ちょっとしたエッセイを書く材料を探して行き着いた。各宗派、教団による「平和運動」「先の戦争協力の反省」など。大きな宗派は意思決定に時間がかかるせいか、やはり「遅い」ですよね。大逆事件に連座した僧侶(高木顕明とか内山愚童)に対する謝罪とか除籍免除も1990年代でしたし。
/「宗教界の歴史認識~戦争責任表明とその後(年表付き)」研究員レポート 宗教情報|宗教情報センター
院ゼミでは学生に「自分の専門に近い論文で、みんなで読んで議論したいものを持ち寄れ」と言っているのだが、地理学専攻の学生が持ってきたのが、丹羽弘一「地理学と社会的現実」というものだった。僕は彼の存在も知らなかったが、衝撃を受けた。
https://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_111E00000016-1-1
丹羽さんの文には、NIMBY運動をいくつか列挙した後、ホームレスを襲った少年達の事件(80年代から頻発していた)が挙げられ、実は「あらゆる意味で排除されている者同士の、不幸で悲劇的な出会いに他ならない(p.4)」という指摘がなされていた。荒削りなエッセイに近い文章だが、それだけに生々しい提言や指摘が見られる。「困っている人をメシ(論文)のネタにして、それでいいの?」というラディカルな問いである。先日亡くなった宗教家の方からも「汗をかかない」僕のような研究者に苦言を呈されたことがあった。この丹羽さんに対する「追悼文」を、出版社「共和国 」の下平尾さんが書いていらっしゃったことも驚きだった。
http://blog.livedoor.jp/naovalis68/archives/51492572.html
小野寺拓也・田野大輔『ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波ブックレット)読了。最初、2段組で怯んだが、読みやすい文章でサクサク読めた。結局ナチスの「発明品」は、「すでに行われていたこと、他人がやろうとしたことを横から奪って「我々の業績です」と宣伝すること」だけだったか…。
一カ所だけ「あれ?」と思ったのは、「(環境・動物保護を推進して)「人間中心主義」の否定が行き着いた極北、それが強制収容所での有機農法であった」(p.94)という一節。遺体を肥料にすることなどが例示されているこの文脈では「否定」で正しいのだが、僕は高橋哲哉先生に「ナチズムはヒューマニズムである(要するに「この人種は絶滅させてもいい」というような判断を神ならぬ人間がおこなった「神が死んだ」人間中心主義のことを指す、と僕は理解している)」という衝撃的な掴みを一般教養の「哲学概論」で聞いた世代なので。
もう言葉を飾らずに言えば、検察は恥知らず。クソが。現世で「閻魔様」を気取っているようだが、死んで裁きに会うのはお前らだよ。
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https://digital.asahi.com/articles/ASR774WVYR74UPQJ012.html?ptoken=01H4TVG95096CCYCC8B3YSTAJH
御厨先生のインタビュー。前半は正直、まあそんなもんか…という感じですが、末尾で安倍晋三回顧録を一刀両断するのは、さすがオーラルヒストリーの大家だと、大いに納得しました。
ただ、安倍晋三回顧録がひどいのは、当人のせいももちろんあるけれど、対等な聞き手として安倍に接さず、「お話をご拝聴させていただく」的、ぶっちゃけ茶坊主やお伽衆みたいなインタビュアーの責任も大きいのだろうと思います。まあそういう姿勢しか受け付けない安倍が、結局悪いともいえますが。
結局、「お仲間」の中で忖度してもらえる人間関係しか受け付けず、それ以外の外部は「あんな連中」でひたすら拒否して攻撃する以外の接し方を知らない、政治家としての公共的理念に欠けた人間だったのではないでしょうか。問題はそんな人間を、少なからぬ国民が担いだということです。
わが国の政府、常に「どうあるべきか」ではなく「どう受容させるか」で動いている気持ち悪さがある。脳に直接快楽物質流しとけば満足するでしょ的な。
友人から回ってきて、賛同の署名をしました。ここに書かれているように、取材意図は良かったのに、何も知らないコメンテーターが台無しにしたんですよね・・・。前もこの大空某、辺野古の座り込みの抗議や入管問題に対して薄っぺらいしょーもないこと言ってたな。/TOKYO MXへの公開質問状|「堀潤モーニングFLAG」朝鮮学校報道を問う有志の会 #note
「Dappi」裁判で被告企業の社長が初出廷 「投稿者」の名前開示を拒否 10月に判決へ:東京新聞 TOKYO Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/258513
このままだと原告完全勝訴で賠償額880万円がそのまま来るものと仮定して。
証言拒否して敗訴して880万円払ってまで隠し通したいことって、そうそうないよね。普通の企業なら、少しでもリスクを減らすためにいろいろ足掻くよね。
なんらかリスクを減らす努力をほぼ全てなげうって、そこまでして一体なにを隠したいんだ株式会社DAPPIは。
マイナンバーと保険証の一体化の話、医療機関側として言わせてもらうと、
①読み取り機とそれに繋がるWindows IoT のPCが不具合起こしたらまるっきり使えない
②NTTなどの通信事業者が回線の不具合起こしたらまるっきり使えない
③保険証の資格確認用サーバが落ちたらまるっきり使えない
という「医療機関」「通信事業者」「保険組合の資格確認用サーバ」のどれに問題が起きてもまるっきり使えないという現状を、紙の保険証無くす時にどう乗り切るかを全く回答していないので、お話にならないんだよな。
国は「10割負担で徴収してください」って軽く言うけど、その責任の所在はどうすんの???
そのうちNTTに対して集団訴訟とかし始めるやつ出てくるよ???
僕は学生から何を言われてもあまり気にしないようにはしているが(僕が怒るのはゼミ発表の無断欠席くらい)、アドバイスしたり参考になりそうな論文を紹介して「先生、有能!」と言われた時だけは「ちょっとその言い方、待てや」と言ってしまった。/無礼語辞典 https://amzn.asia/d/i1abTCj
https://okadaic.net/archives/15576
「さようならTwitter」と題された、岡田育さんのブログ記事。
私にとってTwitterは情報収集に便利なツールであり、感謝の気持ちくらいはあれどとりたてて想い入れはない。それでも
「『誰もがみな140字を1単位として短文を投稿する』という、我々が愛したあのSNSの、最も重要で最も美しいたった一つの詩的なコンセプト」
という箇所にはちょっと感動した。
Twitterで「チャールズ国王」というのが「トレンド」に上がっていたので少し見に行くと、戴冠式に行っている秋篠宮一家に対する誹謗中傷やら、怪しげな陰謀論(血のつながり云々とか)が飛び交っていてびっくりした。僕は別に皇室ウォッチャーではないので、このところ(でしょうね)のこの一家への風当たりは詳しくなかったが、ここまで一部が吹き上がっているとは…。
数ヶ月に一度、宗教関連新聞の『中外日報』に書いているコーナーで、今回は「陰謀論」についての軽いエッセイを書きました。よろしければご覧ください。関連書も何冊かあげております。
陰謀論のゆくえ 「耳に心地よい物語」の危うさ
https://www.chugainippoh.co.jp/article/ron-kikou/jiji/20230428.html
川瀬貴也。大学教員。宗教学者。専門は日韓近現代宗教史。宗教学、思想史、近代文化史、社会学の周辺をぐるぐるしているつもりです。発言は個人の見解であり、所属とは無関係です。