登場以後の近現代絵画においてはきわめてありふれた態度であると言えるわけですが、彼女の近作における「〈見えないもの〉への関心」は、そのような一般論に還元されない独自性を持っている。
社会学部芸術文化事業 映画上映会&トークセッション「風景の変容」 |追手門学院大学 https://www.otemon.ac.jp/event/other/_17357
2024.1.6|茨木市福祉文化会館|出展作家:ハルーン・ファロッキ、原田裕規、鈴木光、追手門学院大学社会学部社会文化デザインコース学生。当日は以上の面々の映像作品上映後、出展作家から原田氏と鈴木氏、東京都写真美術館学芸員の田坂博子女史を招いてトークセッションが行なわれるとのこと(司会:松谷容作氏(追手門学院大学社会学部教授))。本日まで事前申込期間だったので、慌てて申し込みました。果たして当方は勤務日程を上手くfixできるでしょうか…
今年当方が見逃したことを後悔しきりな展覧会ダントツNo.1な「風景論以後」展(2023.8.11〜11.5、東京都写真美術館)の担当学芸員を招いて、まさにその「風景(論)」をめぐる映像作品の上映とセットにしてイベントを組むとは、追手門学院大学もなかなかやりますねぇ
MetaのThreads、Mastodonとのクロス投稿のテストを開始 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2312/14/news099.html#utm_term=share_sp
前々から予告はされていたThreadsのActivitypub規格の採用、いよいよ第一段階に入ったようで。当方もThreadsを使ってますが、基本的にはここでの内容の再投稿なので、本格的にFediverseと接続されたら(ry
「決定版! 女性画家たちの大阪」展|2023.12.23〜2024.2.25|大阪中之島美術館 https://nakka-art.jp/exhibition-post/women-painters-2023/
そう言えば来週末から始まるのでした。今年1月か2月かに「大阪の日本画」展を見たとき、早々に開催が告知されていたもの。
「大阪の日本画」展でも女性画家が多めに紹介されてましたが、単に女性画家が(東京や京都に比べて)相対的に多かったというだけでなく、官展や画壇を目指さなくても商家の床間を飾る掛軸専門の画家として生きることができた──そういう専門家のことを「船場派」と名付けていたのには、若干ゃもにょるところですが ──ことにも目配せが効いており、教条的なフェミニスト美術史とはひと味もふた味も違う女性画家たちのエコノミーが(限定されていた形ではあれ)成立していたことが示されてましたが、それがさらに大規模に展開されるんでしょうね。期待したいところです
温州みかんの記事には特に意味はないのですが(ないのか)、
パスに日本語などが含まれるWikipediaのようなサイトへのリンクについて、エンコードされた%XX形式ではなくそのまま読める表記でリンクされるようにいじったよ、という実例です。
QT: https://fedibird.com/@noellabo/111570793979928349 [参照]
「形而上絵画」の初期作品も登場。「デ・キリコ展」が東京都美術館、神戸市立博物館で開催へhttps://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/28184
東京:2024.4.27〜8.29、東京都美術館
神戸:2024.9.14〜12.8(予定)、神戸市立博物館
ところで(ベルクソンやドゥルーズの研究で知られる一方)1990年代に博士論文の副査を務めるなど、村上隆氏が世に出るきっかけを作った一人でもある篠原資明(1950〜)氏は、しばしば村上氏のDOB君シリーズや727シリーズについてこのジョルジョ・デ・キリコとの類縁性を指摘しておりまして、東京での会期は村上氏の個展「もののけ 京都」展(2024.2.3〜9.1、京都市京セラ美術館)と丸かぶりなので、篠原氏の所説を検討するいい機会かもしれません
「全国にはあり得ないと思える名字の人が…」電話帳で発掘した珍名さん巡りを続ける名字研究家・高信幸男さん(67) : 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20231209-OYT1T50274/
当方が大学時代に所属してた学術系サークルには「尚」「攵」「亀」を組み合わせて一字にした「がめ」さんという女性がいました(金沢出身でしたが、向こうでも滅多にない名字だとしきりにボヤいてた記憶 ) [参照]
【2023年ベスト展覧会】今年もベスト展覧会を云々する時期になりましたね。上はTOKYO ART BEATのアンケートフォーム。
今年も残り1ヶ月を切りました。あなたの記憶に残る、2023年のベスト展覧会はなんですか? ぜひご回答ください! アンケート結果は2023年12月末に記事内で発表予定です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScNjScMuTYyY76fon-cB60xa9qJlqDipgtKz5HyU90bc9iqOA/viewform
古谷利裕氏による連続講座が来年から始まるらしい(まぁ当方は行けませんが )──連続講座「未だ充分に尽くされていない「近代絵画」の可能性について(おさらいとみらい)」 https://inunosenakaza.com/modern-painting
第1回(2024.1.20)はピカソとマティスについて、とのこと──「未だ充分に語られていないマティスとピカソについて」 https://inunosenakaza.com/modern-painting/lecture1
東京の空に浮かんだ《まさゆめ》で話題を呼んだ、現代アートチーム・目[mé]の現在地に迫る。『美術手帖』2024年1月号は、目[mé]の特集 https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/28169
既に発売されているようですが、目[mé]が特集されているとのこと。ところで紙の美術手帖、季刊になって以降は大きい書店でも最近意外と見かけず…… そう言えば前号の特集ってなんでしたっけ
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