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訳されるのうれしいけど林起用はまじなんなのw これ、ベネット読まれなくなる口実を版元が自分で作ってるなあ

この箇所は、「国際関係論の議論をそのまま放出できるのが仮想戦記ですよ」だな。そしてそういうジャンルフィクションは希少性があった、というのが冷戦&ポスト冷戦期なんだろう。

日米関係に関するくだりは、このジャンルが反米愛国要素と不可分になりうることを示唆しつつも、人によって判断が分かれそうだとも思わせる(たとえば東京裁判への性急な疑義はなしだが、湾岸戦争に対する疑義はあり、とか)。

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『別巻』にはこのメンバーの座談会が収録されているのだが、シミュレーションだから中立的です、米ソの言ってることはイデオロギーです、といった素朴な主張が繰り出されまくっている。(この種の発言に隙が露骨に見えるから、現在の再評価で回避する人が多いんだろうが、別の捉えかえしで包摂したほうがいいと思う)アホすぎるのでは

あと、荒巻は想定読者市場をウォーシミュレーションゲームのファンに置いているのも今や興味深い。コーエイの戦争ゲームとか大戦略の時代だなと。

除去作戦とは別解釈を推進するなら、仮想戦記こそが日本型ポストモダン小説だった?!とした方がよさそう。座談会では、新本格ミステリもシミュレーションでは?とか言われている。リンダ・ハッチオンがヒトリオグラフィー小説の展開でもってポストモダンフィクションとした手続きと並行的に思える。

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ちょいと気になって昔の荒巻義雄に関していろいろ資料を触れているんだが、真面目に取り組むなら、彼の仕事で仮想戦記時代を分離するのが無理じゃね…?と思える。

いまグレーバーを読むなら、『民主主義の非西洋起源について』からがおすすめ。これはいわば西洋中心主義を崩して民主主義論をするものなので、ポストコロニアルな見地の仕事にも読める。

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日本文学だと、司修か。古井とか大江の表紙。

そして、この枠のポップ化とエンタメ小説への採用として天野喜孝がある。

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76年のTEL叢書から出たサルトル『存在と無』も、オプアートもどきなので、こういうビジュアルを出して純文学とする潮流があったんだよね。
フーコー言葉と物の加納光於の装画起用もその末裔。

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この手のデカルコマニーはエルンストからの派生なんだけど、とにかく和製系譜があった。なにせ、昔出たつげ義春の小学館文庫表紙すらこの手の絵なのだ

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みんな懐かしの瀧口修造デカルコマニーですよー、とか言いながら手元にある図録の写真を撮って見せ合ってた。

ふた昔、いやさらに前くらいだと、小説の表紙装画なんかでこの手のデカルコマニーよくあった。

よく考えたらこれって絵を学んでなくても描けるから瀧口修造もやってみた!なのでいまのAIで二次元絵を作ってる人とわりと似たようなものなのでは…。

ベックリンってこんなのも書いてるんだな。わりと崇高系風景画か。

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