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ヒットマンの面白いとこの話。本筋に触れる 

ところどころリンクレイターの相変わらずマッチョなところ(エブリバディ・ウォンツ・サムとか苦手)は顔を出してるなーとも思ったが、アポロ10号1/2(これは傑作だと思う)で「野蛮な時代」の客観視ととはいえそこに愛着があるんよね、を両立したのが今作にもつながってる気がした。グレン・パウエルのトゥーマッチさというかある種の古い「いい男」性というか「普通さ」がない(全部パフォーマンスに見える)という個性をこういう使い方にした段階で半分勝ってて(事実判明から秒単位で表情がロンとゲイリーを行き交って見えるの演出と演技が噛み合ってて素晴らしかったね)、あと半分はキャリア後半戦は「底抜けワンダーランドとしてのアメリカ」を軸にしたいとこがあるのかしらん、などと

そもそもあのおとり捜査の底抜け感がすごいと思うんですよね。顔見えるとこに出る仕事してる人がパートタイムジョブでやるかそれを。出廷もするんかい。そもそもあれで未遂とみなされるんかい。普通そこで迷うだろということが全部迷いなく成立してしまうワンダーランド。銃は日常にあるもので、未解決の殺人事件も当たり前、しかしやたらと明るい世界でやべーやつがやべーやつと出会って恋に落ちてぬけぬけと幸せになったよラッキーまでの一筆書き。おもしろ!

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ヒットマン、ソダーバーグと隣接するときのリンクレイターって感じだったんだが(全部見てるわけではないのだがバーニーと近い気がする。どっちもネタ元がある「倫理的にダメ」というより「倫理的に変」な話だし)ソダーバーグと違うのキャラクターへの愛着だよねーという話をした。ソダーバーグ先生は「状態」「状況」をめちゃくちゃ愛してはいるがキャラクターは愛さない人だと思っているので…なおフィンチャーは案外キャラクター愛の人で二次創作マインドの強い人だと認識してる。このあたりの監督の映画はどうしても本編よりも作家性のほうに話が逸れてしまう私がいる。

で、ついでに見たことなかった古典、シンデレラ見てみたんですよ。これがね、ちょっと面白いことに、めちゃくちゃ自我が確立した「夢だけは奪われんぞ」の根性座った「私は私のやり方でいく」シンデレラ像なのね。顔つきからしてアグレッシブ(あとすごくセクシーに撮られている…!)。いわゆるシンデレラストーリーというときに想像されるヒロインの「健気さ」みたいなのがあんまりないの。最後まで先を読んで振る舞う、生き延びるための働き者ヒロイン。ルッキズムというよりハリウッドクラシック作品によくある「野暮な人間はどれだけ馬鹿にしても良い」ヨーロッパ趣味が露骨な(見た目も醜く描かれている義姉たちだがむしろその振る舞いの野暮さが強調される)とこには、まあさすがに厳しいものがありますが、この時代でも既にお伽話の古さを革新しようとする意識は端々に見えて、そう単純に「幸せに暮らしました」も否定できない迫力がある。この女は女王になっても「仕事」をやり抜くであろう。そのドレスのごとくシンプルで大胆な女。

あと○と上下運動の映画でもあり、王様(このキャラクター自体がかなり「子離れできない」存在なのも興味深い)と大公のドタバタ、ネズミたちの屋根裏アクションとかに妙に尺が割かれてるのも面白かった。シャボン玉コーラスとかのアイデアも楽しんだ

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ファミリーは呪いであり祝福であり、まあだいたい何かしらの強い繋がり(愛と呼ばれたりするもの)がそうなんだけど、その繋がりがなかったら生き延びられなかったコミュニティもあるわけで。そこに亀裂が入った時に建て直せるのは最も「らしくない」存在かもしれないし、でもそれは建て直せるまではわからないこと、みたいなね。

