#落語
【さん喬あわせ鏡~月の巻~】2023年9月21日(木)18:45~21:35
市助「子ほめ」
さん喬「応挙の幽霊」
さん喬「お若伊之助」
~仲入り~
さん喬「宮戸川(前半)」~「笠碁」
きのうのテーマは「動物」。今日のテーマは何だろうというのは、後ろの列のお客さんもしきりに話題にしていたし、みんな気にしていたと思う。前半だけを見たらこれは「怪異」がテーマかと思いきや、後半の思いがけない展開。答えは何だろうと、たぶんみんなの頭に「?」が浮かんだときに、師匠が答え合わせ。今日のテーマは「秋の宵」を感じさせるものだったと。なるほど~! しかも、どなたかがペケッターで分析していらしたけど、昨日の三席ともぴたりと符合すると。それが本当なら、さすが師匠。さすが「あわせ鏡」。考え抜かれている。
さん喬「お若伊之助」
調べてみたら、さん喬師匠で聴くのはなんと16年ぶり。喬太郎師がときどきかけているのは何度か聴いていて、その場合は必ずすでにお若が根岸に行っているところから始まるが、この日は一番初めからのほぼ通し(ただし狸の子を産むところはやらなかった)。前段はこうなっていたのかと興味深く思いつつ、母、お若、伊之助、頭領、根岸の隠居と、それぞれの人物像が際立っていて、さすがだと思った。ちょっと妖しいこういう話を一時間語り通して一瞬も飽きさせないってすごいなあ。
で、これは根岸に実際にあるらしい「因果塚(狸塚)」の由来なので、前日の回向院・猫塚の由来である「猫定」と対応する。符号その②。
@torajiyama 厳選すると言いながら、顔づけみたらホイホイ出かけていくに違いない😆
さん喬「宮戸川(前半)」~「笠碁」
もうすっかり頭は「今日のテーマは怪異」と決めつけていたので、仲入り後に始まった「お花半七」に驚き、そうか、「宮戸川」を通しでやるのかとゾクゾクワクワク。あれは怪異でこそないけれど、終盤は陰惨な噺だから(喬太郎が通しでかけたのを二度ばかり聴いたことあり)。でも、予想は裏切られ、お花半七の色っぽい部分が終わったら場面が切り替わり、「お花と半七は駆け落ちしたらしいなあ」なんて世間話をしながら碁を打つふたり。こんなリレーはびっくりの「笠碁」が始まる。この噺は何度聞いても心温まるというか、細やかに移り変わる表情の一つ一つ、老夫婦が猫を可愛がるしぐさの一つ一つを見ているだけで、もう頬が緩みっぱなし。ニッカニッカしながら終わる。なんて優しく可愛らしい噺だろか。
じゃあ、これは昨日の何に符合するのかというと、ペケッターの方の分析では、半七が締め出し食らったのも「碁」に夢中で遅くなったからだし、笠碁はもちろん「碁」の噺。で、その「白と黒」の石が、前日の「鴻池の犬」の兄弟犬「シロとクロ」に対応しているんじゃないかと。えーーーーっ!!