展覧会めぐり、前場は大阪国際会議場で今日から始まったArt Stage Osaka 2023を見て回りました。昨年から始まったこのArt Stage Osaka、前回は堂島リバーフォーラムで各ギャラリーがブースを出展するというアートフェア形式だったのですが、今回は複数のディレクター/キュレーターによるグループ展三本建てとなっています──
・アジア各国の絵画作品を紹介する「World Art Osaka: Painting Now Redux─アジアの「いま」をめぐる」(ディレクター:遠藤水城)詳細はまた後で論じますが、個人的にはグループ展として面白かったのは遠藤氏ディレクションの「Painting Now Redux」展と、ブロックチェーン技術を用いたメディアアートのグループ展「Proof of X」展でした。他は、まぁ個々の作品レベルでは興味を引かれる作品もありましたが……
・日本の若手現代アーティストを紹介する「Japanese Contemporary: すべてが計算される世界でまだ祈るべきものは残されているのか?」(キュレーター:高橋洋介)
・NFTやデジタルアート作品をフィーチャーしている「New Media: State of the “Art”」(FAT Collection, Proof of X, NFT X CREWの合同展)
弘法大師・空海の生誕1250年を記念した特別展「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」が奈良国立博物館で来年4~6月開催 https://artexhibition.jp/topics/news/20230829-AEJ1562035/
2024.4.13〜6.9とのこと。空海(774〜835)の生誕1250年ということで、密教絡みの国宝や重文が多数出るようです。
そう言えば、先日国立国際美術館で開催された村上隆氏とのトークで篠原資明氏──『空海と日本思想』(岩波新書、2012)という著書があります──が、村上氏の作品(特に近年の、仏教美術を露骨に参照している作品)について仏教を参照しているけど禅的ではないとし、空海との思想的な近しさを指摘してました。『空海と日本思想』は発売当時、それまでベルクソンやドゥルーズなどについての著書が多かった篠原氏が突然空海を論じたことで、ちょっとした波風が立ったものですが、氏の議論の是非についてはにわかに言えないものの、まずは空海の残した諸文物に接してみることから始めることが必要ではあるでしょう。
「両界曼荼羅」をどうしても「限界曼荼羅」に空目
ジャニー喜多川氏の性加害認定、藤島社長の辞任求める 特別チーム:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR8Y54C9R8YUTIL00Q.html
数日前の記事ですが、どうせ第三者(第三者ではない)委員会がお手盛りのを出して終わりでしょと思ってたら、割とガチめな報告書を出してきたんですね。まぁでもこれで辞任するとも思えませんし、まだまだ二転三転しそう。なんせ「死者をバッシングするほど、日本におけるゲイ差別は酷い」と逆ギレするという最終オプションが藤島社長側には残されてますからね
しかしそれにしても、この問題が大きく取り上げられるようになった現在ですら、(某ギャラリーに行く途中で)梅田界隈某所にあるオフィシャルグッズショップの前を通りかかると週末には相変わらずジャニヲタたちが行列を作っており、これが「「「答え」」」か…… となることしきり
ホックニーはなぜ評価と人気を60年も獲得し続けられたのか?「デイヴィッド・ホックニー展」担当学芸員が徹底解説!【前編】 https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/hockney-curator-interview-202308
東京都現代美術館の同展担当学芸員な楠本愛氏へのインタビュー記事。近日公開予定の【後編】がうpされ次第、一気に読む(できるかな?←←)
【速報】明日31日に西武池袋本店でスト決行 そごう・西武売却に労組反発 #FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/578577
関西人なのでここに至った経緯がつかめないんですが、ここってヨドバシカメラが居抜きするしないで揉めてたんちゃいましたっけ 当然のことながらストは労働者の権利なのでアレですが、そうか、そんなに(再雇用先としての)ヨドバシが嫌いか……となるところではあり。それは当方もそう思う←←
そう言えば当方の居所にも西武百貨店があって数年前に撤退したんですが、特に今回のようなオオゴトにならなかったのは、やはり売却先=従業員の再雇用先が阪急百貨店だったからなんでしょうね
相生市の住宅で大麻栽培か 芸術家グループのメンバーら逮捕 https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20230828/2020023080.html
ヒスロムェ…… 確かに最近動向に接する機会がなかったですが……
Art Stage Osaka 2023、9月1日に内覧会、9月2、3日に一般公開と思い込んでたんですが、よく見たら(8月31日に内覧会で)1日も一般公開日でした。じゃあその日に行けるゎ
(それにしてもNFT前売り券も同時発売って、これもうわけわからんね )
https://www.artstageosaka.com/
QT: https://fedibird.com/@wakalicht/110836065840307635 [参照]
中島麦「見えない色/みえる時間」展、会場のKARINOMA 旧武石商店自体がまず圧倒的にヤバい(←語彙力)。築200年になり、30年ほど前まで実際に人が住んでいたそうなのですが、単純な文化財としての古民家ではなく、内部は各時代に応じて住人たちの手が入りまくり、結果としてほとんど天然コラージュ状態な時空間となっている、という。**《必然と偶然の中で作り出されたツギハギの空間》**(DMより)とは言い得て妙だし、当方も中に入ってなんぞこれェ…… と絶句することしばし(爆)。
出展作の方は、中島氏が近年様々なやり方で方法論と可能性を追求しているカラーフィールドペインティングの棚卸しないしは中間決算といった趣でしたが、会場が会場だけに、かかる超空間に拮抗しねじ伏せようとするのではなく──**そんなことは端的に不可能である**──、絵画を置くことで観る側に時空間に対するある種の「気づき」を促すようなものとなっていました。その控えめさ加減といいますか、絵画自体は色彩をビビッドに押し出しているものも多々あったにもかかわらず/それゆえに、この展覧会は中島氏による陰翳礼讃((C)谷崎潤一郎)として良きしつらえを見せていたと言えるでしょう。このあと、明日と9月2〜4日、9〜11日に開館。入場料は¥500です。 [参照]
ハヤカワのNFT電子書籍付の本を買ってみた【いつモノコト】-Impress Watch https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/itsmo/1525455.html
6月に刊行されたNFT電子書籍つきハヤカワ新書についての記事。紙の本+¥400で買えるらしい。現物(現物?)は当方も書店で見かけて、若干ゃ意を測りかねるなぁと思ったものですが(爆)、NFTを用いることで、電子書籍版を──書籍を古書店に売るように──売ったりできるし、その際に原著者や版元に遡及的に利益が入るようになるらしい。
NFTという注目の技術を使って、二次流通でも作者や版元に収益還元を行なう仕組みは、書籍に限らず求められているものだと思いますし、投機目的でないNFTの使い方として大いに注目に値します。(強調引用者)というのは、なるほどなぁと思うことしきり。まぁこれはどう見ても過渡期的な形態なんでしょうけど、日本だと(特にマンガに顕著ですが)、紙の書籍の売り上げが依然として作品や作者の価値を第一義的に決めるファクターになっているので、紙の書籍+NFT電子書籍というのは、案外このまま定着したりして?
好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