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「ミラベルと魔法だらけの家」見た。あらこれもよくできてるわね。全体にはやや薄味なんだけどそのぶん失速しない脚本だったので、あとから好感を持って思いだせそうな。歌いまくる映画でつまんないバラードがほとんどないとこも。リンマニュエルミランダ案件だからということだけでなく、プリンセス映画の在り方としてモアナっぽい良さがある。非常に舞台映えしそうなアイウォントソングの演出とか面白かった。2010年代からのディズニープリンセス映画、ミュージカル映画的な演出ではなくガッとステージっぽくなったの面白いよね。やはり3Dだとそこに向かうということか。あと「奇跡(ミラクル)を救う」という表現が面白い気がした。奇跡とミラクルって同じではないんだなーと

またこういう家族愛で自分を傷つけた人を許してるのとかどうなん?と受け取ってた人もいたと記憶してますが、私の見方はむしろこれ、かなり面白い捻りのある家族話では?なんですよ。この時代にプリンセス映画をやるとはどういうことか。
呪いと恩恵をひとつにして「私が私をみつけるまで」の話にしてるのも、やはりモアナと近いように思う

作劇の限界となっている部分は色々ある(旧作邦画まあまあ見る人としては時代劇として昭和を撮る難しさはすごく感じる)としても「全部やりたい」ということ自体がすごいんだ、という視点。

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なんだかんだと虎翼見続けているのですが(連ドラ体質ではない私が…すごいことだよ)今のところこのドラマについて(私はそこまで熱くはなってないけど)柴田聡子さんのこの文章がいちばん好きだなと思った。
andpremium.jp/article/satoko-0
【『虎に翼』は、ほんとうにたくさんのことを描こうとしている気がする。すべてを描くことはできないとしても、それでもなんとしてでも描くんだという意思を感じて、見ている時によく涙が出る。物語はとても面白く、励まされたり光明を見る場面も多いけれど、土台は人それぞれの地獄、しかも立ち上がるためのかたさが地面に残っている、それが地面に突っ伏した人にはわかる、立つかどうかはその人が決める、そんな地獄の話のように思う。それは希望であって地獄であって、泣いてしまう。】

ちょっとミーガン的ミーム狙いがすぎる気も…とか思ったけど。でも楽しいホラーアクション。キャサリン・ニュートンはたぶん本当にこういうのが好きなんだろな、ちょっとした仕草がホラーのギャルしていてよろしい

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アビゲイル、どうということのないおもしろホラーアクションだけどアビゲイルちゃんがめっちゃ元気なのでよかったですよ。かまってよー!

特定の人からお墨付き(賛否どちらでも)が出ると周囲もだいたい同じ方向に…というのは特定の人が特にそのつもりなくても起きるので、ワーッとなること自体が苦手じゃない人が生き残っていき、ワーッとなるのに耐えられない人は距離をとるしかなくなるのかもな、などと

マイエレメントみたー。人形劇路線ではなく…なんだろ?ガラスアニメーション?よくできてるけど(炎のゆらめきとか光の反射とかほとんどアートアニメーションの領域)近年のディズニーピクサーのルーツ愛と融和についての作全般、児童以外を描くときに素朴にやれない難しさがつきまとっている気がする。意味が画面に勝ってるまではいかないけど、ロマコメをやるにはあまりにこどもっぽいふたり(恋をするまで自我らしきものがない!)になるのな…に違和感を持ちつつ、まあ今の時代「娘」「息子」期間が長くなるからな、こんなもんかも?

行政にはもうちょい敬意あっていいのでは、鉄砲水問題のほうも決着つけてー!本筋に関係ないようで大事なとこなんだから、そこは外さないでー!みたいなとこは気になる

ただ文句なく美しいシーンがたくさんあるので(いかにもな名場面すぎるかもしれないけど線路からの水が両側に流れ落ちる、あれロマコメ定番噴水モーメント、成就の予感と共に恋の喜びが噴水から吹き上がるあれの逆の水の流れを作ってそこにエンバーの顔が映るのとか良いわねーと思った)見応えあるし、ラストも綺麗

