西天満にあるOギャラリーeyesで今日まで開催の今道由教展。例年、だいたいこの時期に同所で個展を行なっている今道由教(1967〜)氏、これまでも紙を切ったり折ったりクシャクシャに丸めたりすることで、平面における図/地、表/裏、色彩/支持体、シュポール/シュルファスetc…… をミニマルに問い直す──その結果、これらの二分法は氏の手によって境界線をあやふやにされ、相互に反転する/しうるものとして作り直されることになる──作品を作り続けていますが、今回もこれまでの考察の延長線上にある作品が出展されていました。
今回の個展では、プリンタやスキャナを用いた作品が初登場しています。《何かの対象を描くのではなく、描く行為そのものから生じる筆運びや筆圧などの痕跡による非具象絵画》(←プレスリリースより)を主軸としてきたことからするとなかなかな変化ではありますが、実際には先ほど触れたミニマルな問い直し作業を──絵筆を介さない分──さらにミニマルにした作品が揃っていたのでした。今回は一本の線を引いた紙をスキャナ上で光に合わせて何度も動かすことで「図と地」=イメージを発生させてトレーシングペーパーに出力した作品がなかなか出色。大作はないものの、引き込まれるものとなっていたのでした
日本画家・竹内栖鳳の大回顧展が京都市京セラ美術館で - 代表作が一堂に、新発見《羅馬遺跡図》初公開 https://www.fashion-press.net/news/107075
知らん間に今秋京都市京セラ美術館で開催される竹内栖鳳展の詳細が出てました。前期:2023.10.7〜11.5、後期:11.7〜12.3とのこと。代表作と目されている(?)《絵になる最初》とみんな大好き(?)《獅子図》がともに出展される後期の方が見応えありそうですね。エラく混み合いそうでアレですが
月刊みんぱく – 国立民族学博物館 https://www.minpaku.ac.jp/research/publication/column/gekkan
今月(8月)号の特集は「政治的なるものと不条理の超克」だそうで。《独裁国家、植民地国家、危機にある民主主義国家、大規模な管理統制社会。政治的なるものは不条理として人の前にあらわれる》(←国立民族学博物館公式 より)というところから出発して、不条理としての政治をめぐる諸相──もちろん、そんな諸相に対する人々の抵抗という実践も視野に入ってくることになるだろう──を各国における事例研究を通して見ていくという感じでしょうか。
この月刊みんぱく、ページ数的にはそう多くなく(その意味では、ニュースレター+αといった趣の刊行物と言えるでしょう)、一定期間が過ぎるとサイト上でpdfファイルとして無料公開されるのですが、これは実際に博物館にうかがってお救いしたいところです
展覧会「風景論以後」東京都写真美術館で - 写真・映像の“風景”その背後にある社会的構造を問う https://www.fashion-press.net/news/106890
8.11〜11.5。「風景論」というと必ず引き合いに出される人物や作品(松田政夫、足立正生、『略称・連続射殺魔』etc)はひと通り押さえられているようで、そういう《日常的な風景を国家と資本による権力そのものだとする風景論》がまさに眼前で超展開されている──がゆえに、「(国家はともかく)資本による権力」について匂わせる展覧会の企画がなんとなく忌避されている感のある? ──東京で行なわれるというのは、大きな意義がありますね。まぁ当方は見に行けるかどうか分かりませんが
地元の才能が羽ばたく場に。「ART OSAKA 2023」がローカリティに注目する意義とは?|美術手帖 https://bijutsutecho.com/magazine/news/market/27588
ART OSAKA、当方、今年は勤務日程の都合で全スルーですが 運営側のインタビュー記事が公開されてますね。アートフェアの会場が大阪駅内のホテルから中之島公会堂に移ったり、大型作品やインスタレーション部門の「Expanded」を昨年から北加賀屋で始めたりと、いろいろ試し打ちを行なっていますが、単純に規模を拡大することに対しては
