「事実は小説より奇なり」って言葉嫌いなんだけど、出典はバイロンらしい。そして私がこの言葉が嫌いな理由をマーク・トウェインがとっくに表現していた。「小説は実現可能性にこだわらざるをえないが、事実はそうでないからだ」
この言葉が嫌いなもうひとつの(同じといえば同じ)理由として、小説ってそういうジャンルじゃん、リアリズムをベースにした新しい文学ジャンルじゃん、事実は叙事詩より奇なりとか事実は神話より奇なりとか言える? という点があるのだけど、原文はFact is stranger than fictionであると知り、fictionか……それならまあ……と思いました。バイロンが書いてるのも小説ではなく詩なので。
そしてバイロンおまえ事実より奇なフィクションいっぱい書いてるじゃん、と思うのだけど、これは『ドン・ジュアン』というフィクションの一節であり、フィクションの出来事に実現可能性が低すぎることに対して「事実なんだから仕方ないじゃん」と嘯いているのであって、別にバイロンがフィクションの力を軽視していたわけではない。
こちらのアンソロジーに参加します。「郵便」をテーマにした5首連作のアンソロジー。予約しておくと定形郵便の値上げ前に郵便で届くらしいです。
かつて手紙魔、いまは税金と年金の督促状を大量に溜め込んでいるわたしより。
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みづからの光のごとき明るさをささげて咲けりくれなゐの薔薇
曇日のすずしき風に睡蓮の黄花ともしびの如く吹かるる
夕雲の輝くごとき菊の花その比喩ひとつ抱いてねむる
ひややかにゆふべの光輝きて銀杏の立てるところを行けり
佐藤佐太郎『帰潮』
全体的には渋めの歌が多いのに、輝き(と植物)を歌った歌のまばゆさがすごい。
あっ、『無垢なる花たちのためのユートピア』文庫版の書影が公開されてますね! 単行本とはがらっとおもむきが変わって、こちらもとっても素敵。
https://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488803131
3月に開催した #衣裳箪笥のアリス の上演台本を使って、短歌を朗読するワークショップを開催します! 日時は11/3 13時〜と18時〜、場所はお茶の水RITTOR BASEです。何かを教えるというよりみんなで体験してみる感じの催しにしたいな〜と思っています。詳細はまた!
https://chuffed.org/project/111974-drinking-water-and-food-initiatives
ガザの人たちに飲料水と食料を届けるプロジェクトに寄付しました。
8/4『奇病庭園』刊行