あと男の子がひたすらやさしくて泣き虫で気丈でかっこいい女の子に惹かれる、ふにゃふにゃしてるからこそ力になれる、というのが良いなと思いました。今だねー

完全にひとりで生活リズムを組み立てられる暮らしをしている人はともかく、そうじゃない人たちにもどうやったらあんなに映画を見に行けるのか…?という数を見ている人たちがいる、しかもそういう人たちお酒とかもよく飲んでたり本とかも読んでたりする、どういう時空で生きているのか、これは永遠に解けない謎である(わたしがちょっとした時間を全部寝ることに使うことは棚に上げる)

家族とかこどものとことかゲームコミュニティまわりは良い感じの一方、会社や保育園まわりはイマイチなの惜しいな、そんなに戯画化しなくてもいいのにな

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しかしこれ幼児の動きが幼児ー!なのすごい良い

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面白いといえば面白いし面白くないといえば面白くない。不条理といえば不条理だし、筋が通っているといえば筋が通っている。現実と幻視に「どこからどこまで」が存在してない…ので無限に底を踏み抜いていく、長さもあるのでこれはなんの話なんだ…と困惑。劇中流れるほとんどの歌の歌詞の意味がさっぱりわからない。繰り返される突如の全裸。なんなんだこれ。とりあえずマスクしなさい。酒と煙草をよしなさい。とか思ってたらそんなレベルにない話なのだった。困惑に困惑を重ねていく理由は一回性の緊張感にはあまり繋がってない迷宮性だけがそこにある長回しからきている、のかしらん

1977年は郷愁の対象ではあるものの、別に全部よかったわけでもないし普通にヤバくはあった、でも今ほどのどん詰まり感だけはなかったよな、くらいの感覚で捉えられてる気がした。ウチの国のこの感じ、これだからやっとれん…がインフルでうなされる悪夢なのかなんなのかよくわからない何かの散文で語られる(主人公も入れ替わり続ける)。こういう映画を見たことない、と思う一方で「どこかで見ている」謎ロシアらしさのイメージとして再生される。一応オチはついているのだが、それも含めてなんだこれは。

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インフル病みのペトロフ家を見たのですが、なんですかこれは?

後者、私はドキュメンタリーはもう少し尖ってるほうが好きなんだが(インタビューで構成する話はよほどうまくやらないと「ですよねー」以上にならない)まあ題材的にグッとこないはずがないんだよね。公立学校に楽器がある、こどもたちがやってみたいと思った時にやれる環境を行政がちゃんと支援してるとこがここしかないというのがなんとも残念な話なんだけど。日本だって色々削られてしまえばこうなっちゃうんだよなー。直してる人たちが(人生を)直してくれたりより良いものにしてくれた存在に返していく。リペアをアルムナイに繋ぐというのはよかったな。みんなそうやっていく。これがオスカーの短編取ったのも「手を動かしてどこからきた人も助けるアメリカの美徳をもう一回考えてみようや」がギスギスした空気疲れに効いたのかもしれんなーなどと思った。

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『無垢の瞳』と『ラスト・リペア・ショップ』を見たわよ。前者、アリーチェ・ロルヴァケルは本当に人を食ったような話×今のほとんどの映画にはない風格のある画面というたぶん似た人がいなくてこれからも出てこない立ち位置なのでは…というのが短編でもよくわかった。どこに連れていくのか全然わからんのだが「映画」:ablobattention: もちろんアルバ(見れば見るほどにイタリアのアンドレア・ライズボローだなー。福を感じる。ただしこちらは本体どこ?には絶対ならない。のに似ている)さんがいることは大きなポイント

@spnminaco 「回転」と「たたり」みたらすごくうまく引用してるフラナガン版の良さ再確認もできて、またリピートしたくなるやつ!今年は秋の季語フラナガン期間はない…のですかね…

@spnminaco ねじの回転→ブライマナーなのであってますあってます!ブライマナーもめっちゃすき!(映画「回転」も好きです!)

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