出展者がビッグギャラリーばかりになってしまうと、価格帯が比較的低い若手作家たちの作品が出てこなくなってしまう。『若いけど面白いね』というような作家たちが見られる場をつねに残しておきたいし、それはART OSAKAならではの魅力でもあると思うという森裕一(MORI YU GALLERY代表)氏の発言からもうかがえるように否定的なようで、昨今の動向からするとそれは良い判断ですね。そういうのは東京現代に任せておきましょう
昨日は後場を回ったあと、KEN FINE ARTにてギャラリストや出展作家、ART OSAKAに招待されてた関東の知人たちetcでギャラリー飲みに興じてました。これ↓はギャラリーの片隅でくるくる回ってたタムラサトル氏のワニ
QT: https://misskey.cloud/notes/9hpv0b47jj [参照]
「美術館の時代」をふたたび。兵庫県県立美術館新館長・林洋子インタビュー|美術手帖 https://bijutsutecho.com/magazine/interview/27520
館長は非常勤であることも多いですが、そうした古き良き昭和型ではもう難しい時代になっている。今後の美術館館長はプレイング・マネージャーとして、学術的な監修だけでなく、ポストコロナの美術館が抱える複数の課題を整理し取り組んでいくことが求められているのでしょう。私は東京都現代美術館で学芸員を、京都造形芸術大学で教員を、そして文化庁で芸術文化調査官をと、複数の立ち位置から同時代の美術や美術館を見てきました。そのキャリアから得た人脈、忍耐力、免疫性(笑)を活かすことが期待されてのことと理解しています。昨年度までDOMANI・明日展のキュレーターを務めていた林洋子(1965〜)女史がこの4月から兵庫県立美術館の館長に就任したそうで、インタビューが公開されていました。既に関西のギャラリーでの目撃情報がチラホラあるようでして、一般論として50代後半という年齢は美術館の館長クラスとしては確かに若い部類に入りますが、この記事における「プレーイング・マネージャー」的立ち回りをさっそく実践していることになるわけで、ここ数年コレクションの新規購入が相次ぐなど、なかなか派手な動きを見せている兵庫県立美術館をどう運営していくか、一鑑賞者的にも様子見
講座 まなびはく「松谷武判を知る」 |2023.9.3、13:30-15:00|芦屋市立美術博物館 https://ashiya-museum.jp/event-program/event-program_new/17731.html
1960年代前半に具体美術協会に参加し、長年にわたってフランスで制作活動を続ける松谷武判(1937〜)御大の講演会が〈具体〉研究&顕彰の有力な拠点として知られる芦屋市立美術博物館で開催されるそうで。聞き手は((〈具体〉にとどまらない)戦後関西の前衛美術研究の第一人者として知られる)鳥取県立美術館館長の尾崎信一郎という、ベストな布陣。
松谷御大、昨年ギャラリーヒルゲート(京都市中京区)での二人展でお姿を拝見し、年齢的にこれが最後の来日になるのかなぁと思ったものですが、全然そんなことはなかったという
はならぁと2023こあ(宇陀松山エリア)「SEASON 2」展|10.20〜30(10.24〜26休)|奈良県宇陀市松山地区内各所
*キュレーター:長谷川新
*出展作家:朝海陽子、クローン文化財(ミレー《種をまく人》)、丸木スマ、山本悠、ユアサエボシ …and more
https://hanarart.jp/2023/uda.html
奈良県各所で毎年開催されるはならぁと、今年の「こあ」エリアのキュレーターは長谷川新氏が担当することは既に発表されてましたが、会期や出展作家の詳細も発表されてますね。丸木スマ(《原爆の図》で知られる丸木位里、俊夫妻の母親)やクローン文化財など、相変わらず何をどう繋げていくのか、現地に行って見届けないといけない感がすごい
なお、会期中には他にも様々なイベントが同時開催されるそうで、演劇祭やマルシェなどが予定されているようですが、
棍棒のふるさと展2#とは ?
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好事家、インディペンデント鑑賞者。オプリもあるよ♪